私の赤ちゃん

平行宇宙

第1話 生後数日編①

・・・・

・・いで・・・

・・お願・・・かないで・・・

・・・お願い、泣かないで・・・・・


微かに聞こえる切実な声。


口の中はなんだか柔らかく暖かいものでいっぱいだ。

おかげで息ができない。

苦しいじゃないか。


僕は声を出そうとあえいだ。


否、喘ごうとした。

なんだか耳障りな音がする。

なんだこの喉の奥からせり上がってくる異様な塊は?

塊から異様な音がするのか・・・

なんだ、ふと僕は気づいた。

この異様な塊は、僕の中から溢れる息と衝動。

身体を震わせる音。

・・・泣き声か・・・僕?・・・僕は泣いているのか?・・・

すとんと腑に落ちる。

身体全体が強く抱きしめられている。

泣き声を止めようとしてか、はたまた別の意味か、僕の口の中に含まされているのは・・・乳房?

ヘンなの。

ま、いいや。

なんか可笑しいような気がする。

でもいいんだ、すっごくねむい・・・・

僕は、そうして、意識をなくした。

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