第7話 進展

その後もブルーベアとの会話は続いた。

丁寧なことにこちらの返信の後時間を置かずちゃんと返事をくれる。

こういった事象を他の人に信じてもらえると思っていなかったので、その対応には素直に好感を持った。


話の展開が進んだのはやり取りから数日後。

難しいことかもしれませんが、と前置きの後に”どうしても直接お話したいことがあるので一度どこかでお会いすることはできませんでしょうか”との言葉。


きた、と思った。


これまでどんな身近な大人にも頼ってこれなかったのは、否定され続けた過去があったからだ。スクールカウンセラーに何度困惑した表情を浮かべられたか。友人たちにどれだけ馬鹿にされたか。

小さな頃の経験だったが、その記憶は強く自分の中に今もある。


会ってこちらが子供だと知られたらどうしよう。話を聞いてくれなかったらどうしよう。悪い人だったら、どうしよう。


不安が募る。


その一方で、もう耐えられないほど状況がつらかった。

信じてもらえなくても、他人なら。

自分と関わりのない人になら話を気持ちをぶちまけてもいいか、とも思った。


”会うのが難しいようでしたら、まずは無料音声通話にてお話をさせていただくと助かります”


その一言で私の気持ちは動いた。


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