19話
あー、そろそろやめとかないとなぁ。蒼炎サンが感心し始めてる。
まぁ、今更目立たないようにしたところで手遅れ感があるのも事実なんだよねぇ。テストでちょっとやらかしちゃったし。
んー、でも飽きたからいいや。
「うおっ! ちょ、さすがにはやいっぐはっ!」
この程度の攻撃では真正面から受けても吹っ飛ばないと思うから、わざと後ろに跳んだ。
これならモロに食らったと思われるだろう。
「久東家を愚弄するからこうなるのよ! ふん!」
うわー。沸点低いなぁ。まぁでも、こういう高飛車タイプは嫌いじゃない。だって、その方が殺す時にイイ顔してくれるから。
自信に溢れた顔が屈辱にまみれる様が、堪らなく好き。
命乞いしても無駄だと知った時の絶望した顔が、身体が疼くほどに好き。
最期の諦めの表情が、三度の飯より好き。
ああ、殺したい。
「!?」
蒼炎サンが驚愕したようにこちらを見た。
おっと、殺気が一瞬出てたみたいだね。失敬失敬。
「気のせい、か?」
んふふ、気のせいじゃないよ!
「ったく、教師ってのはめんどくせぇなぁ……」
少し変な空気になっていたところに賀茂せんせーが空気も読まずにぼやく。
でもこの感じ、読めないと言うよりもわざと読んでいないって感じがする。
身分を偽ってるヒーローサマに、ナニかを抑え込んでる女のコ、わざとダメなように見せている教師、そして凶悪犯罪者だという事実を隠しているボク。
あぁ、他には一体このクラスの何人が自分を偽っているんだろうね?
それを暴きたくて仕方が無い。
特に蒼炎サンとか、もしも皆の前でバレたりとかしたらどうするつもりなんだろうね?
万が一、先にボクがバレちゃったら?
ああ、それはそれで、すっごく、楽しそう……!!
蒼炎サンと、ボク。
この二つの“イレギュラー”がいる限り、この学園は退屈しなさそうだ。
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