君に捧ぐレクイエム

柴猫 様作


あらすじ引用

「この世界はね、狂ってるの」

紅く染まった少女は、そう吐き捨てた。

「せいぎ」を貫き、「しあわせ」を求めるために足掻いて、足掻き続けても、決して報われる事のない人々。終焉に向かう世界で、少年は一体、何処に辿り着くのか。


─────いつか、鎮魂歌を奏でるために。


【簡単なあらすじ】

ジャンル:現代その他ファンタジー

ある事件を先輩と調べるところから展開されていく。

調査の最中、良く見知った場所へ行くと違和感が。恐怖を感じながらもその場所を調べている時に、主人公は意識を失ってしまう。次に目が覚めた時、そこにいたのはある少女だった。そして彼女から知らされるこの世界のこととは……?


【物語の始まりは】

主人公が本を借りようとするところから始まっていく。恰好のせいで注目を集めてしまった彼は、不覚にも本を無断で持ち帰ってしまう。しかしその本はとても不思議な本で、一ページ目しか見ることができない。仕方なく諦めて眠りについたのだが、翌日事件が起こっていたのである。同僚が行方不明となり、日常は非日常へと。一体彼は何処へ行ってしまったのだろうか?


【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】

ミステリー要素を含む物語だと感じる。

十年前に戦争があったようで、その時日本に手を貸してくれた国があった。しかしその国は謎に包まれており、不可解な条約を日本を含めた他国と行っているようだ。

かなり近代化の進んだ社会が舞台である。


【主人公と登場人物について】

主人公は建設会社で働く社員。まだ二十歳未満ではあるが法律上は成人である。(法律改正後が舞台)

とても仲の良い面倒見のいい先輩がいるようだ。彼とはこの事件の謎について一緒に調べることになりそうである。


【物語について】

同僚の失踪事件から始まっていく。どうやらただの失踪ではない様だ。一体どんな謎が隠されているのだろうか?

主人公は謎の本を持って帰ってしまった翌日、優雅な朝を満喫しようとしたところで嫌な予感がし、スマホの履歴を確認する。すると本日は30分前に集合とメッセージが。優雅な朝を諦め、出勤してみるといつもと違う様子であった。なんと、主人公の同僚が行方知れずになっているというのだ。

この事件(?)には不可解な点が多い。何故一般人の自分たちに情報を開示するのだろうか? その疑問から彼らは事件を自分たちで調査し始めるのだった。


【良い点(箇条書き)】

・ジャンルは現代ファンタジーながら、ミステリーのような謎とスリルが味わえる。

・舞台設定がしっかりなされており、臨場感がある。

・構成が良く、ファンタジー部分と近代的(SFに感じる部分)な部分との融合とバランスが良く違和感がない。

・ストーリーそのものが面白い。

・序章が一作分くらいあるが、謎の明かされていく過程とタイトルへの繋がりが鮮やか。

・意外性がある。

・ファンタジー部分において、オリジナリティが持たされている。


【備考(補足)】第21話まで拝読

【見どころ】

序章で明かされていくのは、”君に捧ぐレクイエム ”タイトルの意味である。序章という括りならばかなり長いと感じるが”序章編”としてならば、かなり読み応えがあり、面白いと思われる。

この序章で明かされていくのは、世界観と序章での事件であるが”全て”が解決しているわけではなく、冒頭の事件の人物が誰なのかはまだ分かっていない。特に面白いのは、主人公と同じように読者が、勘違いをしていく点だと思われる。伏線はあるが、この物語を”ミステリー”として読んでいない限り、気づかないのではないだろうか? とても巧く書かれていると感じた。

ミステリーのような始まりではあるが、ここからが本題であり主人公のターニングポイントでもある。果たして彼は狂った世界を壊すことができるのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?

この物語の行く先を是非、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

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