第12話 新装備と・・・
自分の
全体的にモフモフした作りになっているので、とても着心地が良い。
それにこの世界では着替えが一瞬で完了する。
装備欄にそのアイテムを登録するだけで着替えが完了するし、セット登録しておけば一瞬で切り替えることが可能だ。
装備のレア度は上級、そもそもレアドロップらしい。
「きゅぴー♪」
何を言ってるかわからないけど、表情を察するにかわいいと思ってくれているのだろう。
「ほっほっ...似合っとるのぉ」
「師匠!!」
師匠から褒められるとなんだか照れくさい。
あっそうだ!
「師匠!テイムってなんですか?」
「ほう?モンスターを使役することじゃ、平たく言えばペットじゃな」
「私にも可能なのでしょうか?」
「ふむ...できるようじゃな」
私とシリュウのステータスを交互に確認しながら深く考え込みひらめきを得たようだ。
「これを授けるからシリュウと共に、昨日戦った兎の元に行くとよい」
「これは?」
「【契約石】じゃよ、モンスターをテイムするときに必要になるから冒険して一定数集めた方がよいぞ」
「どこら辺にあるんですか?」
「深淵エリアの敵はドロップ率が高いのぉ...おっと、お主たちなら...丘を越えた辺りのエリアじゃな」
倒せません!!とツッコミを入れようと思ったが先手を打たれてしまった。
師匠から契約石を5個も貰えたので私は拠点を飛び出した。
新装備の性能を試したいというのも合ったが早くペットが欲しいという気持ちの方が強かった。
「きゅぴー!!!!!」
「ん??」
振り返ってみるとシリュウが兎肉を咥えている。
あぁそういえば...ごはん食べてなかった...。
肉団子がかなり手頃で腹が満たされるので、最近はずっとこれだ。
ついでに畑で栽培中の【力の宝種】も食べてステータスアップだ!
ぶらりぶらりと歩きながら新しく入手したスキルを試していく。
まずは、【斬撃】。
スキルを心の中で唱えながら短剣を振ってみると、衝撃波が飛んでいき軌道上に居た兎が真っ二つになった。
私つよい...。
かなり便利なスキルだ。
これで私も遠距離攻撃をゲットしたわけだ...2メートルほど
いや、逆に30cmほどの攻撃範囲が2mまで伸びたのだ!かなり攻撃のバリエーションが増えたと言える!うん!
さて...次に発声...
スキル名からして声を出す?
心の中で復唱し声を出してみる。
「わぁ!!!」
私の声で驚いたのか野良の兎達は蜘蛛の子を散らす様に逃げていった。
これ....ほんとにスキル....なの...ただ単に驚いて逃げただけなんじゃ...。
ん...微妙...かな..
「きゅぴ...ぴ」
なんだか...慰められた気がする...
落ち込む私を背にしおそらくスキルを発動する。
「ぴ―――!!!!!」
甲高い音がすると散らしたはずの兎達が一斉にこちらに向かってきた。
そしてすかさずスキルを追加で発動する。
「ギャオォォォォォォオォォォォォォ!!!!!!!!」
先程とは違い重低音が響きあたりに多少の圧を感じる。
これは...咆哮?
発声スキルの上位互換...かな...
「嫌味か!!!」
「きゅぴ?」
はいはい...シリュウの方がすごいですよっと...
先程の咆哮には多少のダメージ効果もあったようで、何体か倒してしまっている様だ。
発声の存在価値は何なのだろう...
丘を少し進み昨日相対したロードを前にする。
正直今のシリュウなら余裕で勝てる相手だ。
シリュウが正面から対して戦闘を眺める。
昨日の格上も既に格下。いや、私からしたらいまだに格上なんだけど...
この子もテイム出来るのかな...
「シリュウ!この子の動き止めれる?」
「きゅぴー!」
威圧スキルを使いすぐに動きを止めてくれたのでロードに近付く。
そもそもこの契約石をどうすればテイム出来るのかを師匠に聞き忘れた...。
「きゅぴー!」
鳴き声に視線を向けてみるとシリュウが口を大きく開いていた。
不思議に思いつつも契約石をシリュウの口に投げ込んでみる。
「きゅびッ!!!」
私が投げた契約石をものすごい速さで叩き落とし怒りの視線を向けてくる。
「違うの???」
「きゅぴッ!!!
シリュウの視線を向けるのでそちらを見ると倒れたロード。
なるほど....テイムしたいモンスターの口に入れればいいのか...。
ロードの口に入れ込み飲み込ませると無事契約が成立した。
「そんなあっさり....」
兎は姿を消し、その場に契約石だけが転がる。
もしかして...これでいつでも呼び出せるのかな?
契約石を手に取ってみる。
≪名前を決めてください≫
名前か...小っちゃくて...赤い目だから...
イチゴ!
名前を思い浮かべると契約石にイチゴとミーシャの文字が刻まれる。
≪契約が成立しました。これよりミーシャ・ストロニアは個体名イチゴの召喚主になります≫
召喚主...いい響きだ...。
せっかく主になったので召喚してみる。
契約石を使うと先程の兎がPTに追加され目の前に出現する。
「よし行くよ!イチゴ!まずは辺りのモンスターから倒すよ!」
(嫌です)
「ん?今なんて?ていうか...」
「だから嫌ですって言ったんです」
「イチゴ...しゃべれるの...?」
「喋ってはいけないルールでもあるんですか?」
あれぇ...思ってたのと違う...。
「一緒に戦ってくれるんじゃないの...?」
「なぜ私が?あなたの命令に従う義理は無いと思うのですが」
「私の召喚獣でしょ?」
「はぁ...私を従えるならそれ相応のステータスになって貰わなければ従うに値しません」
うぐっ...心に刺さる。
本来はシリュウの様な強者の手助けは得られないので、自力でテイムする必要が出てくる...今回は無理やりテイムしたからもしかして...
念のためステータスを見てみる......
「
Lv:30
名前:「イチゴ」
種族:【ヴァビット】
職業:【召喚獣】
称号:【少女のペット】
HP:60000
MP:4800
ATK:6000
DEF:4828
INT:4500
RES:4650
SPD:8000
スキル:【頭突きLvMAX】【噛み付きLvMAX】【猛虎LvMAX】【雷虎Lv50】【炎虎Lv50】【氷虎Lv50】【聖虎Lv50】【邪虎Lv50】【雷撃Lv80】【雷雲召喚Lv35】【種族召喚Lv20】【薙ぎ払いLv50】【滅びの息吹Lv10】
特殊スキル:【火炎耐性LvMAX】【電撃耐性LVMAX】【物理軽減Lv25】【抵抗の意思Lv10】【認識加速Lv10】【言語理解Lv10】【破滅の意志Lv5】
究極スキル:【統率者】【覚醒】【極醒の芽】
え....
さっきよりも全然強い...
シリュウよりも格段に...強い...
こんなの....いう事聞かせるのいつになるの...
ひとまず帰る...
契約石に戻そうとしても戻る気配がないのできっとイチゴが拒否しているのだろう。
小さくてかわいい子ウサギのイチゴ...のはずが態度もでかく皮肉ったらしい....想像してもいなかった...そもそもしゃべるなんて...
でも、一応はついて来てくれるので拠点まで案内する。
HP6万なら前衛として活躍してくれると思ったが...しばらくは無理そうだ...。
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