第36話 二つ名

シーンとした静かな空気の中、ミナルはステージの上に登った。


「Sランク冒険者になる、ミナルです。えーと…」


ミナルはグレイドに目線を合わせた。すると口パクで「自由にやれ」と言っていた。



なんて、説明すればいいかな…

でも取り敢えず、この事は言っておこう。



「6年前まで『竜の吐息』というパーティにいました」


そう言うと、一気にざわめきが広まった。


「6年前…あいつらの…」

「でも、仲間を逃すために死んだって…」

「あいつらが嘘の報告をしていたのでは?」

「でも、6年間何してたんだ?」


ざわめきが収まらない。すると、グレイドが前に出た。


「ここは俺が」

「お願いします」


グレイドがミナルの前に出て、ミナルは一歩後ろに下がった。


「静まれぇぇ!」


グレイドの声により、ざわめきは収まった。


「まだミナルが説明をしている。ざわざわするのはそれが終わってからしてくれ」


グレイドはミナルにどうぞと招いた。


「ありがとうございます」

「任せとけ」


ミナルはまた話し始めた。


「6年間何をしていたか?という人もいると思います。6年間私はローレット迷宮にいました。その時、両目を失いました。なので目が見えてません」



まぁ、見えてるといえば見えてるのだけれど…



「でもその分、強くなって帰ってきました。

それに異論がある人もいると思います。なので…」


ミナルは一歩下がり、グレイドにまた委ねた。


「練習場で模擬戦をする、異論がある奴はこい。それと…ミナルの二つ名だが」


グレイドは、少し間を置いてから言った。


全てを喰らう者オールイーターと命名する」



全てを喰らう者オールイーター?これが終わったら理由聞いてみよう。



「これにて、Sランク冒険者発表を終了する。

このあと、ミナルと戦いたい者は練習場に集合して欲しい」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「どうして、全てを喰らう者オールイーター何でしょう?」


部屋に戻ると、ミナルはグレイドに理由を聞く事にした。


「そうだな…まずお前はダンジョンでモンスターを食べた。これは一部の人しか知らないのだが…モンスターを食べるとスキルや力をそのまま引き継ぐ代わりに体が崩壊する」

「もしかして…崩壊しなかったから?」


そういうと、少し考えてから言った。


「半分正解ってところだな」

「えっ?」

「スキルや力を引き継ぎ、体が崩壊しなかった。そしてモンスターをたくさん食べた。おそらく色々なスキルを持ってるんだろ?」



当たってる…凄い。



「どうだ?違うか?」

「当たってます」

「つまりスキルや力を喰って自分の物にした。それが理由だ。じゃあ練習場に行くぞ」

「はい」

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二つ名で考えてたらゲシュタルト崩壊して、頭が痛くなりました。



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