第58話 真意

「流石に… 休まないとまずいか」


 バーバリライオン隊長との戦いは熾烈を極めた。最後の一撃は確実に俺を追い詰め、今も尚立ち上がることすらやっとの状況だ。


 そして目の前には意識を手放しても尚膝すら着こうとしない勇猛果敢な戦士の姿。まさに獅子奮迅と言ったところだろう。お互い始めから任務や事情抜きの戦いをしても彼女には勝てるか怪しいところだ。


 俺もこの様だが、彼女もこのままにはしておけない。


 俺は体にムチを打ち隊長を担ぐと壁にもたれ掛かるように座らせ休ませた。こうしておとなしくしている姿は他の子とそう変わらない、彼女もまたフレンズ、女性ということだ。どれだけ強かったとしても。


「ぐっ… う…」


 全身に鈍い痛み、倦怠感。

 これまでサンドスターコントロールだけで誤魔化してきた身体への負担がハッキリと浮き彫りになっている。思わず隊長の隣に倒れ込むと、俺自身もまた壁にもたれ掛かりその身を休める。


「なぁ隊長… 訳を聞きたいって言ったよな?」


 孤独の戦いが続き、体も万全とは言えない。そんな状態の為か酷く弱気になってきていた。俺のやっていることはとても正しいと胸張って言えることではない、パークを守るという大義名分の元で向かってくる隊員達を痛め付けているからだ。太郎とレベッカさんにも悪いことをした、でもこうするしかないんだ…。


 俺にはこれしか思い付かなかった。


 そんなストレスが募っていた俺は隊長が聞こえていないのをいいことについホロリと理由の一部を溢してしまった。


「ヒントをやるよ隊長… 俺がガーディアン相手に一度もサーベルを抜かないのは抜けないからじゃない、血で汚したくないからだ。生き物は斬らないことにしてるんだよ、彼女だって部下だった子達を切り伏せたくはないだろうからな。どういうことかわかるかい?俺が今やってるこのバカなことは彼女の意思でもあるってことさ。奥に斬らねばならない相手がいる… 後はわかるだろ?君とは情報を共有していたはずだ」


「…」


 が当然、返事が返ってくることはなかった。


 隣で聞こえてくるのは静かな息づかい、そして見えるのは目を閉じたままピクリとも動く様子はない姿。いけない… こんなことではダメだ、弱気になるな、気を強く持て。


「少し、喋りすぎたな… 俺はもう行くよ、今のは忘れてくれ隊長?聞いてないだろうけど」

 

 さぁ今行くぞミク、ベル。


 幸いにも俺の体は数分で傷なども元通りになる面白仕様だ。ほんの少しの休息ではあったが既になんとか歩けるくらいには回復している、追っ手が来る前に首を取りにいくとしよう。このまましばらく戦闘がなければ体も回復する。


 立ち上がり呼吸を整えると部屋を後にするためゆるりと歩を進め始めた。


 がその時。


「この感覚…」


 この薄気味悪い嫌悪感、近い… だがどこから?


「下か!」


 全身に鳥肌が立つ嫌な感覚を感じ取った、どうやら俺は休んではならないらしい。が足元から来ると気付くことができたのが幸運にも回避を間に合わせた。 


 床をぶち破り現れる。

 ヤツだ。


「ギイッヒハハハッ!ツマミ食イシニキタゼェッ!」


「でやがったなお喋りクソ目玉!」


 イーターだ、相変わらずやかましいヤツ。俺が弱ったのを狙いに来たのか、あるいは気を失ったバーバリライオン隊長も今なら誰にも見られることなく容易く補食できると期待してきたのか。


