私は鉄の爪に指をかける

隅田 天美

第1話 私

 めんどくさい。

 面倒くさい。

 メンドクサイ。

 

『あなたのためを思っている』

 大嘘だ。

 なぜ、傷つける?

 なぜ、私を追い込ませる?

『間違っている?』

 知るか、そんなもの。

『愛したのだから、その分、愛せ』

 無理。


 ああ、メンドクサイ。

 あんな奴らになりたくねぇ。

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