32 試作型操縦訓練 ゴーレムの反乱はロマン?


いつの間にか秋も終わり、冬に突入していた。


「いつの間に?」三郎

「ああ、訓練と巨大ロボ制作に明け暮れていたうちに、だよ」次郎

「子供のうちは時間が経つのが速いというからなぁ、、ホントだなー」四郎

「冬の前に出来上がってよかったよ、、寒い中に金属触る?ううぇーー、、」俺

「済まないね、僕達何もできなくて」次期

「あら、私はボスだから見てるのが仕事♪」姫


「次期にはこんな下々の仕事では無く、トップに立たねばならない重責が在ります。いまのうちに楽できるところはしていてください。」四郎

「ボスは、まぁボスで居てもらえれば」次郎

・・・・・


一番魔力が不足していた次期は、どうにか試作型は動かせるようになった。

ただ、まだ一日いっぱいには不足だ。も少し鍛錬を続けてもらい、合間に試作機の練習もしてもらう。

コーチは姫。次期に最も近いので、次期がわからないところなどわかりやすいだろうと思って。


ーー


「だからぁ、、そこは、こう、、ばっと!やって、いえいやっと!飛ぶのよ!」姫

「こう?バット!、エイヤっつ!!・・・・・・だめだね?」次期

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」×4


「「「おい四郎、、」」」

「おう、おれがやるわ、、」四郎


「姫!休憩してください、四郎が代わります」俺

「ありがと、疲れちゃったー!」

四郎が行くと、三郎が食堂に転移して茶のセットが乗った盆を持ってきて、さっと姫のお茶を用意する。

茶菓子は次郎が懐からだしていた。

・・・・


「あー疲れた!」

どぞ、、と、お絞りを差し出す俺

「?何これ?」

「おしぼりです。汗拭いたり、顔拭いたり、最後に手を拭きます」俺

「おや?最後は首の周りだろ?」三郎

「いや、手が最後でその前に首の周りだろ?」俺

「今の時期でこの場所でさほど汚れないコクピットなんだ、どっちでも一緒だよ」次郎


「・・・まぁ、冷たくて気持ちいいわ、ありがと」


多分、コクピットの亜空間でやっきになっていたのだろうw

四郎は静かにおしえているようで、声はほとんど聞こえない。念話で意図的に聞こうと思えば聞けるけどね。


教えていると自分がわからないところもでてきたのだろう、姫は次郎にいろいろ質問している。

ただ、質問の仕方がこれまた感性的な、、リアクションも多く、、、それでも次郎は理解できている様子で、、、すげーな?



「次期が乗りこなせるようになったら、なんかしたいな?」三郎

「おう!、俺どっか行きたい!!!」俺

「あー、旅行かぁ、、まだ子供だからなおれら、、」

「うーん、、あれ今いくつだ?」

「・・・来月で9歳だな。この世界、時間にルーズなんで忘れやすいよなw」

「うん、俺にはそれが良い!!」俺

「あー、前からそうだよなおまえ、、」

あーそうだよわるかったよ、、

ひとの遅刻も気にしなかったが、自分の遅刻も多かったw


「なんか、学校行くようになってと言うか、姫たちと知り合ってから、えらく濃くなってるんで、2年位たっている気がするなー」俺

「ああ、まぁ、そうだよな。・・・・・うん、やっぱ9歳。春に学校行ってから初めての冬だ、間違いない」

三郎もやっぱ2年くらいに感じたのか、、


「やったことって、、」

といいながら、地べたに木の枝で書いて羅列していった

姫の手下になった

念話

画像

試作機

試作機で宇宙

戦闘ゴーレム

使用人ゴーレム

王都邸

転移

ごみ貴族討伐

ダメリー殲滅

巨大ロボ1号

同、宇宙へ

宇宙での転移

同時に宇宙から地上へ転移

巨大ロボ2−6号機完成

次期の試作機搭乗可

(順不同w)


こんなところか?

と、なにやら気配が増えたので顔をあげると皆居た。

「あれ?四郎、搭乗訓練は?」

「おう、休憩だ。それより、、結構いろいろやってんだなぁ、、濃いわけだ」

やっぱ皆感じてたんだなぁ


「姫と知り合ったのは、去年の7月ですか、、禊の翌日のお茶会からですよね」四郎

「なんか、もっとずっと長い気がするわ」

おれもおれもと皆。


「特に、姫と次期は訓練が在り、しかも伸びはすごいのでより実感するのでは?」四郎

「「だよね」」姫、次期


「おかげさまで食生活は劇的改善されたし、いろいろ覗き見やら監視やらされないで済んでるし、ほんと有り難いわ!」姫

「うん、ほんとそうだね!、あの頃はあれに慣れててあれが当たり前だと思ってたけど、今思うと、、」次期

「うん、軟禁されていたようなもんね」姫

「ああ、それだね。」次期


「うん、たしかに食事は牢獄並みだったね」俺

「「二度と食べたくない」」姫、次期

「そういえば、ゴーレムなのに影がもっと良い食事したいとか言っていたわ、、わかるのかしらね?」姫


「・・・もしかしたら、、念話飛ばせるので、、ゴーレム同士で情報共有をやっているのかな?」四郎

「おお!すげーな!ゴーレムの反乱とか!」三郎

「いや、それはやめてほしいわ、、」次郎

「いや、AIとかロボットとか、アンドロイドのロマンだろ?」三郎

「「「違うわ!!」」」

(三郎って、偏ってるよな?)

(ああ、だがここまでだとは思わなかった、注意必要かな?)

(注意?)

(おう、ゴーレムに反乱そそのかすとかしそう)

・・・・・・・・・こええ、、、



そんなこんなで、数日が過ぎ、次期はめでたく試作型を一通り使えるようになった。

それから、姫と次期には誰かが付いて、一緒に行動するようにした。魔法使えても、ロボットのことを理解できていないと、不測の事態が起きた場合適切な対処を即時とれないだろうから。


で、自然にバディ制みたいになった。



「もし戦闘になっても、このバディでやるのはいいな。一機と二機では対応能力が倍よりも多くなる。」四郎


(海外旅行などで、単独行動と2人行動、多数行動、の場合、2人と単独では襲われる可能性は倍どころではない。事件の殆どが単独の者におきている。それだけ襲われやすいわけだ。襲われやすい=被害者の対処がそれだけできない、ということ、でもある。)


なので、俺達は基本的には「単騎行動はしない」という決まりにした。


「で、巨大ロボットを動かすにはお二人はまだ魔力量が不足です。これからも毎日特訓受けてくださいね」

そして姫と次期は更に訓練の内容を濃くされた。


でも目標とか無いとあるとではやる気も違うだろう、ということで、父に相談し、父か母が一緒に行くということで「ロボによる旅行」が許可された。

「でも人目につくところに行くなよ。」と釘を刺され。


姫と次期、特に姫はやる気を出したようだった。次期も引きづられるだろうから。

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