36作品目

Nora

01話.[言われたくない]

「長谷川君、起きなさい」


 ああ、いま凄くいいところだったのにどうして。

 しかも起こしてきたのが1度も話したことのない女の子だったという……。

 もう少しで知らない可愛い女の子とキスをするところだったのに!?

 ……現実では無理だから夢の中でぐらいはって考えていたのに。

 夢の幸せな感じと、現実の冷たい感じが綯い交ぜになって微妙だった。


「あ、どうしたの?」

「少し来なさい」

「ちょ、ちょっとっ、て、手っ」

「手を掴んだぐらいでなんなの? いいから黙って付いてきなさい」


 なんなのってそっちがなんなの……。

 どう考えてみてもこんな子と関わったことなんてないし……。


「これ、運びなさい」

「え、なんで?」

「なんでって、あなたも日直よね?」

「ああ! なんだ、それならそう言ってくれれば」

「教室まで運んでくれたらそれでいいから、それじゃ」


 冷たい、あとよく分からない。

 教室まで運んでも特に疲れるとかはなかった。

 当たり前だ、ノートを30冊ぐらいまとめて運んだところでなんらマイナスにはならない。


「よ、千葉七星ななえに話しかけられていたな」

「えっと、同じクラス……だよね?」

「当たり前だろ、そうでもなければあそこには座らない」


 そうか、同じクラスじゃなければ日直のことで頼まれるわけがない。

 いや、あれは頼ったと言うよりもむかついて運ばせたというところだろう。

 そりゃ、片方が寝ててなにもしていなかったら不満も抱く。


れい、そういうのをきっかけにして狙ってみたらどうだ?」

「狙うもなにも、分からないし……」

「最初はそんなもんだろ。俺だって朱夏しゅかと付き合うまではそんなんだったぞ? 幼馴染とか昔から関係があるとかそういうのではなかったからな」


 豊田朱夏さん。

 中学3年生のときから彼、大槻大輝たいきと付き合っている1学年上の女の子。

 1学年上だけどそんなに年上感がないのと、本人がずっと女の子だって自分のことを言うからそういう風にしている。

 しゅかってすごい名前だなあ。


「ま、自由だ、もしその気になったら頑張れよ」


 自由だと言われても。

 同じクラスになろうが関わらないままで終わる人間は多い。

 今日みたいな日直で~とかならともかくとして、普通に友達みたいに関われるとは思わないけどな。

 あまりにも現実では異性との縁がないから現実逃避をしていたが、確かにあの子はこのクラスの子だ。

 特定の異性とも同性とも関わらないそんな不思議な子。

 僕でさえ同性の友達がいるのにいいのだろうか。

 まあいいか、考えても意味のないことだからと片付けた。




「ふぁぁ……眠い」


 結局、1週間が経過しても関わるようなことはなかった。

 当然だ、僕が異性と仲良くなるなんてありえないのだから。


「零くんっ」

「あ、朱夏さん」


 朱夏さんとも仲良くできているとは言いづらい。

 あと、変に仲良かったら大輝が怒るだろう。


「大くんは部活だから一緒に帰ろっ」

「はい、いいですよ」


 荷物を適当に鞄にしまって教室をあとにする。

 既に廊下にいた朱夏さんと合流をして昇降口まで歩く。

 外に出るとなんとも言えない気温が僕を迎えた。

 6月終わりの微妙な感じ、雨が降るよりかはマシとしか言えないけど。


「零くんは部活をやらないの?」

「そうですね、誰かと協力をして上を目指したいとかそういうタイプではないですし」


 個人競技で頑張りたいとも思わない。

 それなら教室とか家とかで寝ている方がマシだ。


「朱夏さんこそ調理部にでも入ったらいいと思いますよ、ご飯作るの上手じゃないですか」

「うーん、と言っても詳しいわけじゃないからね。いまは食材さえ用意してしまえばネットとかにレシピは乗っているわけだしさ、自分が他人よりも上手く作れるなんて考えていないよ」


