アイマイ・ミー
黄金色の太陽に照らされてお昼寝。
微睡みの中で夢を見る。
ふわふわふわりと空を飛び、雲のベッドに沈み込む。
誰も彼も知らざる旅の果て、色を失い空に溶ける。
目覚めた私は私だけれど、寝ている私は誰かしら。
どろり溶け合う境界線、はっきり分かれず宙に舞う。
思えばこの世に輪郭は無くて。
分けてゆくのは便宜の話。
見て聞いて触れて知って、頭が勝手に切り離す。
あれが湖、あれが海、けれどあちらはただの水。
言葉が世界を切り分ける。世界は言葉で出来ている。
知らない私は確かにいるが、表す言葉は見つからない。
遠い夢で見たあいつは誰だ。
同じ顔したあいつは泣いた。
いつか見かけたあいつは誰だ。
同じ声したあいつは憂いた。
胡乱で曖昧、渾然一体、されど私は気にならない。
所詮すべてはわからずじまい。知らなくたって苦労はしない。
もうすぐ目覚めの朝が来る。
鳥鳴き囀る麗らかな朝。
さて、私は目覚めた先で何を見るのでしょう?
それともこのまま眠るのでしょうか?
それすら曖昧な夢の中。
何も知らない、何も知らないままに生きるのです。
これまでも これからも
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