第118話 それなら…
ゴォォン…
「えっ?」
鐘のような音が大きくなった。それと共に次元干渉が完成したように見えた。
「ミナル様…これは…」
「ちょっとまずいかもしれない」
「だから言わない方が良かったんですよ…」
でも取り込んではいるから次第になくなるはず。だけど…吸い込まれる可能性が大きい。魔導具は固定されてるから飛ばされる心配はない。でも私やキロルは…
ビュゥゥゥ…
何か吸い込まれるような音がした。それが何なのかミナルはすぐにわかった。
「キロル逃げて!」
「えっ?」
「いいから!」
キロルは何がどうなっているのか分かっていなかったが、取り敢えずこの場から離れた方が良いというのは分かった。
ピュゥゥゥゥゥゥ…
次元干渉の吸い込みがかなり強くなっている。その辺にある色んな物が吸い込まれていった。もうすぐ魔導具による封印も完了するが最後の力なのか次元干渉もかなりの力で吸い込んでいた。
「ミナル様も逃げて…」
「私はなんとかなるけどキロルはどうにもならないから。従わないのなら強引に転移させるよ」
キロルはミナルが言った事を信じるしかなかった。
「分かりました。無事に戻ってください」
「もちろん。あっキロルの料理あとで食べたい」
「承知しました。たくさん作るので待っててください」
そう言ってキロルはその場からなんとか抜け出す事に成功した。キロルは自分の力ではどうにもならない事に悔しかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ひとまずは大丈夫」
すると周辺に発生していた次元干渉が取り込まれた雷のようなものが魔導具の元に戻ってきた。
「これが魔石の中に吸収されれば大成功」
すると雷は魔石の中に吸収されていった。
「よし。いい感じ」
続々と雷が魔石の中に吸収されていく。順調だと思ったその矢先だった。
バチバチ…バリン…
「えっ?」
突然雷が割れたように見えた。そしてそこから次元干渉が発生していた。
「ダメか…仕方ない。私のほぼ無限にある魔力を込めよう」
そう言って天翼の眼球を起動させ、一気に魔力を込めていく。
「この魔石だとすぐに割れる。ならそれに耐えれるこの目しかない…」
多分…あの取り込んでいる次元干渉も割れちゃうよね。なんとなく予感はしていたんだよね。
「天翼の眼球に魔力をほぼ全て込めた。もう壊れてもおかしくはないよね…封印発動!」
カチカチ…カチンッ
歯車のような音がして全てが噛み合った瞬間、青白い光に包まれた。
ヂヂヂヂ…
「耐えて…」
天翼の眼球が聞いたことない音を出している。本当に壊れるかもしれない。
次元干渉が天翼の眼球に吸い込まれていく。
「よし。いい感じ…」
ピキピキ…
「もう少しだから。耐えて…」
天翼の眼球が悲鳴を上げていた。ミナルは吸い込んでいる間、すごい長く感じた。そして…
スゥゥウン…
「やった…」
次元干渉が天翼の眼球に吸い込まれた。そこにはもう何もなかった。
「あっちょっとこれはまずい…」
バタッとミナルは地面に倒れ込んだ。もう起き上がる力はなかった。
「少し…寝よう」
ゆっくりとミナルは瞼を閉じていった。
_________________________________________
次回、ミナル死す。デュエルスタンバイ!(嘘)
「面白い」や「応援する!」と思ってくれたらこの作品のフォローや♡、☆などもつけてくれるとモチベが上がるのでよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます