第27話 豊かな海を守りたい

 最近の横中港では、海にごみを捨ててしまうケースが相次いでいる。

「これは、ペットボトルだ」

チャミィが空っぽのペットボトルを拾うと、

「ガシャン!」

「あ、かみなりだ!」

雷を察知したチャミィはその場を去ってしまう。このように、海にプラスチックが散乱してしまうケースが少なくない。

 その翌日、

「現在、雷と高潮の注意報が発令されています。くれぐれも海には近づかないようにしてください」

横中の海は大いにあれていた。

「大変だ!あやしい予感がする」

「行きましょう!」

それを察知したチララは、沙奈さなとともに横中港へと向かう。

 そこには、怪盗かいとうトリオの姿があった。

「あら、またお会いすることができて光栄ですわ」

「本日のじゅうはこちら!」

「雲の魔獣だ!」

怪盗トリオの合図で、雷神らいじんさまをイメージした雲の魔獣が現れた。

 「これは、行くしかないわ!」

沙奈は、プリンセスミラーでアクアブルーに変身する。

「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・ドレスアップ!」

沙奈は、青い光に包まれていく。

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 アクアブルーが現れると、

「さあ、やっちゃいなさい!」

「ガッテンだ!」

魔獣が雷を落とした。

「危ない!」

「ちゅぴ!」

すると、アクアブルーとチララは海岸に打ち上げられてしまったイルカを発見する。

「イルカの多くは海に生息するが、カワイルカ類のように淡水たんすいである川に生息する種類や、淡水と汽水域を行き来する種類もいる。頭頂部にはい呼吸こきゅうのための一つのふん気孔きこうをもち、体表面下で分枝して左右の肺につながっている。体温を保つために体は厚い皮下ひか脂肪しぼうおおわれている。陸棲りくせい哺乳類ほにゅうるいと比較して体重あたりの血液量が多く、血中のヘモグロビン濃度のうど、筋肉中のミオグロビン量が多く、そのため一回の呼吸で長く海中に留まることが出来る。また海中では不必要な心拍しんぱく抑制よくせいし、血液を脳や心臓などの臓器に集中させて酸素さんそ消費量しょうひりょうおさえるメカニズムも備わっている。イルカは一度も泳ぐのをやめず息継ぎもきちんとしながら常に泳ぎ続けている事から、かつてイルカはまったく眠らないのではないかと言われていた。しかし、イルカは半球睡眠の能力を持つことが分かっており、眠らないという説は現在ではあまり有力ではない。右ののうが眠っている時は反対の左目を、逆に左の脳が眠っているときは右目をつむりながら泳ぐ。体形は紡錘状で、背に鎌形かまがたか三角形の背びれを有する種類が多いが、背びれがほとんどない種類もいる。尾側びそくの最後部に尾びれがあり、上下に動かして泳ぐ。前足に相当する部分にむねびれがあり、後ろ足は退化してわずかに骨のカケラとして体内に残る。メスとオスに分かれ、生殖せいしょく行為こういを通して一定いってい期間きかん妊娠にんしんの後に出産する。生殖器は通常外見からはメスとオスの区別は困難だが、交接時にはペニスが露出ろしゅつするため容易に鑑別かんべつできる。誕生からしばらくは母親の母乳によって育てられる。多くは肉食で、魚類や頭足類などを捕食する。また、水分はあくまで食料の魚類などから摂取せっしゅする。水分として直接摂取するほか、脂肪を体内燃焼したときに生じる代謝水もある。海水からは摂取する割合はごく少量であり、意図的に摂取していないと考えられている。海水を大量に摂取した場合、排尿はいにょうが促進されて脱水症状におちいる点は人間と同じである。イルカの歯はおよそ八十本あるが食べるときは丸飲みである。肺呼吸で、他の哺乳類と同様に、せきをしたり、肺炎はいえん風邪かぜを発症する。水族館などでは、日頃の行動観察や体温測定、採血などで体調管理をする。ただし、ショーへの参加をいやがるイルカもいるとされ、判断が難しい場合もある。イルカは単独で行動するケースも見受けられるが、複数匹で群をなして行動することが多い。また複数の実験や観察結果を通して、噴気孔付近から出すクリック音を使って同種の個体同士でコミュニケーションする可能性が指摘されている。全般的ぜんぱんてき好奇心こうきしん旺盛おうせいで人なつっこく、船にって泳ぐなどしてその姿を人間に見せることが多い。人間は、このような性格を興行やアニマルセラピーとして利用している」

「でも、意識がないわ」

「このイルカは苦しんでしまっており、倒れている!」

しかし、イルカは全く動いていない。すると、チララはイルカの口を開ける。

「あれは!」

その中から、ビニール袋が見つかった。

「もう大丈夫だいじょうぶだからね!」

イルカが元気になって海へ帰っていくと、神門みかど先生せんせいが現れた。

「あなたたち、何をするつもりなの!?」

「うひゃー!」

「ぎゃー!」

「わー!」

神門先生の登場に、怪盗トリオはおびえてしまった。

「ここにプラスチックを捨てないで!」

「了解…」

「横中の海をらさないでほしいと思うから!」

チララと神門先生は、怪盗トリオに注意した。

 すると、ブルルが現れた。

「アクアマリンのマジカルジュエルを使う時が来たわ」

アクアブルーはアクアマリンのマジカルジュエルをプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドにさずけると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

