Last Name 第一部第1話 昔の夢
精霊玉
プロローグ
―世界というものは 一個人が変えられるものではない―
かつて光と闇が混沌としていた頃、ある時、光の中から『創造主』が生まれた。そして対する闇の中からは『混沌の理』と呼ばれる存在が生まれた。
『創造主』と『混沌の理』はそれぞれ世界を3つずつ創った。『創造主』が創ったのは『冥界』『蒼の世界』『神風抄国界』と呼ばれる世界だった。『混沌の理』が創った世界についてはいまもって謎のまま。
創造主がその3つの世界を創ったあと、2つの神を生み出した。『光の創造神コスモス』と『闇の創造神カオス』を。その2神にあとを託し、『創造主』は姿を消した。そう、その2神がそれぞれ人間に恋をし、それぞれに子供が産まれるまで。
『神風抄国界』の伝承ではこう伝わっている。魑魅魍魎が跋扈する神風抄国界、その中で生きている人間たちの中で『異能』と呼ばれる力を持った者たちが力無き民たちを救うため、異能を持つものだけで構成された魑魅魍魎を退治する『蒼き鳥』と呼ばれる組織を創った。そしてその中でも『葉月』一族と『紅陽』一族は異能を持つものを多く輩出し、『葉月』一族は『創造主』より世界に『神力』と呼ばれる力を循環させることで魑魅魍魎たちの力を抑える役目を与えられた。その役目は『葉月』一族の中で最も『神力』が強い巫女が『柱』として世界を支えていたという。そして光の創造神コスモスの息子がある時『柱』候補だった少女と出逢い、彼女を犠牲にするまいと自らとその自分の子孫に『柱』―後に玉京国が建国されたあとは国王―の役目を背負うことにし、葉月一族を『柱』の役目から解放したという。そして玉京国が滅び、世界がまた魑魅魍魎に跋扈されるようになった時代、コスモスの息子の子孫がある時立ち上がり、異能を持つ10の家と協力して魑魅魍魎を退治し、玉京国の国王が担っていた役目の一部を10の家の者達に少しずつ分散させ、一人だけが全てを背負うのではなく、11人が『神風抄国界』の安定に携わるシステムにした。そのことをしたのはまさに『神風抄国』を建国した男であった。
それから長い年月が流れ、神風抄国2017代国王、天吹 凛樹の時代からこの話は始まる。
この話は、過去に犯した罪の重さ、魂の価値、本当の恋、世界の秘密、そして歴史の影で行われてきた光と闇の壮絶な戦いの話である。
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