 状況は芳しくないがわざわざ出向いてきたなら今度こそ始末してやる。


 弱気になっていた自分を怒りで埋め尽くすと、籠手とサーベルを展開し再び構えた。籠手の効果で体はなんとか戦闘可能となる。

 ヤツは俺の姿を確認すると身体中にある目玉でこちらを見ながら言った。


「オ喋リクソ目玉ダァッ!?最悪ナネーミングセンスダナ?心ノ痛ミッテヤツハネーノカヨ!俺ァ傷付イタゼ!ギィッヒハハハッ!」


「ガタガタ抜かすな、子供達をどこへやった?」


「サァ?モウ食ッチマッタッケナ? …嘘ピョーン!ギィハハハッ!?イイネソノ顔!怒リ憎シミ!人間ラシイ顔良ク出来マシタァッ!」


「減らず口…ッ!」


 風だ、風を纏って一気に決めろ。


 四神籠手を使いビャッコ様の力を発動、いつものように一瞬で距離を詰め、懐に入るとあの目玉だらけの薄気味悪い巨体に刃で斬りかかる。


 避けることはできない、お前はこの速度に反応できない。


 が、そう俺の思う通りにもいかないのである、刃が届く瞬間のことだ。


 ガキン!という金属同士がぶつかる音が響き渡る、なんと防がれたのだ。


「何…!」


「馬鹿ノヒトツ覚エッテヤツダナ!ソウ何度モ切ラセテヤルト思ウカ?」


 体から刃のようなものが飛び出してサーベルを防いでいる、風を纏わせた斬撃を防ぐなど強度もかなりのものだ。いや… これはまさか。


「飯ノ邪魔スルンジャネェ!」 


「チィッ!」


 大振りの拳、ゲンブ様の甲羅を間に合わせ防ぐことには成功した。がそのまま勢いは殺せず後ろへ飛ばされてしまった。なんとか着地で体勢を立て直すも、俺の予感していた最悪な事実がこの時確定する。


「馬鹿な… 大地の守りがっ!?」


「弱ッチィ甲羅ダナ?ソンナモンカ?御自慢ノ神様パワーハッ!」


 追撃、両腕を剣のような形に変え俺に襲い掛かる。来る… だが俺はこの時完全に狼狽えていた。 

 一度の攻撃で砕けた甲羅、風を纏う斬撃を防ぐ体… 前回戦った時は炎でも浄化しきれなかった。確定、こいつは…。


「このッ!」


 剣に風を纏わせ斬撃を飛ばすが。


「俺ニハ効カネェヨッ!アップグレードシタンダ!ギィッヒハハハハハ!?」


「くぅっ!」


 剣の両腕に全て防がれた。

 冗談じゃないぞ!


 目前まで迫ると剣に変化した両腕の重たい斬撃が繰り出され、俺は負けじとゲンブ様の力を体に纏いサーベルでそれを受け止める。こちらも隙を突いて反撃してみるが流石に分が悪い。疲弊した肉体、対して四神の力に対抗できる敵、力押しでなんとかしようにも前に戦ったくらいの出力を出せるほど今の俺は回復していない。


 どうする!


「手負イノ虎!イヤ猫カ?ナマッチョロイ剣ダゼ!ギィッヒハハハハハ!?弱ィ弱ィ弱ィィィイ!オラオラ反撃シテミロヨォ!ネコマタ様ァ~?!」


 防戦一方、遂には膝を着き強烈な一撃をもらってしまう。


「がっ…!はっ…!?」


 重たい蹴りが胴に入り全身が貫くような痛みに襲われる。


「ソコデ見テナ死ニ損ナイ?コレカラコノ可愛イ寝顔ノ隊長フレンズヲ食ッテヤルカラヨォ?ギィッヒハハハハハ!?」


「やめ… ガハッ… やめろっ!」


 イーターはいつもの気持ち悪い笑い声を挙げながら未だ目を覚まさない隊長の頭を鷲掴みにし、高々と持ち上げ顔を近付けると長い舌みたいなものを出し彼女の頬を舐め回した。


「ハァ~… 最高ダゼ!ヨダレガデル!隊長クラスハドウシテコウ旨ソウナノカネェ?アァモウ我慢出来ネェ!イタダキマァスッ!」


 口を大きく開け丸飲みの姿勢に入った、俺は見ていることしかできないのか?

