第19話 ラルフと使用人たちが
私の王都行きが決まった一週間後、ラルフとクライシス公爵家の使用人たちがノイヌーヴォ領の侯爵家の屋敷にやって来た。
「「お久しぶりです。ソフィア姉様(お嬢様)」」
「!!」
私は、驚いたのだが、カイン様や侯爵家の使用人の皆さんは驚かれていませんね。
貴族に会うのに突然、屋敷に伺っても屋敷にいない可能性もありますし、面会する日程をやり取りして調整をするのは、当然ですからラルフたちが来ることを知らされてなかったのは、私だけでしょうね。
侯爵家の当主である叔父様は、王都にいらっしゃいますが、当主が知らないということは、ないでしょうから、まず叔父様に手紙を出し、叔父様が許可を出した上で、カイン様と日程調整したという感じでしょうかね。
「ラルフに、皆さん、お久しぶりですわね。どうされたのですか。」
「はい。父と母が王都に出掛けたので、その間に公爵家から出てきました。ソフィア姉様のいないクライシス公爵家など先はないですからね。計画は以前からしてました。」
「そうなのですか。領民の皆さんの様子はどうですか。ラルフたちが出てきてしまって大丈夫なのですか。」
「ソフィア姉様が公爵家からいなくなってからは、私が姉様の代わりに同じようなことをしてましたので、問題は起きてません。今後はわかりませんけど」
「領民の皆さんには、姉様の所に行くと説明したら、しばらくは、あの領主で我慢するから、行ってきなさい。そして、姉様に色々教わって、当主を引退させて、当主を引き継ぎいい領主になって、自分達が幸せに暮らせるようにしてくれと言われましたね。」
「なので、クライシス領を豊にして、領民の皆の願いを叶えるためにも、姉様もお忙しいと思いますが、指導お願いします。」
「ラルフ、私には、あなたを指導するだけの能力はありませんよ。
折角、来られたのですし、この屋敷に滞在し、ノイヌーヴォ領の代官をされているカイン様に指導して頂いてはどうですか。」
「わかりました。カイン様から姉様は、王都の叔父さんの屋敷に移ると聞いていたので、元々姉様の代わりにカイン様の補佐をしながら色々と学ばせてもらうつもりだったのです。」
「姉様がいる間だけでも姉様に指導してもらえたらと思っていただけです。」
「そうだったのですか。使用人の皆さんは、どうされるのですか。」
「我々は、元々ソフィアお嬢様の使用人はお嬢様と共に王都のドナルド侯爵様の屋敷に行き、ラルフ様の使用人はこのノイヌーヴォ侯爵家の屋敷で働かせて頂けることになっております。他の使用人はどちらかに分かれて働かせて頂けることになっておりますので、ご心配は無用でございます。」
私が知らされていないだけで、ラルフも使用人の皆さんも今後を既に決められているてますね。
突然、来たので、心配しましたが、安心しましたわ。
ラルフたちが来てから数日後、私と私と共に行く使用人たちは、王都の叔父様の屋敷に移るために、カイン様、ノイヌーヴォ侯爵家の使用人やラルフ、ノイヌーヴォ侯爵家の屋敷で働き始めたクライシス公爵家の元使用人たちに見送られながら王都へ向け出発しました。
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