第81話 ランディと大阪と大地の城

 つぼみたちは、藤村ふじむら刑事けいじとおまかせトリオからの情報をたよりにパラレルワールドの大阪おおさかにたどり着いた。

「大阪市は、四世紀に難波宮が置かれて以降いこう、およそ千六百年以上の歴史を有する。現在では、商業や国際観光などがさかんなアジアにおける世界都市としての一面も持つ。近畿きんき地方ちほうおよび西日本の行政・経済・文化・交通の中心都市である。市域を中心として、大阪都市圏および京阪神けいはんしん大都市圏だいとしけんが形成されている。大阪市の二〇一六年度の市内総生産は約二十兆円で、日本国内では東京特別区に次ぐ規模をほこる。これは政令指定都市中最大であり、二倍から三倍の人口をようする北海道や千葉県、兵庫県ひょうごけんなど一つの道府県の県内総生産を上回り、市町村最大の約三百七十万人の人口を持つ横浜の約二倍の市内総生産を誇る。さらに京阪神大都市圏の圏内総生産は、国内では東京を中心とした首都圏に次ぎ、世界的にも上位にある。夜間人口は横浜に次いで全国二位の約二百六十六万人、人口密度は全国の市で五位、昼間人口は市外から多くの通勤・通学者が流入するため約三百六十六万人であり、横浜の昼間人口を上回る。面積は、全国に二十市ある政令指定都市の中でも川崎かわさきさかい、さいたまに次ぎ四番目に小さく、横浜のおよそ半分、名古屋市およそ三分の二程度だが政令指定都市の中では行政区が二十四区と最多であるため面積が十平方キロメートルに満たない行政区がほとんどである。近年では都心回帰が顕著けんちょで、大阪都心九区を中心に人口が増加ぞうか傾向けいこうにある。古代より瀬戸内海せとないかい大阪おおさかわんに面した立地から、すみ吉津よしつや難波津などの港を持ち、港湾都市、国内流通の中心としてさかえて水の都と称された。中世には、渡辺津わたなべつ浄土じょうど真宗しんしゅうの本山だった石山本願寺が置かれ、寺内町として商工業が発展はってんした。近世初期には、古代から生国しょうごくたましい神社じんじゃや難波宮が存在した上町台地の先端せんたん付近ふきん豊臣とよとみひでよしが大坂城を築城し、城下町が整備された。江戸時代には天領てんりょうとなり、経済・交通・金融きんゆう・商業の中心地として発展した。堂島米市場が置かれ、当時の経済の中心だった米の中央市場として機能した。大坂は天下の台所としょうされ、商業の町で豊かな町人文化をはぐくんだ。明治時代に入ると、繊維せんい工業こうぎょうを中心とした工業都市となり、東洋のマンチェスター、けむりの都と称された。一九二五年に第二次市域拡大かくだいを行い、その結果人口は二百十一万人に到達し、関東かんとう大震災だいしんさいで被害を受けた当時の東京市を上回り、面積・人口・工業こうぎょう出荷しゅっかがくで日本一位、人口世界六位の大都市へと成長し、この当時を大大阪時代と呼ぶ。都市計画学者である関一が第七代大阪市長を務め、当時の目抜めぬき通りだった堺筋に代わって御堂筋(みどうすじ)を市のメインストリートとして拡張・整備を行い、その地下に日本初の公営地下鉄であるきゅう大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ御堂筋みどうすじせんの一部を建設するなど、現在につながる大阪の基礎きそを作り上げた。他方で、卸売業おろしうりぎょうを中心に商業活動も活発であり、道修町、松屋町、本町など市内各所に江戸時代からの歴史を持つ問屋街が発達している。御堂筋線が市内交通における大動脈だいとうみゃくとして機能しており、新大阪駅-梅田駅うめだえき-難波駅-天王寺駅といった重要な駅を南北に直線的に結んでいる。また、在阪の大手私鉄五社の主要路線のターミナル駅は全て御堂筋線の駅と接続せつぞくしている。梅田を中心としたキタやしんさいばし・難波を中心としたミナミが大繁華街だいはんかがいとして発展しており、商業の中心地として機能している。他にも天王寺や新世界、京橋きょうばしといった繁華街を擁し、阿倍野・天王寺エリアにあるあべのハルカスは日本一高い高層ビルとして知られる。中之島・淀屋橋よどやばし北浜きたはま界隈かいわいの大阪市の伝統的なオフィス街には、金融街が形成されている。また、梅田界隈や大阪ビジネスパークは都市再開発によりオフィスビルが林立し、超高層ちょうこうそうビル群を形成している。市役所の所在する中之島から難波宮、大阪府庁が位置する大手前、大阪城にかけては、官公庁や公的機関が数多く立地する。大阪市は市域がせまいため、土地が広い郊外の市に大部分の拠点きょてんを置いている大学が多いため、人口規模に対して市内の大学の数は少ない。大阪市は主要政令市の中でも犯罪発生件数が多く、二〇二〇年には三万三千七百三十四件の刑法犯が確認された。これは名古屋や横浜の倍以上の数字である」