 分からないことがあったら分からないままにしてしまう自分よりもはるかにマシだと思うが。

 少し前を歩いている朱夏さんは肩ぐらいまで伸ばした髪を揺らしつつこちらに振り向いた。


「いまから来ない? クッキーを多く作りすぎちゃったから食べてくれると嬉しいんだけど」

「あ、じゃあ貰っていいですか? あ、別に上がろうとかは考えていませんから」

「おっけー、それなら行こ」


 もう少し彼氏がいることを考えてもらいたい。

 大輝と友達じゃなくて彼女が付き合っていることを知らなければ遠慮なく上がらせてもらうんだけど。

 流石にね、実際は違うんだから上がるなんてできないわけよ。

 でも、異性が作ってくれたクッキーなんてめちゃくちゃレアだから遠慮なく貰っておくことにした。

 遠慮なんかするのは馬鹿だ、食べてと言ってくれているのだから食べさせてもらえばいい。


「はい」

「え、こんなにいいんですか?」

「うん、大くんは甘い物はあんまり好きじゃないからね」

「ありがとうございますっ、すっごく嬉しいですよっ」

「お、大袈裟だよ。それじゃあねっ、あ、なるべく早く食べてねっ」


 そりゃ食べさせてもらうよっ。

 ああ、天使のように見えてくる。

 大輝と友達だから優しくしてくれているのだろうが、例えそれでも全く構わない。

 異性と全く縁のない自分にとって、異性の手作りの物を食べられるなんてねえ。


「ただいまー」


 17時まで仕事だから父も母もいない。

 しかも父の方は大抵19時半ぐらいの帰宅となるから暇だ。

 暇だからこそ、


「ふぃ~」


 寝るのが捗るわけだけど。

 基本的に自分しか自宅にいないときはインターホンが鳴ろうが電話がなろうが動いたりはしないようにしている。

 だから今回も無視をして寝ることに集中していた。

 電気は消してある状態だから居留守しているな、そんな風にもならない最強の守り。

 ただ、しつこい、今回の来訪者は本当にしつこいぞ。

 ははは、眠いから寝ていましたーという風を装いつつ出ることに。

 ぴんぽんぴんぽんうるさいんだよ、頭に響くというかびくっとなるというか。


「ただいまっ」

「鍵は?」

「忘れちゃったっ」


 犯人は母だった。

 母があれこれ準備をしているところを適当に見ていた。


「手伝ってくれてもいいよ?」

「いや、母さんが作ってくれるご飯が1番だから」

「はぁ、物は言いようだね」


 残念なのは父を待たないと食べられないこと。

 父のことが好きすぎるのは結構だが、息子にぐらいそれを強制しないでいただきたいものだ。


「ただいまー!」

「遅い」

「無茶言ってくれるな、仕方がないことだ、食べよう!」


 うん、待てをされていたのもあって美味しい。

 しかも食後には朱夏さんが作ってくれたクッキーがあるなんて最高っ。


「お、なんだそれ?」

「朱夏さんがくれたんだよ、少し食べる?」

「おう、いいな! 味は――うん、いつも通り美味いなっ」

「すごいよね、時間だってかかるだろうに」


 30枚とかくれているのは父の分も考えられているからなのかもしれない。

 狙ってくるからあげたら「もっとくれ」とか言ってきて、そのことを呆れつつも朱夏さんに話をしたら「今度はもっといっぱい作るねっ」って言ってくれた。


「私も上手に作れますけどっ」

「作ってくれないよね?」

「……美味しい」


 まあ、得手不得手があるんだし無理はしなくてもいい。

 大体、母は働いて忙しいのだから仕方がない。

 別に朱夏さんが暇だとか言うつもりはないけど。

 そんな感じで、いつもよりも幸せになった1日となった。




「長谷川君」


 ああ、彼女はどうやらいいところで起こすプロのようだ。

 で、今日の用もどうやら荷物を運んでほしいみたいだった。

 おかしいぞ、今日は日直とかでもないのに。

 それでも一応職員室に運んでから口を結んで付いてきていた彼女に聞いてみた。

 馬鹿みたいに真っ直ぐ「今日はなんで?」って。


「あなたと同じ係なのだけれど」

「え」


 これまで自分ひとりでやっていたから僕のところだけ人気がなさすぎてひとりなのかと思ってたぐらいなのに……。


「あのさ、千葉さんって最近まで休んでた?」

「いえ、皆勤よ」

「おかしいな、これまでひとりでやっていたんだけど」

「私がやろうとしたらあなたが全てをやってしまったんじゃない、だから今日もやりたいのかと思って口にしたの」


 彼女は無表情のまま「起こしたのはそういうことね」と言って。

 でも、意外とそれで戻ったりしないのが不思議で、僕はじっと彼女の顔を見てしまった。


「なに?」

「あ、ごめん、戻らないの?」

「戻るわ、あなたが戻るときに」

「あ、もう戻るから行こうよ」

「ええ」


 ほぼ初対面の人間相手でも淡々と接することができるのは羨ましい。

 自分もこういう風にできれば異性の友達ぐらいできるかもしれないと悔やむ。


「あなた、大槻君の友達よね?」

「うん、あ、だからって大輝を狙うのは駄目だよ? 彼女がいるんだから」

「なんで急にそんな話になるの?」

「えっ? そ、そりゃ、女の子が男の子の名字とかを出したらほとんどそういう意味でしょ?」


 異性からチョコを貰ったときは驚いたね、僕から大輝に渡してくれって言うんだもん。

 もうふたつの意味で罰ゲームだった、受け取ってそのまま渡しておいたけどさ。


「違うわ、大槻君のように部活動を始めてみたらどうかと言おうと思ったの。あなたはいつも寝てばかりだから運動をすればその微妙な状態から回復できるのではないかしら、と」