 隊長は俺との戦いで力を使いきり顔を舐め回されてもあの通り目を覚まさない、俺のせい… 俺がアイツに餌を与えた?上の階のガーディアン達もそうだ、無防備に寝転がってるところをアイツは一人一人拾い上げては丸飲みにしていくのだろう。


 これは代表の計算の内か… こっちは完全な誤算、ガーディアンの立場を考えわざわざ返り討ちにしてきたのにそれが結果的にイーターを手助けしたという最悪な形となっている。


 上… 上には太郎とレベッカさんも…。


 ダメだ。


 ダメだ…。


 ダメだッ!!!





「水龍食らい付けッ!!!」





 苦し紛れの反撃。

 籠手はセイリュウ様の力を発動させ、水は龍の形を取ると指示通りまっすぐイーターの元へ飛んでいく。


 少しでいい、少しだけ時間を稼げれば!


「ギィヤァ!?アァァ!クソォッ!動ケネェ!?」


 …? 水は効くのか?何故?


 正直望み薄だとわかっていながら咄嗟に出した水龍だったのであまりにも意外だった。よくわからないがセイリュウ様の力には耐性がないらしい、俺はこの好機を逃さなかった。


「食い荒らせ!」


「ギィバボガ!?ガハッ!?クソォォォッ!?デテイケェッ!?」


 水龍水縛り、セイリュウ様本当にありがとうございます。

 おかげで大きく隙ができた、ヤツが溺れて苦しんでいる隙に俺はサーベルを一度納刀し居合いの構えを取る。


「スー… ハァー…ッ!」


 呼吸を整え大きく息を吐くと渾身の踏み込みと共に…。


 抜刀!


「ギィビャアアアア!?」


 腕を切り落とし、同時に気持ちの悪い断末魔を挙げたイーターは隊長を腕ごと床に落とす。俺はバリー隊長を受け止めると一度距離を取るためヤツの顔面にある大きな目玉を踏みつけ大きく後ろへ跳んだ。


「隊長に手を出すな!」


「ヤァリヤガッタナァァァッ!!!ネコマタァァァ!?!?!?」


 無い腕を虚空に振り回し、もう一方は蹴られた目玉を押さえている。俺は隊長を再度壁に寝かせてやると、今度は剣にセイリュウ様の力を纏わせ追撃に入る。


「今回のことは“水に流してやる!”」


「チクショォォォオ!!!」


 右肩から左下に掛けての大胆な袈裟斬り。


 剣には水の力が加わりウォーターカッターの如き美しい切れ味を生み出す、まるでバターかなにかを切ったかのように滑らかだった。そして斬撃に続く流水がヤツの体を二つに割り、宣言通りヤツの体を押し流す。


「グェェ… クソォ!食イ損ネタ!食イ損ネタッ!?クソ!クソォォォ!!!」


「本当にいつまでもしぶとい…!子供達を返せ!ミクとベルはどこだ!」


「神様ノオコボレガ無キャ大シタコトモナイクセニ!妬マシイ!優遇サレヤガッテ!恵マレヤガッテ!俺ァテメェナンテ怖クネェ!」


 捨て台詞と共に今回もまた切り捨てられた胴体を捨て、頭部が離れるとクモのような足を生やし逃げ始めた。だが逃がしはしない、ここで始末してやる。


「離脱!三十六計逃ゲルニ如カズ!」


 来るときに開けた床の穴へ落ちた、俺もそれを追い穴へと飛び込む。


「待てッ!」


「コイツラト遊ンデナ!ギィハハハハハ!」


 地に足を着けると妨害の為あの時同様口からいくつかの球体を吐き出した、それらはたちまちセルリアンへと姿を変えていく。


「ハンターセルか… 猪口才ちょこざいな!」


 俺は風を纏いその数体をバラバラに刻んでいく、今度という今度は本当に逃がさん。アイツにはきっちり落とし前を付けさせる。


「モウヤラレチマッタ!ドッチガ化物ナノカワカラネェナ!」


「何とでも呼ぶがいい、水龍食らい付け!」


「オット危ネェ!ハズレェ!ギィハハハハハ!?」


 逃げるのが上手いやつ、圧倒的に不利なはずなのに雑魚セルリアンを生み出しては巧みに水龍をかわしている。追い付くことはできるのに最後の決め手に欠けている状態。あの頭を消し飛ばすくらいの一撃を当てることができれば始末できるはずなのに。


