続・ガールフレンズ
haruto
第1話 続・ガールフレンズ
彼女を知ったのは、中学2年生。
隣りのクラスの女の子だった。
話もしたこともない、遠くで見かけただけだった。
どこか、引っかかりものがあった。
地味なようで、違う。
西日のさす窓、日差し除けのカーテン越しに、帰る準備をする彼女がいた。
地味なようで、ところどころにワルを感じた。
髪も校則違反ギリギリの線で、ドライヤーで、髪をうしろに流していた。
かばんはペッタンンコ。
隠れ不良だった。
セーラー服のスカーフも、みごとにリボンは小さくして、襟にうまく回してた。
わたしは、帰る準備をする彼女の様子を見てた。
第一印象は、気になるひと。
どこの不良たちに、属するわけではなく、おしゃれ不良だった。
これが、かっこいい。
不良はダサかった。
不良ブームは終わった。
わたしたちが中学生の1983年。
アイドルの時代。
まだ、クラスに何人かいた、不良にも時代遅れの風が吹き始めた。
隠れ不良が、かっこいい。
そのさきがけの、女子を発見した。
しょうこちゃんだ。
わたしは、彼女がこの日から気になった。
友達になったのは、中学三年生。
同じクラスになった。
彼女はおとなしかった。
6人グループだった私たち。
あまり話すことはなかった。
いつも、笑ってる印象だった。
修学旅行の岩手県宮古市。
みやこ浄土ヶ浜、うみねこの餌付け、集合写真。
龍泉洞という、鍾乳洞の見学に向かうバスの中で、隣同士になった。
ほとんど、ふたりで会話したことがなかった。
この日が、はじめてだった。
はじめは、ちょっと、心配だった。
話がつづくか?気になった。
けど、期待を裏切った。
お互い気が合うことを感じた。
とても、楽しかった。
その後、別々の高校へ進学してからは、一度だけ、会ったことがある。
何人かの友達と一緒に、わたしの家に来た。
誕生日プレゼントを持ってきた。
プレゼントは、ピンクのミルク瓶だったと思う。
あれから、3年が過ぎた。
高校は別々、連絡取りあうこともなくなった。
高校卒業。
今みたいに、ラインもなければ、SNSもない。
卒業したら、仲の良い友達であっても、そのまま音信不通になる。
そんな時代であった。
ある朝、バスで、中学時代の友達のエイコに会った。
彼女は、教習所に通っていた。
就活中と、話していた。
すると、彼女は、しょうこちゃんの話をしてきた。
「しょうこちゃん、知ってる?」
「もちろん、どうしてるの?」
「デビュー当時の、小泉今日子に、似てたよね」
「そうだね」
「会ってるの?」
「うん、会いたい?」
「うん!うん!もちろん、会いたい!」
しばらくして、連絡ついたことを聞く。
3人で会うことになった。
しょうこちゃんは、職場まで、迎えに来てくれた。
新しい白い軽自動車には、若葉マークがついていた。
しょうこちゃんは、髪をソバージュにして、黒い大きな眼鏡をかけてた。
同じ歳には見えないくらい、落ち着いた女性になっていた。
運転する彼女は、かっこよかった。
これが、はじまり。
続・ガールフレンズです。
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