「だらけているわけではないからね? それに、騒いでいる人間よりも静かにしている方がいいでしょ?」

「それでも寝てばかりなのは気になるわ、自分がしなければならないことを忘れるぐらいだと余計にね」


 くそぉ、1回のミスでさもこれまでしていなかったみたいな言い方をしやがってっ。

 この子の相手をするのは苦手だな、これからは気をつけるけどなるべく避けたい。

 まっ、僕のところになんか係とかでなければ来ないんだからいいんだけどさ。


「ごめん、次からは気をつけるよ」

「だから、そのことだけではなくて――」

「あーごめんごめん、眠たいから今度にして」


 うん、モテない理由が分かった、それは全て自分にある。

 無理だ、非現実的過ぎると考えて面倒くさくなってしまうのだ。

 相手が自分のことを考えて言ってくれているのだとしても、受け入れる気がないときに言われてもなにも届かない。

 はぁ、こういう性格の時点で生涯童貞は決定か。

 まあ、性行為ばかりしている人間よりはまだマシだろう。

 子どもをちゃんと産んで育てている人間だったら素晴らしいけどさ。




「長谷川君、付いてきて」

「え、もしかしてまたなにか忘れた?」

「いえ、今度は違うわ」


 これでも波風を立てないようにする人間だから付いていくことに。

 そして着いた場所は本当に寂しい小さな倉庫みたいなところだった。


「はい、これを貸すわ」

「カメラ?」

「ここは写真部なの、細かく言えば同好会だけれど」


 写真か。

 いまどきネットで調べればすぐに出てくるのに楽しいのだろうか。

 ああ、いかんいかん、つまらない人間になってしまっている。


「少し撮りに行かない? 適当でいいの、なんてことはない風景を撮ってもいいのよ?」

「じゃあ」


 どうせ両親はまだ帰ってこないのだから急ぐ必要もない。

 というか、ご飯だって19時を過ぎないと食べられないんだから帰る時間を遅らせてもいい気がする。


「なんで千葉さんしかいないの?」

「私も驚いたわ、同好会なのだとしても誰かいてくれると思ったのだけれど……」

「へえ」


 空とか、葉っぱとかにレンズを向けているとなんだか小学生に戻ったような気分になった。

 寧ろどうして同好会に入ろうとしたのかねえ、強制というわけでもないのに分からない。

 別にこれだったらカメラを持って自由に単身で出かければいいのだ。

 外には僕が知らないだけで魅力的なところも沢山あるのだろうから。

 しかも自由だ、自分の体力が許す限りは見て回る、撮影して回ることができる。

 もちろん、禁止にされているところもあるだろうから気をつけなければならないことには変わらないが。

 なんとなく、そうなんとなく彼女の横顔をカメラで捉えてみた。


「なにを撮っているの?」

「ああいや、これは誰のなの?」

「私のよ、これも同じね」

「え、なかったの?」


 普通はあるものではないのだろうか。

 もしそうならかなり入るのにハードルが上がる。

 カメラって安いのでも1万とかするんじゃないの? レンズとかもなんか別売りだとか言っているのを見たことがあるような。


「いえ、あるわ、けれどこっちの方がいいのよ」

「確かに少し高そうだね」

「ええ、お小遣いを貯めて買ったの」


 凄え、お年玉でも貰わないとそんな額は貯められないぞ。

 何円なのかは怖いから聞かないでおこうと決めた。

 あと次はないだろうが、次にするときはそっちにしようとも決めておく。

 高いのを落として弁償に、なんてことになったら目も当てられない。


「移動しましょうか」

「うん」


 時間つぶしのために付き合っているって言ったら怒られるかな。

 とりあえずはこの高価そうな物は返しておく。

 千葉さんがどのように活動しているのか見たいと言ってみたら意外にも受け入れられてしまって微妙な気持ちに。

 まあでも良かった、あれを持っているのが苦痛で仕方がなかったんだ。

 彼女は本当になんてことはないものを撮っては移動を繰り返していた。


「こんな感じね、男の子のあなたにはつまらないかしら?」

「うん」

「正直ね……」


 僕が彼女のことを好きならこんなことにだっていくらでも付き合う。

 でも、現時点では苦手だし、なによりプロの写真でも見ていた方がいい時間を過ごせそう。


「そうだ、今週の日曜日って時間あるかしら?」

「そりゃあるよ、あるけど家で寝るぐらいかな」

「お出かけしましょう、どうせあなたはいま言ったように寝て過ごすのでしょう? それならお出かけをすれば多少は運動に繋がるからいいと思うのだけれど」


 冗談じゃない。

 休みの日に休むからこそ平日に頑張れるのだ。

 僕からすれば休日にわざわざ活発的に行動する人間はアホとしか思えない。

