魔法使ったら天才だった件

水銀水

1章 第1話 村での暮らしそして夢

ここは、リオネル帝国の帝都の外れにあるタケフサ村という最北端に位置する村である。


この村に住む父のアイク・ロズウェルと母のニーナ・ロズウェルその子どもこそがこの物語の主人公である僕ことピピ・ロズウェルである。


この村の人口は少なく全体でも500人程しか住んでおらず、まだ14歳である僕もこの村の労働力として畑を耕して汗をを流していると、遠くから僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。


『おーい!ピピー!一緒に昼飯食べようぜ〜! 』


この遠くからバカでかい声で僕の名前を呼んだのは、僕と唯一の同じ年の友達であり親友のロイス・チェンバレンである。僕もそこそこがっちりした体型をしているが、親友であるロイの身体は同じ年とは思えないような筋骨隆々とした体型のそんな男である。


『 ロイそんな遠くから叫ばなくても近くに来て声かけてくれればいいじゃないか。毎回毎回ビクッとなる僕のみにもなってくれよ…』


『 すまんすまん!ピピと早く飯食いたくて見つけた瞬間叫んじまったよ!』


『ロイそれも毎回言うよね… 』


ロイはお察しの通り僕のことが大好きすぎる節があり、たまにもしかして僕に気があるんじゃないかと思っていた頃があったがそのことを恐る恐るロイ聞いたところ『流石にそれはねぇよ …』と若干引かれた。という僕もロイのことが好きだが恥ずかしいのであまり表情に出さないようにしている。。。


あっ!今、お前そっちの気があるんじゃないか?と思ったでしょ?残念、僕もロイも女の子大好きです。ええ。


『 ピピもうそんなこといつもの事じゃねーかいちいち気にしててもきりないぞー』


『 それもそうだね。お腹すいたしご飯食べようか。それじゃあいつもの木の下に行こうか。』


木の下に移動し、各々もってきたお昼ご飯を広げると


『 ピピ今日もサンドイッチひとつ分けてくれよ!ニーナさんのサンドイッチ俺大好きなんだよ』と太陽のように笑う


『ロイほんとに母さんのサンドイッチ好きだよね 。じゃあ代わりにロイのパン1つと交換しようか』と僕も笑みを浮かべた


『いいぜ!ほらよ! 』

ロイのおばさんが作ったパンを貰うと僕もサンドイッチをロイに渡した。


『 いつ食べてもうめぇよなこのサンドイッチ俺もニーナさんに昼飯作ってもらいたいぜ。』


『 こら、そんなこと言うもんじゃないよ。おばさんのパンは村1番って言われてるじゃないか。』


『 いや、うめぇんだけど流石に毎日食べると飽きてくるんだよ。。。』


『あぁなるほどね… 』

以前母さんに同じ味のサンドイッチの試作を何度も食べさせられ嫌になって記憶があったのでそれ以降強く言えない僕であった。


『 それはそうと、もう少しで魔力測定試験だな!めっちゃくちゃ楽しみだぜ!』


『 あーそー言えばそんな試験あったね。』


『ピピお前ほんとに興味ないよな。。 』


『 いや、こんな村に住んでる僕がすごい魔法使えるなんて思えるわけないじゃないか。』


『 それはそうかもしれねぇけどよ、やっぱ男なんだから夢見ちゃうじゃねぇかよ。もしこの試験でいい成績を残せば将来楽に暮らせるかもしれねぇんだぜ?』


『 確かに、いい成績出せればいいけどさ、でも僕にはそんな自信持てないよ。』


魔力測定試験とは、リオネル帝国が15歳の年の子供を帝国中から集め行われる試験である。もしその試験でいい成績を残せば、帝都内にある帝国一の魔術学校クリスティアーノ魔術学院に特待生として入学することが出来る。もちろん学費や生活に必要なお金など全て支給され将来もほぼ約束されている。先程ロイが将来楽に暮らせると言っていたのはこのことである。


『お前もっと自分に自信持てよ。俺はお前が今回の試験でなんかやってくれそうなそんな気がするんだからよ。 』


『 なんだよ、それ。でも、ここまで言われたらちょっと頑張ってみようって気になったかな。』


『その調子だぜ!ピピ!っと行けねぇもう畑仕事に戻らねぇとまた明日なピピ! 』


『 あ、またねロイ。』

と声をかけるとロイは風のように去っていってしまった。

『 さてと、僕も仕事の続きしようかな。』


そして日が暮れるまで汗を流し家に帰るのであった。

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