中編 アピールタイムです!
「エントリーナンバー1番。アリアナです」
僕の
先陣を切って玉座の前に立ったのは、緊張に
「私がアル君の
そうか。
以前までは地下深い
いくら周りを湖に囲まれているとはいえ、直射日光を浴びるこのお城の夏はけっこう暑いかもしれない。
「それから私の
か、かわいいな。
それにとても助かる。
快適な夏が過ごせそうだ。
優しいアリアナの親切心に僕が心暖まっていると、それに冷や水を浴びせるようにミランダがヤジを飛ばす。
「この城は空調も効いてるから、夏だって快適なのよ。あんたの氷なんて不要だから。それにアリアナ。それだとあんた夏しか活躍できないじゃない。冬はどうすんのよ冬は。何か考えてるわけ?」
そうまくし立てるミランダにアリアナはアタフタしながら必死に言葉を
「え? ふ、冬? ふ、冬は……ええと、あのぉ……」
しどろもどろになりながら口ごもるアリアナは、顔を真っ赤にさせて必死に声を張り上げた。
「わ、私の体温でアル君を温めます!」
ブッ!
そ、それって……。
「エロ認定! 反則行為によりアリアナ失格!」
すかさずブレイディーが用意していた
アリアナは半泣きになって抗議の声を上げる。
「ええええっ! そんなぁ~! いやらしい気持ちはこれっぽっちもないのに~! 厳しいよブレイディー」
「君がそのつもりなくても、アルフレッド君は今ので君をエロい目で見てるよ。見たまえ。アルフレッド君のエロに満ち
人聞き悪い!
見てないから!
ちょっとドキドキしたけど。
そんな僕の
「コラーッ! アル! そのエロい目を今すぐやめなさい!」
「イダダダッ! そんな目してないから!」
何なんだ一体!
僕の目はデフォルトでエロいのか!
ミランダに責められる僕をよそに、失格となったアリアナはトボトボと
☆★☆★☆★☆
「エントリーナンバー2番。ヴィクトリアだ」
そう言って
彼女は
「アタシがアルフレッドの
そう言うとヴィクトリアはメイン・システムを操作して何かの映像を映し出す。
それはエプロン姿のヴィクトリアが
ヴィクトリア料理できるんだ!
それは新鮮な
「最近、アタシは料理を覚えたんだ。王都の料理教室に通って腕を
映像の中のパエリアが実に
そんな僕の横でミランダがまたしても心ないヤジを飛ばした。
「あんたみたいな暑苦しい女に24時間も張り付かれたら息がつまるっつうの! 寝る時まで見張られたらアルが落ち着いて眠れやしないじゃないの! それに毎日あんな大量の料理を食べてたら胸焼けするわよ!」
ミランダのヤジにヴィクトリアはカッとなって怒りの声を上げた。
「うるっせえぞ! 寝る時はアタシが
ブッ!
それは逆に寝られません!
「エロ認定! 反則行為によりヴィクトリア失格!」
またしてもブレイディーが
「ふ、ふざけんなよ!
怒りの声を上げるヴィクトリアに、ブレイディーはこめかみを指で押さえながら首を横に振る。
「ヴィクトリア。アリアナの失敗を見て学ばなかったのかい? どこの世界にベッドで
だから人聞き悪い!
そんな無差別性欲マシンじゃないから!
「アルッ! あんた女なら誰でもいいわけ! いつからそんな
「イダダダ! なってない! なってないから!」
イチイチ怒って僕の
☆★☆★☆★☆
「エントリーナンバー3番。ノアの出番だな」
そう言うとノアはなぜか
「まったくそなたらは、なっておらぬ。アリアナもヴィクトリアもアルフレッドのためなどと言いながら、結局は
そう言うとノアは彼女の武器である
「今のアルフレッドに必要なのは快適な暮らしでもボディーガードでもない。
お……おおお。
ノアがすっごくマジメなことを言っている。
そしてそれは確かに僕のためを思って言ってくれたことだ。
これにはさすがにミランダもヤジを飛ばせずに
ノアは満足げに腕を組むとさらにプレゼンを続けた。
「それだけではないぞ。訓練で疲れた体に
「
それは初耳だ。
意外なノアの話に
「出来るぞ。この鋭い牙でカプッとな」
……ファッ?
き、牙?
牙で
「そ……それ絶対僕を食べる気でしょ!」
前々からノアは
トレーニングで僕を疲れさせて食べる気だったのか!
危うく
「ち、違うぞ! 食べたいのは山々だが、ノアはガマンする! そしてアルフレッドの体のあちこちにこの牙で
「エロ認定! 反則行為によりノア失格!」
そこでブレイディーが高々と
「な、なせだ! どこがエロいというのだ!」
「いや、幼女にしか見えない君がアルフレッド君の全身に口で吸い付くとか、もう
そう言って
「何なんだ君たちは一体。欲求不満ガールズか」
そしてミランダが今度は僕の耳を引っ張りながら
「ロリ! ノアにまで牙をむくつもりだったの! この変態!」
いや、牙をむこうとしてたのはノアのほうだから!
あと名前!
「ロリ君! それはさすがにダメだよ人として」
「社会的に死ぬ気か! ロリフレッド!」
名前名前!
僕の周りで騒ぎ立てる皆をよそに、ノアは
その様子を
「3人失格だから、これもう自動的にジェネットの優勝だね。アル君の
そう言ったブレイディーだけど、これをきっぱりと否定したのは当のジェネットだった。
「いえ。きちんと厳正な審査の上で優勝しなければ意味がないので」
そう言うとジェネットは
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