第59話 トウィンクルパープルVSダーク

 ロイヤルシードを手にするため、らんはパラレルワールドの豊洲とよすにいた。

「豊洲は、関東大震災かんとうだいしんさい瓦礫がれき処理しょりで当地及び東雲などが埋め立てられた。このエリアは、長らく工業地として使われてきた。東京都とうきょうと港湾局こうわんきょく専用せんようせん路線網ろせんもうが整備され貨物列車が行き交う風景が豊洲の日常であった。一九八〇年代後半までは、工場や火力発電所などのほかに、各種かくしゅ物流ぶつりゅう倉庫そうこが立地し、これらの従業員向けの商店・社宅等もあるという状況が続いた。この時代、日本初のコンビニエンスストアの一号店や、当時とうじめずらしかったフィットネスクラブが立地していた。転機としては、有楽町線豊洲駅開業と産業構造の変化がある。豊洲センタービルの完成を皮切りに区画整理が本格化し、住宅地や商業地への移行が進んだ。さらに大規模な高層オフィスビルの建設も進み、日々街の風景が変わっていくという状況が続いた。都心に近いという立地条件の良さもあり人気の住宅地となった。人口増加に対応して小学校の新設も行われた。都市ガス製造工場の跡地に豊洲市場が建設されることになったが、土壌には環境基準を大幅おおはばに上回るヒ素・シアン・ベンゼンなどの汚染おせん物質ぶっしつふくまれていることが明らかになった。専門家会議ではさらに、環境基準の千倍に当たる高濃度こうのうどの有害物質ベンゼンが検出されたと報告された。千倍の数値を計測した地点は、これまでの調査から、高い濃度は予想されていなかった。二〇一八年十月に卸売市場の一つである築地市場が閉鎖へいさされ豊洲市場が開場した」

「いつもは明かりがともっているけど、今日は真っ暗だわ」

真夜中のパラレルワールドだが、明かりが消えてしまっている。

 すると、

「よくこれに気づけたな!」

突然とつぜん、ダークが現れた。

「ロイヤルシードが欲しいのであれば、俺との勝負に勝ってみろ!」

「やるといったら、行くしかないわ」

蘭はプリンセスコズミックスターでドールプリンセスに変身する。

「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・ドレスアップ!」

蘭をむらさき(むらさき)と銀の光が包み込む。

「星と月のプリンセス・トウィンクルパープル、見参!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 トウィンクルパープルが現れると、

いかけっこしようぜ!」

「受けて立つわ!」

ダークによる戦いの火ぶたが切られた。

「ここをわたって!」

「うん!」

お台場からレインボーブリッジをめぐると、

「ここまでおいで!」

と、ダークも後を追う。

「見えたわ」

「ここがゴールよ」

そして、トウィンクルパープルはゴール地点である東京タワーにたどり着いた。

「もう到着したわ」

「何だと、俺よりも早く着いたのか…」

そこから数分すうふんおくれで、ダークも東京タワーに到着した。

 「ダークを封印するときが来た!」

「今がチャンスよ」

「ここで決めるわ」

トウィンクルパープルがプリンセスコズミックスターにアメジストのマジカルジュエルをセット。その力をプリンセススタータンバリンにさずけると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

トウィンクルパープルによるダークの封印が始まった。

「きっと誰かが願い事を」

「行ってくれるのなら」

「私がかなえてくれる」

「ジオラマに見える街」

「今でも好きだから」

「そう これまでも」

「これからも信じたい」

「本当のこと」

いのりたい 信じたい」

「夢がある 願いがある」

「夜空に思いを込めて」

「Heartful Wish」

「祈りたい 信じたい」

「夢がある 願いがある」

「夜空に思いを込めて」

「Heartful Wish」

次は、ダイヤモンドのマジカルジュエルを使う。

「発車のベルと」

「同時に出会う二人」

「でもすれちがってしまう」

「早く会いたい」

「だけど知らない」

「だから だから unknown unknown」

「なぜそんなに会いたい?」

「あなたの思い」

「ねえ 目を合わせて」

り向かずに」

「そうそうそう 気になりそう」

「私の脳内のうないは」

「あなたのことだらけ」

「さあさあさあ 勇気を出して」

「本当のことを」

「伝えに行こう」

こいするリフレイン」

「ねえねえねえ 教えてよ」

「あなたの気持ち」

「すぐすぐすぐ 行かなきゃ」

「あなたの元へ」

「恋するリフレイン」

「そうそうそう 気になりそう」

「私の脳内は」

「あなたのことだらけ」

「さあさあさあ 勇気を出して」

「本当のことを」

「伝えに行こう」

「恋するリフレイン」

乙女おとめかがやき!トウィンクル・ナビゲーション!」

トウィンクルパープルがプリンセススタータンバリンを響かせる。すると、

ダークはダークストーンの中に封印された。

「ちゅ、ちゅ、ちゅるるわー!」

と、コロンはロイヤルシードのありかに察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とロイヤルシードの回収に成功する。

「ちゅちゅ!これは、ロイヤルシード・パープル!トウィンクルパープルスをパワーアップするためのアイテムよ!」

そして、

「太陽がのぼっていくわ!」

空が夜明けになると、

「あれは!」

「時空のけ目!」

朝日が昇る方に、時空の裂け目が出てきた。

「ちゅる!先を急がなきゃ!」

「そうね!」

トウィンクルパープルはコロンとともに、時空の裂け目へと入っていった。


 「友情の意味を持つ。それがロイヤルシード・パープルだ」

その頃、チャミィは東京スカイツリーの前にいた。

「残されたロイヤルシードは、ピンクだけとなった。それを手にしたのであれば、ダークネス団アジトへの道が通じるはずだ」

すると、チャミィの持っている水晶すいしょうだまに、晴斗とプラチナが映った。

「ロイヤルシードの回収はどうなっているのか?」

「これまでに四つ集めることに成功した。あとはピンクのロイヤルシードを手にするだけだ」

晴斗とプラチナに現状を報告するチャミィ。そのうえで、

「アレキサンドライトのマジカルジュエルをかけ戦いは間近にせまっている。プリンセスドールズとダークネス団による最後の戦いはもうそろそろだ」

「世界がどうなっていくのか、未来が変わっていくのか、見届けるしかない」

と、アレキサンドライトのマジカルジュエルをかけた戦いこそ、ダークネス団との最後の戦いだと示唆しさした。

 一方その頃、

「さて、これを飲まなければなりませんわ」

ダークネス団アジトにいた怪盗かいとうトリオのアルファは、オメガから渡された薬を飲む。

「ぐっ」

アルファは多少のいたみを伴ったが、

「だんだん、大きくなっていきますわ!」

とアルファの体が成長していった。そう、アルファはオメガによって大人から少女へと姿を変えられてしまったのだ。

「私の最後の戦いの幕が上がりますわ!」

アルファは、パラレルワールドの東京へと旅立っていった。

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