 追い続けているうちにヤツが言った。


「ココマデヨク追ッ掛ケテキタナ?ヨウコソ我ガ家へ!ギィッヒハハハハハ!?」


「何ッ!?」


 だだっ広い部屋、辺りには大掛かりな機械が並んでいるそんな部屋に辿り着いていた。ヤツは姿を消した、それどころかあの気味の悪い気配さえ消えている。


 ここはどこだ?いやそもそも… アイツはなんなんだ?セルリアンなのは間違いないのに現れたり消えたり本当に腹が立つ。何故気配を消せるんだ?


 辺りを見回しヤツの頭部を目視で探すも見付からない、こんな開けたところで隠れるも何もないはずなのに。


 その時だった。


 


「ようこそ守護けものネコマタ… いや、史上初のフレンズとヒトのハーフ、ユウキ」




 男性… それなりに歳老いているであろう声。


 とうとう会えたな。



「代表アレクサンダー…!」

 


 暗がりだったところが明るくなり、姿が露となる。そこには薄らとオーロラのように輝く壁があり、その向こうに奴はいる。


 剣が疼く、おぞましい程の怒りの声が頭に流れ込んでくる。


『見付けたぁぁぁあ!!!殺してやる!殺してやる!私を殺しただけじゃない!ベルも酷いめに逢わせたな!許さない!早く斬らせろ!首を跳ねて血飛沫を上げてやる!』


 そうだな。


 と、既に俺自身も怒りが頂点に達し命を奪うことに躊躇いはなかった。始めは俺も我慢していた、捕まえて守護けものに突き出して然るべき罰を与えるつもりだった。

 

 だがもうやめだ。


 剣を向け、代表に言った。


「覚悟しろ、かつてお前を愛した女が… お前の血を吸いたいと鳴いているぞ」


 その言葉に眉一つ動かすことなく奴は答えた。


「物騒なことを言うんじゃない、子供達が見て聞いているんだ」


 その時代表の更に後ろに光が灯り、姿が見える。


 透明な檻のようなものに閉じ込められている二人の子供の姿。俺は無事が確認できただけでも少し安心感を覚えた。


「ミク!ベル!大丈夫か!」


「おじさん…?おじさんなの?」

「おじさんだ!ほらミク言ったでしょ?やっぱりおじさんが助けに来てくれた!」


「怪我はないか?心配するな、今助けてやる!」


 俺はすぐに居合いの構えを取りオーロラの壁を切る体勢に入る。俺達を阻む壁など越えていく、あんな薄っぺらなもので防げると思うな。


 そんな強い気持ちと母親の激しい怒りを込め、集中力を最大限に高めていく。


「ハァー………ッ!」


 呼吸を合わせ、大地を蹴る。















「隊長?隊長大丈夫ですか?」


Are you okay大丈夫ですか?」


「ん… お前たち…」


 俺がシロじぃにやられてから目を覚ました時、選抜隊は既に敗北し引き上げた後だった。レベッカは倒れた俺が回復するまで側に付いていてくれて、目覚めるなり隊長がまだ戻っていないことを教えてくれた。