アクアブルーによる魔獣の浄化がはじまった。

「キラキラ キララ キラキラ」

「青空のキセキ」

「どうしたの?今日はらしくないね」

「疲れているみたい 落ち着こうよ」

「辞書に載っていない 魔法の言葉」

「あなたの心の中で支えとなっているわ」

「Do your best」

「いっぱい食べたい」

「ほしいもの買いたい」

「そう やることたくさん」

「I’m little girl」

あこがれの舞台へ」

「目指していくだけ」

「Let’s try!」

「キラキラ キララ かがやけ」

「みんなで力合わせて」

「キラキラ キララ ときめく」

「もっとがんばれるはず」

「Go for it」

「キラキラ キララ きらめく」

わたしがついているわ」

「キラキラ キララ キラキラ」

「青空のキセキ」

「アクアマリンの輝きでパワーアップ!乙女おとめの美しさ!アクアマリン・プリズム・ブリザード!」

アクアブルーがプリンセスバトンロッドで水色のダイヤをえがき、魔獣に向けて放つ。すると、魔獣は跡形あとかたもなく消えていった。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララが魔獣のコアから出てきたマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とマジカルジュエルを回収することに成功した。それをアクアブルーのプリンセスミラーに認識すると、

「アイオライト。あお紫色むらさきいろのマジカルジュエルだ。多色性が非常に強く、観察する角度によって色が群青色からあわかれ草色くさいろに変わる。このことからダイクロアイトの別名もある」

 「それではみなさん、また次回輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

アクアブルーが勝利宣言すると、

「もう、また負けちゃったんじゃないの!」

「今日は勝てると思ったのに!」

「次という次こそは絶対に勝つ!」

怪盗トリオはこうなげいて、マシーンに乗ってどこかに去っていった。


 その後、つぼみたちは神門先生にさそわれて回転寿司屋に入る。

「さあ、好きなだけ食べてもいいわ。お金は私が払うから」

「ありがとうございます!」

「では、いただきます!」

「いただきます!」

つぼみが最初にレーンからとったのは、

「大トロ、食べるね!」

「寿司ネタで一番価値のあるもの。それは、マグロだ!体型は紡錘形ぼうすいけいで、体の横断面はほぼ楕円形だえんけいうろこむなびれ周辺しゅうへんのぞけばごく小さいかほとんど無く、高速遊泳に適した体型である。ふんはわずかに前方にとがる。尾鰭は体高と同じくらいの大きな三日月形だが、鰭は小さい。第二背鰭と尻鰭の後ろにはいくつかの小離しょうりひれがある。ただし、種類や成長段階によっては胸鰭・第二背鰭・尻鰭など鎌状に細長く伸びるものもいる。筋肉内の血管は動脈と静脈じょうみゃくが近接する、奇網きもうという構造を持つ。これで体内の熱が逃げるのを防ぎ、体温を海水温より高く保ち運動能力の低下を抑える全世界の熱帯や温帯海域に広く分布するが、種類によって分布域や生息水深がことなる。海中で口とえらふたを開けて遊泳し、ここを通り抜ける海水で呼吸する。泳ぎを止めると窒息ちっそくするため、睡眠時でも止まらない。食性は肉食で、表層・中層性の魚類、甲殻類こうかくるい、頭足類などを捕食する。海洋の食物連鎖ではクジラ、アザラシ、カジキ、サメなどと並ぶ高次の消費者である。相対的に個体数が少なく、生物濃縮によって汚染おせん物質ぶっしつ蓄積ちくせきしやすいため、様々な問題も起きている」

マグロの大トロだった。

「そういえば、マグロの漁獲量ぎょかくりょうが制限されるかもしれないわ」

「えっ!」

「クロマグロ規制やマグロ資源保存・管理かんり特別とくべつ措置法そちほうが制定されているの。輸入制限がかかっている国もあるみたいだから、海の資源を大切にしなければならないわ」

「うん。大切に食べるね」

つぼみは、大トロの寿司をしみじみと食べた。

「私はサーモン」

「イカを選ぶわ」

「出世魚のブリを食べます」

つぼみたちは、回転寿司を満喫まんきつするのであった。

 「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。陸上活動による海洋かいよう堆積物たいせきぶつや富栄養化をはじめ、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に減少させる。海洋や沿岸の生態系の強靭性きょうじんせい強化きょうかや回復取り組みなどを通じた持続的な管理と保護ほごを行い、大きな悪影響を回避かいひし、健全で生産的な海洋を実現する。あらゆるレベルで科学的協力の促進そくしんなどを通じて、海洋酸性化の影響に対処し最小限化する。漁獲を効果的に規制して、乱獲や違法・無報告・無規制漁業や破壊的はかいてきな漁業慣行を撤廃てっぱいし、科学的情報に基づいた管理計画を実施することにより、実現可能な最短期間で水産資源を、少なくとも各資源の生物学的特性で定められる持続的生産量のレベルまで回復させる。法律に則り、入手可能な最適な科学的情報に基づいて、沿岸と海洋エリアを保全する。開発途上国や後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、差異のある特別な待遇たいぐうが漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識したうえで、過剰かじょう生産せいさんや乱獲につながる漁業補助金を禁止し、IUUにつながる補助金を撤廃し、新たな補助金の導入を抑制する。漁業、水産すいさん養殖ようしょくや観光の持続可能な管理などを通じた、小島嶼しょうとうしょ開発かいはつ途上とじょうこくや後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的利益を増加させる。科学的知識の増進、研究能力の開発、海洋技術の移転を行い、開発途上国、特に小島嶼開発途上国や後発開発途上国の海洋の健全性の改善と、開発における海洋生物多様性の寄与向上を目指す。小規模・伝統的漁業者に対する、漁業や市場へのアクセスを提供する。海洋や海洋資源保全・持続的利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約に反映されている国際法を実施することにより、海洋や海洋資源保全・持続的利用を強化する。だから、海の豊かさを守らなければならない」

その時、横中港にいたチャミィはこうつぶやくのであった。

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