第24話 ソフィアを俺のものに(帝国side)

 ここは、サタオール帝国の城の一室。

 そこで、二人の男が話している。一人はサタオール帝国の皇帝、一人は、サタオール帝国の皇太子だ。


「父上、次はどうしますか。」


「しばらくは、静観だな。ミュゼルバ王国もシュミトス子爵家に関して、こちらが始末したと思っているだろうしな。」

「続けざまに仕掛けては、あちらに大義名分出来てしまうから戦争になる。戦争になれば、国力差と武力差で帝国は負ける。」

「あちらには、あの騎士団長がいるからな。必ず出張ってくるはずだ。」


「父上、そんなことを言っていたら、ソフィアが王太子と結婚してしまいます。」


「そう焦るな。俺は、ミュゼルバ王国を手に入れたい。お前は、王太子の婚約者のソフィアを手に入れたい。勝てば両方が達成できるのだ。王太子と結婚したらなんだというのだ。ミュゼルバ王国に勝てばこちらの自由に出きるのだぞ。焦る必要はない。確実に勝つことが重要なのだ。」


「では、ミュゼルバ王国の国王と騎士団長、ついでに王太子を暗殺しますか。」


 そうだ。邪魔になる存在は殺してしまえば済む話だ。

 王国を手に入れたい父上の手前、ついでにと言ったが、俺が一番殺したいのは、俺のソフィアを婚約者にしやがった王太子だ。


「それもありだが、今は、その時でわはない。ミュゼルバ王国の城の警備は厳しい。易々と暗殺者など入り込めんだろう。それに騎士団長も暗殺者ごときに後れをとらんだろうしな。」


「ミュゼルバ王国の騎士団長は、噂くらいでしか知らないのですが、それほど強いのですか。」


「ああ、強い。一騎当千の強さがある。ワシが20年前の戦争で、帝国は痛い目にあった。」


「20年も前の話ですよね。衰えているのではないですか。」


「いいや。ワシと同じ年だが、強者は、年を重ね経験を積むこと更に強くなるのだ。20年前より強いだろう。」


「そうですか。」


 私は、父上との話し合いを終え、自室に戻った。


 クソ、ミュゼルバ王国の連中、ソフィアを俺のものにする邪魔をしやがって、何かいい案を考えなければな……


 私がソフィアに初めて会ったの私がミュゼルバ王国の情報を手に入れるためにミュゼルバ王国の学院に留学し、同じクラスだったとマッカート王太子に紹介された時だった。

 敵対国とはいえ、サタオール帝国とミュゼルバ王国は国交がないわけでからな。


 初めて会った時、とても美しい女だと思った。

 だが、ソフィアは見るからに無能そうなマッカート王太子の婚約者だったのだ。

 廃嫡されたらしいから元王太子だな。


 本人と話したり、周りから情報から有能なのがわかり、有能で美しいソフィアがどうしても欲しくなった。

 それは、そうだろう。有能なので帝国の為に使え、美しいソフィアの体を俺の好きにできるのだからな。

 あんな無能には、勿体ないと当時、常に思っていた。


 マッカートの廃嫡で、第二王子が王太子となり、ソフィアは新たな王太子の婚約者となっている。


「必ずソフィアを手に入れてやる。」

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