 もちろん、仕事などでどうしようもない人は仕方がないが。


「ごめん、他の人を誘ってよ」

「そう……、まあ、仕方がないわよね」


 そう、仕方がないのだ。

 大体、今日のこれでやっと普通に話せたぐらいなのにお出かけなんかできるわけがないとしか言いようがない。

 一緒に写真を撮ってくれるのなら相手が誰だろうと誘いそうだな。

 僕だったら良かったけどさ、変な人間だったらまず間違いなく出かけた先で犯されてたね。


「ありがとう、なんかよく分からないままだったけどある意味新鮮だったよ」

「ええ」


 彼女と別れて帰路に就く。

 昨日の朱夏さん作のクッキーを残しておいて良かった。

 この中途半端なあれはそれを食べないと癒やすことができない。

 お願いだからこれ以上なにも起こりませんようにと願い続けた。




「は? 馬鹿だろ、一緒に行ってやるから行くって言え」

「えぇ、やだよ」


 こうやって言ってくるだろうからと黙っていたのに。

 僕が異性といられないのを気にしているわけだが、僕からすれば余計なお世話でしかない。

 みんながいたがるのは僕とではなく彼とだからだ。


「そうしたら朱夏からのクッキーとかは禁止にする」

「はっ!? やだよ!?」

「じゃあ行け。大体な、彼女が他の男に手作りした物をあげることがそもそも納得できていないんだからな?」


 あれは癒やしなんだと訴えてみても駄目だった。

 僕が千葉さんと行くと言うまで禁止にすると無情なことを言う。

 仕方がない、どうせ日曜は暇なんだから付き合ってあげるとするか。

 そうすればもう2度と誘ってくることはないだろう、だって楽しませられないし。


「ち、千葉さん」

「まさかあなたから話しかけてくるなんて思わなかったわ」

「あ、うん。それでなんだけどさ、日曜日、やっぱり行こうかなって」


 こういうタイプは1度断ると「もういいわ」とか言いかねない。

 だからもしここで断られたらそのときが最後、彼女と話すことはないだろう。

 単純に逆ギレなんだけどね、それでもプライドというものがあるから難しいのだ。


「いいの? 無理をしなくていいわよ?」

「大丈夫」

「そう、それならお昼に校門前に集合しましょう」

「うん」


 良かった、やめるということにはならなかった。

 いつもひとりでいるから冷たいと思っていたけど、そうではないのかな?

 分からない、分からないからこそ今度の日曜日に把握したいと思う。


「カメラを持ちながら少し歩く程度だから構えないでちょうだい」

「あ、大輝もいいかな?」

「私は構わないわよ?」


 これは僕のためと彼女のため。

 彼女ができるぐらいの人間なんだからいてくれた方がいいと考えてのこと。

 女の子はどうせ格好いいにしか目を向けないんだよ。

 内面が大事とか言っている子だって無自覚で外見を求めているんだよ。


「なに言ってるんだ、俺は行かないぞ?」

「え、いま行くってっ」

「誘いに行くときには行ってやるから、だぞ?」


 まあいいや、行く気がないのに無理して連れて行っても問題になるだけだし。


「ごめん、僕だけになっちゃって」

「気にしなくていいわよ、12時に集合にしましょう」

「うん、分かった」


 これも朱夏さんのクッキーなどのため!

 はぁ、夕方頃まで寝ると決めていたのにぃ……。

 寧ろこれで千葉さんのことをそういうつもりで意識しておけばいいのだろうか。

 いやでもそうなっても振られて終わるだけだしなあと、またもや難しい状態に。

 授業があってまだ助かった。

 勉強なんかよりも寝ている方がよっぽど好きだが、こうして合間に来てくれると区切りになるから。

 無駄に考えなくて済む、今日に限って言えばいい時間だった。


「零くん!」

「昨日のクッキー凄く美味しかったですっ」

「ありがとうっ」


 お礼を言いたいのはこちらの方だ、何度も言わせてもらっておく。

 そうしたらこんなにいい人に彼女でいてもらっている贅沢野郎がやって来た。


「おい朱夏、なんで俺のところに先に来ないんだよ?」

「だ、だって、零くんって私たちが行ってあげないとひとりぼっちだから」

「ぐあぁ!? お゛ぇ゛お゛ぇ゛」

「どうやってその声を出しているんだ?」


 同情、そうだよな、そうでもなければ女の子なんて僕のところに来ない。

 そもそも大輝もどうして来てくれているのか分からない。

 薄情な人間だし、面白くないし、格好良くないし、やる気ないし。

 あんまり甘えるのはやめようと決めた。

 彼らがふたりだけでいるときに悪口を言われたくないから。

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