 気掛かりになり奥へ進むと激しい戦闘で荒れに荒れたフロア、その片隅に倒れるバーバリライオン隊長の姿があった。


「ざまぁない、負けたよ」


「隊長でも勝てなかったんだ…」


「でもかなり激しい戦いだったみたいですね?床まで抜けてる」


 心の中のモヤモヤは未だに取れない、あの人は本当に俺達を裏切ったのだろうか…。どうしても事実を信じきれない、ここまでされてもまだ結果に納得できていない。


 現場を見てわかるのはシロじぃが隊長相手にかなりの本気を出していたということだろうか?四神籠手を使わなければこうはならない…。


 俺には使うまでもなかったってことかよ… くそ…。


「フム… いや、私が戦った時にこんな穴はなかった。彼は四神の力は愚か剣も使っていない」


 嘘でしょ?俺の頭に疑問符がでる。


「Whats?でも現場が…」


「うむ、妙だ… 私の後に何者かと争った形跡がある。四神の力を使わねばならない相手と」


 隊長は何かに気付き掛けているのかじっと黙ると顎に手を当て考え込んでいた。隊長の言うことが本当ならシロじぃは何と戦ったっていうんだろうか?隊長を相手にした後ならさすがにダメージが残ってたはず。


 そんな状態で誰と…?


「レオ、何か心当たりはないか?」


「いや俺にもさっぱり… あの人そもそも謎が多いから隠し事の一つや二つ余裕であると思うんで」


「Hmm… 力を使うってことは、フレンズではない何かとの戦いってことかしら?そうでしょレオ?」


 レベッカの問いに隊長も「そうなのか?」と改めて俺に尋ねた。そう、あの人がそのルールを守っている証拠にガーディアンには四神の力もサーベルも使った形跡はない。

 つまり俺に話してくれた「フレンズには使わない」というルールは真実ということだ、最初から使っていればもっと楽にガーディアンを捩じ伏せてこれたはずなのにわざわざ格闘で挑んでいる、なのに使った形跡がここにあるということは…。


「でも、それならここにセルリアンが出たってことなりますよ?セントラルの地下… 研究所から!」


「この先は我々ガーディアンも立ち入りを禁じられている… まさか」


 隊長だけは真実に近付いている、俺はこの時思い出した。隊長とシロじぃは何か情報のやり取りをしていたはず。


「彼は使えなかったんじゃない… 使わなかったんだな?剣を」


「聞いた訳じゃないけど、そうだと思います… 殺す気なら俺達を残らず串刺にしていてもおかしくない、剣が無くても四神の力があればもっと惨いことができたはずです」


「なるほどな…」


 結論が出たらしく、隊長は俺達に背を向けるとそれを静かに教えてくれた。


 でもそれは俺達が思ってもいなかったこと。あの隊長から出るはずもない言葉が飛び出したのだ。



「お前達よく聞け?私はガーディアンを抜ける、これから彼… ネコマタに付く」


「はぁ!?なに言って…!?」

「O....o....o.... oh my god」


「私個人の問題だ、お前達はもう帰れ?」


 隊長が何に気付いたのかはわからない、シロじいが何をしたいのかもわからない。でも二人に共通してることがあって、二人ともろくに理由も話さず俺達に帰れと言うのだ。


 溜まりに溜まった怒りが、隊長にさえ怒鳴り付ける勇気をくれた。


「ふざけるな!どいつもこいつも子供扱いかよ!シロじぃの力になりたくて追いかけたら“帰れ”、隊長の身を案じて助けに来たらまた“帰れ”だと!?俺達だって聞く権利があるはずだ!俺はあの人の子孫だ!あんたの部下だ!でもガーディアンやめるんならもう関係ねー!話すまでここを動かない!どこにも行かせない!」


 啖呵を切る俺の態度にレベッカもあたふたとしていたが、気持ちは同じなので彼女もまたここを動くつもりはないようだった。


 そんな俺達を見て、隊長は答えた。


「私が気付いたのは理由のうちの1つなのかもしれない、だが気付いてみれば簡単なことだった。彼がわざわざ我々を迎え撃つのも… 相手が誰かということを考えればな」


What do you meanつまりどいうこと?」

「話してください隊長…!」


「彼の意を汲むなら話すべきではないが… そうだな、お前には知る権利があるのかもしれない」


 隊長はこちらを向き呼吸を整えると言った。




「サーベルタイガーを殺したのはアレクサンダー代表だ、友の為私は戦う」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る