第30話 教育方針
ホムンクルスの性格は教育方針で大きく左右される。
手っ取り早く性格を刷り込むには本を読ませるのが早い。
だが...今の所刷り込みが出来そうな本はほとんど持っていない。唯一あるとすれば...ミルクの持っているエキサイト本くらいだろう...どこから持ってきたのか分からないがいつの間にか持っていたのだ...
流石にそんな本で教育するつもりは無いので、いい感じの性格を刷り込める本を探さなければならない。
見つけるだけなら簡単だ、ないなら買えばいい。
ただ...始まりの村イジーには本屋がない、あるのは...【王都】
目的地は決まったので早速出かける。
王都は大森林エリアのさらに先、大荒野エリアを越えた先にある。
決して近い距離ではない、大森林のエリアボスはシリュウが倒しているので、そこまではショートカットできる、ただ、その先の荒野エリアは完全に未知のエリアだ。
程々の支度をし拠点を出発する。
普段はお留守番のミルクとシープも今回の目的地が王都なだけあって同行する事となった。
攻略済みならシリュウで飛んでいくが、さすがに攻略していない所をシリュウで楽をする訳にはいかない、ステータス的には余裕がある。
大森林のエリアポータルを経由し荒野エリアへと辿りつく。
ごつごつとした地面に草木は生えていない、まさに不毛の大地だ。
木も無くあったかと思えば既に枯れてしまっている。
「ちょっと体が熱くなってきました///」
「変な含みを持たせないでよ!!」
最近の悩みの種である。
ここ最近やけにミルクが色気づいて来たのだ、意味をほんとに理解しているのかは知らないが、妙な含みを持たせるのだ、意味も無く。
思春期真っ盛りの私に対し喧嘩を売っているとしか思えない。
一方その頃...
「なんだ?やんのかこの糞ゴーレムが、ヘイヘイ!かかって来いよ!」
悩みの種二つ目。
シープはどこで覚えたのか相手を挑発する癖を身に着けた、必要も無いのに。
質が悪いのが、挑発した後は私やシリュウの背中に隠れて迎え撃つのだ、私達が...。
敵が弱い内は良いが、もし仮にこの敵が強敵だった場合、足を引っ張るなんてレベルではない、だからこそのお留守番な訳だが...。
「熱い///あついよぉ///」
「色気を出すな!!」
「っふ、他愛もない雑魚だった」
「無駄に煽るな!!」
ツッコミが追い付かない。
シリュウは挑発されて集まるモンスターをバクバクと捕食していく、真面枠のリンゼとホープはと言うと...。
「問、これは食べれる鉱石でしょうか?」
「ん~これは銅鉱石だね、そこまでレアじゃない」
「問、この枯れ木には何か効果があるのでしょうか?」
「ん~枯れてるから無いのかな」
「提案、保護して拠点で栽培しましょう」
「ん~効果ないから邪魔になっちゃうかな」
「・・・・・・・・真面目かっ!!」
いや、真面目なのはいい事か...
ツッコミ過ぎて私もどうかしてるのかもしれない...。
ややあって、巨大なクレーターの前までたどり着いた。
巨大な地竜が徘徊している、他にもサソリの様なモンスター達がうようよしている。
「提案、私が殲滅してきましょうか?」
「みんなで行くよ。私も強くならないとだからね」
「了。では、サポートに徹します」
敵の数は多い、このクレーターエリアを一掃するとなるとそれなりに苦労するはずだ。な・の・で。
「よし手分けしよう」
「じゃあ、私はあっち~」
提案すると、すぐさまシリュウは飛び立つ。
逃げたな...。シリュウが居ない以上ミルクとシープと言う問題児をどうにかしなければならない。
「じゃあ、私とリンゼで地竜倒してくるよ」
「了。お供します」
シリュウを見習って私も抜けよう。
ミルクとシープをホープに預け私とリンゼはその場を後にした。
ホープなら大丈夫だろう、攻撃力と速度は一番ステータス高いし...。
この判断が後に災厄を招く事になったがこの時の私にそれを知る術は無い。
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