第80話 風と鳥の城、ウィンディと名古屋

 カレンとチャミィは、神門みかど先生せんせいからの情報をたよりにパラレルワールドの名古屋にたどり着いた。

「名古屋は、東京特別区部を除くと横浜・大阪おおさかに次ぐ全国第三位の人口を有する市である。中部地方における行政・経済・文化の中枢ちゅうすうで、東日本と西日本を結ぶ交通の要所となっている。古くは三種の神器の一つである草薙くさなぎけんまつる熱田神宮がある鳥居前町であり、江戸時代は尾張おわり徳川家とくがわけの治める城下町として繁栄はんえいした歴史を持つ。また、タイ王国から寄贈された真舎利を安置するために創建された日本にほん唯一ゆいいつの寺であるかく王山おうざんにっ泰寺たいじがある。名古屋市を中心とする中京圏は日本の三大都市圏の一つに数えられる。愛知あいち県内けんない岐阜県ぎふけん南部なんぶ、三重県北部に衛星都市を持つ」

「金のしゃちほこがよごれてしまっている!」

名古屋城のしゃちほこは、何者かによって汚れているようだ。

 するとそこに、

「ひゃっほう!私はウィンディ!」

九賢人の一人であるウィンディが現れた。

「プリンセスハートを手にしてほしいのなら、私に勝ってちょうだい!」

「行くよ!」

カレンはロイヤルハートブローチでドールプリンセスに変身する。

「プリンセス・ロイヤル・ドレスアップ!」

にじいろの光がカレンを包む。

「希望と未来のプリンセス・ロイヤルレインボー、見参!プリンセスステージ・レッツスタート!」


 ロイヤルレインボーが現れると、

「テーブルに並んである料理を当ててみて!」

ウィンディが、料理が置かれたテーブルを持ってきた。

げたてのとんかつに味噌みそをかけた味噌カツ、こんがり焼けたトーストにあんこを乗せた小倉おぐらトースト、エビの天ぷらを具材とした天むす!」

すると、ロイヤルレインボーは料理の名前を当てることに成功した。そう、これらは名古屋めしなのだ。

「名古屋めしは、全国的に知られているメニューにさらなるアレンジを利かせたアイデア料理が特徴とくちょうで、味付けが濃厚のうこうでクセが強い点で共通している。B級グルメと呼ばれるカテゴリーにぞくする料理の集合体で、その発祥はっしょうも、古いものだと半世紀前後以前にたどれるものもある。発祥が名古屋ではない料理でも名古屋めしのカテゴリーにふくまれる場合もある。豆味噌やたま醤油しょうゆなどが多く使われており、全体的に味付けがい傾向がある」

「えーっ、私が用意したものがばれちゃうとは!」

 「今しかないよ」

「ここで決めよう!」

ロイヤルレインボーはロイヤルハートブローチにアレキサンドライトのマジカルジュエルをセット。その流れからロイヤルクリスタルロッドを手に持つと、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ロイヤルレインボーによるウィンディの撃退げきたいが始まった。

「流星がってくる空」

「私は願いをとなえた」

「この世界を変えたいと」

「心に思いながら」

「夢をけがすものよ」

「悪のしもべたちよ」

「気づいて」

「同じ空にいるのだから」

「悲しみなんてき飛ばせ」

「風に乗って blowing」

「喜びをみんなでシェアしたい」

「大切なひと時」

一瞬いっしゅんしかないMoment」

「悲しみなんて吹き飛ばせ」

「風に乗って blowing」

「喜びをみんなでシェアしたい」

「大切なひと時」

「一瞬しかないMoment」

乙女おとめの思い!レインボー・プリズム・ファンタジー!」

ロイヤルレインボーがロイヤルクリスタルロッドをウィンディに向ける。すると、ウィンディの撃退に成功した。

「見つけた!」

と、チャミィはプリンセスハートのありかに察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とプリンセスハートの回収に成功する。

「これは、プリンセスハート・ライムだ!」


そして、

「さあ、今こそ、心のとびらを!」

「開け、水の城!」

カレンとチャミィが魔法まほうの言葉をとなえると、ライムのプリンセスハートによって風と鳥の城の解放に成功した。

 「私たちを助けてくれてありがとうございます」

すると、風と鳥の城の女王が現れた。

「そよ風が吹いてきた!」

「鳥たちがいっぱい!」

風車から生み出された風に乗って、多くの鳥たちが近づいてきた。

「そのことを、あなたのお兄さまとお母さまにも伝えてください」

「はい!」

カレンは、風と鳥の城がやみの力から解放されたことをプラチナと光の女神に報告するのであった。

 一方その頃、大阪のベイエリアにある大型テーマパークには、なぞの人だかりができていた。

「ざます、ざます、ざます…」

すると、アクシアとともに闇の力の刺客しきゃくが現れた。

「俺の名はサン!太陽のめぐみから生まれたぜ!」

ずば抜けた体力を持つ男であるサン。

「私の名前はムーンでございます。月光に照らされてここに来ました」

博識な才女のムーン。

「わたくしの側近を目に焼き付けるのでざます!それでは、さようでざます!」

アクシアは、サンとムーンよりも先にその場から去っていった。

 そこに、藤村ふじむら刑事けいじが現れた。

「あれが、うわさのサンとムーンか…」

藤村刑事は、すぐさま鶴城つるぎ首相しゅしょうにこの情報を共有した。

 「先生、臨時りんじニュースはもう見ましたか!?」

「ええ。テレビをつけていたら…」

その時、晴斗と神門先生は横中市内の図書館にいた。

「つぼみ、どうかしたのか?」

「おまかせトリオから何か新しい情報が入ってきたの!今すぐこっちに来て!」

「わかった!」

晴斗は、つぼみが待っているおまかせトリオの秘密基地へと向かう。

「ねえ、見て!」

そこにたどり着くと、プラチナからたくされた水晶すいしょうだまに何かが映った。

「これは…」

「終わりの大地と始まりの海ですわ!サンとムーンにとっての理想の世界ですもの!」

「つまり、世界の破滅はめつが近いということ!?」

「そうですわ!パラレルワールドで古くから言い伝えられていることですわ!」

アルファは、プリンセスハートを集めると何かが起こることを明かすのであった。

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