「あれが、例の場所!」

そこは、サンとムーンが初めて人間界にやってきた大型テーマパークだった。

 すると、

「大阪はほんまにええとこや!うちの名前はランディやで!」

九賢人の一人で関西弁を話すランディが現れた。

「プリンセスハートをを手にしてほしけりゃ、うちと勝負せなあかん!」

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみたちはドールプリンセスに変身する。

「プリンセス・ロイヤル・ドレスアップ!」

にじいろの光がカレンを包む。

「希望と未来のプリンセス・ロイヤルレインボー、見参!」

 続いて、

「プリンセス・ロイヤルチャージ!」

ロイヤルレインボーがロイヤルクリスタルロッドを手に持つと、

「3,2,1,Go!」

とピュアロイヤルメイクドレッサーにかがやきをチャージする。

 「あいよ、美しさよ、知性よ、友情よ、勇気よ」

ピュアロイヤルメイクドレッサーにロイヤルシードをセットすると、

「ロイヤルシード・セット!プリンセス・ロイヤル・ドレスアップ!」

金とぎんの光がつぼみたちを包む。

「ロイヤルドレス・シャイニングフォーム、ここにて見参!」

「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 ロイヤルドレスアップしたプリンセスドールズが現れると、

「行くで!」

ランディがジェットコースターに乗っておそかってくる。

「危ない!」

「これは、音速走行のジェットコースターだ!」

さらに、

「ほんなら、大阪名物だ!」

ランディがたこ焼きを投げつけてきた。

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

「ほいっと!」

すると、チララとコロン、チャミィはたこ焼きを食べた。

「あかん!やらかしてもうた!」

 「今がチャンスだ!」

「心の輝きを信じて」

「ロイヤルシード・セット!」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーにロイヤルシード・フェアリーハートをセットすると、

「プリンセス・ロイヤル・パワーアップ!」

虹色の光に加え、金と銀の光がつぼみたちを包む。

「ロイヤルドレス・ハートフルフォーム、ここにて見参!」

 それから、つばさかざりがついたロイヤルクリスタルロッドを手に持つと、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ピュアロイヤルメイクドレッサーでロイヤルドレスアップしたプリンセスドールズによるランディの撃退げきたいがはじまった。

「どうして」

「夢の終わりをいのるのは」

れた大地にも」

「光はすのに」

「白き光と」

「黒い暗闇」

「輝きは世界に」

「満ちあふれるのに」

間違まちがったことを終わらせて」

「愛の意味と希望を」

「私に」

「新しい夢をえがこう」

「君と一緒に」

「虹色の光をさずけて」

やさしく 安らかに」

「生きたいという希望がある」

「さあ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「強き者だけの」

「世の中じゃないから」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ハートフル・シンフォニー!」

プリンセスドールズはロイヤルクリスタルロッドをランディに向ける。すると、

「アンコールはお断り」

と言って、立方体の光に包み込まれたランディの撃退に成功した。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララはプリンセスハートのありかに察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とプリンセスハートの回収に成功する。

「これは、プリンセスハート・オレンジだ!」


そして、

「さあ、今こそ、心のとびらを!」

「開け、大地の城!」

つぼみとチララが魔法まほうの言葉をとなえると、オレンジとアプリコットのプリンセスハートによって大地の城の解放に成功した。

 「私たちを助けてくれてありがとうございます」

すると、大地の城の女王が現れた。

「これで、プリズムパレスを囲む城はすべて解放されました。プリンセスドールズ、あなたたちのことを誇りに思っております」

大地の城の女王はつぼみたちにこう伝えると、

「そのことを、王子さまと女王さまにも伝えてください」

「はい!」

つぼみたちは、大地の城が闇の力から解放されたことをプラチナと光の女神に報告するのであった。

 「女王さま、プリズムパレスを囲む城をすべて闇の力から奪還だっかんすることに成功しました」

「それはよかったです」

そのことをつぼみたちは光の女神に伝えると、

「世界をつかさどるという空の女神がいることを知っていますか?」

空の城の女王である空の女神について知らされる。

「どういうことでしょうか?」

「世界一の輝きを持つ少女がどうやら人間界にいるらしい。それが空の女神になることで、終わりの大地と始まりの海を止めることができるのだろう」

「終わりの大地と始まりの海とは?」

「言いえると、世界の破滅はめつということだ。人間たちはこれについて、地震や台風、豪雨ごうう誤解ごかいしている」

プラチナによると、空の女神がいてこそ世界は守られるという。そのうえで、

「その前に、闇の力によって支配されている太陽の城と月の城を取りもどしてほしいのです」

「これらを開放したのであれば、空の城を取り戻すための試練の挑戦権ちょうせんけんを与えるとしよう」

プラチナと光の女神は、つぼみたちに新たな課題を与えるのであった。

 一方その頃、

「太陽の城と月の城は、空の城を囲んでいるのか…」

「大発見ですわ!」

晴斗とアルファは、太陽の城と月の城についてすでに知っているという。

「終わりの大地はその名の通り大きな地震を起こし、始まりの海は豪雨と暴風ぼうふうをもたらす。つまり、これらはいつ起きてもおかしくないということだ」

晴斗によると、終わりの大地と始まりの海は災害級の被害をもたらすという。そのうえで、

「災害が起きたら、まずは自分の身を守ること。それから、安全な場所へとげなければならない」

「食料など生活せいかつ必需品ひつじゅひんは、いっぱいたくわえたほうがいいぜ!」

「豪雨の時は雨雲レーダーで危険を予知するのですわ!」

「そして、はなれてしまっても心の中で手をつなごう!」

晴斗とおまかせトリオは、災害が来たときにできることを語るのであった。

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