第15話 昼休みちょっといい?

「実は、この公園で嫌なことあってな……ゴミ拾いをしてここをきれいにしたいんだ。それで気持ちもスッキリさせて整理したい。ただそれだけの理由かな」


「……なるほどね。確かにきれいになると気持ちもスッキリするもんね」


 倉敷さんは、具体的になにがあったのか聞きたいような顔をしているが、聞かないでくれているみたいだ。


「単純でしょ? だから次も参加させて欲しい」


「分かった。いいよ!」


「そういえば、みんなは? 休憩中?」


「とっくに帰っちゃったよ。合図してからもう30分以上経ってるし」


「そんなに経ってたんだ……」


「何回もこれを鳴らしたんだよ」


 ピーピー、ピーピー、ピーピー


 倉敷さんは笛を鳴らしてみせた。近くで鳴らされるとだいぶ大きい音だ。


「音大きいでしょ? 耳が遠くなっている人達が多いから、大きい音が鳴る笛を用意したんだよ。これで気づかなかったの堂道君くらいだったよ笑」


「集中してたってことで笑。じゃあ、おじいさんも帰ったの?」


「うちのおじいちゃんは堂道君が来るまで待ってるって言ってたんだけど、午後から病院に行く予定があったから先に帰ってもらったの」


「おじいさんに悪いことしたな。じゃあ、次も参加するから宜しくって伝えてくれないか?」


「うん! 分かった。おじいちゃん喜ぶと思うよ」


「じゃあ、今日は解散かな?」


 集中力が切れて、急にお腹が空いてきた。


「そうだね。改めて今日はありがとうございます。若い人は私くらいしかいないから助かりました」


 礼儀正しくお礼を言われてしまった。なんか所作がお嬢様ぽい気がする。

 育ちの良さが出ていると言うか……


「そんなに改まらなくてもいいよ。まぁ普通はそういうのに参加しないよな〜」


「まぁ、そうだよね。私達が珍しい方ってことで笑」


「そうかもなぁ。じゃあ、俺の家こっちだから」


「あ、堂道君ちょっと、待って! えっっと、連絡先聞いてもいい? 次回の日程とか連絡したいし……」


「あ、そうだよね。いつやるのか分からないんじゃ、参加出来ないよね、はい、これが俺のIDね」


 俺はスマホを取り出してメッセージアプリのIDを教えた。


「本当だよ〜。私も忘れそうだったけど……ありがとう、じゃあ、次回のゴミ拾い活動の日付が決まったら連絡するね。それじゃあ、またね〜」


「じゃあね〜」


 ふぅ〜、いい仕事したな〜。


 * * *


 帰りにスーパーに寄り、カレーライスの具材を買った。シンプルな食べ物だけど、一番美味しいと思う。早速、カレーを作る!


 カレーは入れる具材、調味料によって味が変化する。同じメーカーのカレールーを使っても家庭によって味が違うのはそういうことだ。今後、時間に余裕が出来るから、また料理を始めるのも良いなぁ。


 さてと、グツグツとカレーを煮込みますかぁ〜。


 ・

 ・

 ・


 できた。久しぶりに料理するのも楽しいな。


 いただきます〜。

 ウマウマ、ウマウマ〜。


 お昼を食べ終わった後、特にやることがないので、適当にテレビを見たり、スマホで動画を見たりして一日を過ごした。


 さてそろそろ、寝ようかな。


 彩花には、明日早く学校に行って、先生に頼まれた集計作業をやってと言っていたが、俺はやらない。で、それプラス今度からなにかお願いされてもやらない。

 前提として、俺もおかしかった。彩花がメインでやって、俺が手伝うなら分かるが、彩花が頼まれたものを俺だけがやるっておかしい。よし結論、なにもやらない。


 じゃあ、寝よう〜。

 おやすみなさい〜。


 * * *


 チリチリチリ、チリチリチリ


 朝を知らせる音がなった。時計を見るといつもより遅い時間だ。遅いと言っても、学校には全然間に合う時間だ。先月は体育祭があり、その時が一番きつかった。夜も朝も準備に追われて寝る時間があんまりなかった。ここ2,3日は本当にぐっすり寝れた。体力がMAXになったみたいな感じだ。


 適当に朝ごはんを済まして学校に向かった。


 ・

 ・

 ・


「おはよ〜」


 クラスメイトに挨拶をする。


「昇、おはよう。昼休みちょっといい?」


「分かった」


 彩花は、普通な感じで話しかけてきたが、目を見ると少し睨んでいるように見えた。俺に用事は……仕事のことしかないな。


 深く考えず、自分の席に着くと、たけが俺の席に来て、こっそり話しかけてきた。


「おはよう。菊池のやつ見たか? お前の事を睨んでたけど、なにかしたのか? もしかして、もう別れた?」


「いや、なにもしなかったから睨まれたってのが正しいかもな。仕事を頼まれてたんだけど、やらなかったそれだけ。まだ別れてないよ」


「なるほどな。でも気をつけろよ。うちのクラスに菊池信者がいるから、菊池になにかあったら、なにかされるかもしれない」


「彩花に信者がいるのか? それは初耳だ……」


 彩花と付き合って、視線を感じたことがあったが、そういうことか。

 俺は視野が狭いな。全然見えてなかった。


「え、まじかよ。この前は……信者とかの話は……して無いな。でも結構目立ってた気がするけど。菊池ってクラスでは頼られてるじゃん? 菊池に相談事を持ちかけてるやつをたまに見かけるし」


「相談事? そういえば、たまに彩花に、この話どう思う? とか聞かれてたな。クラスメイトの相談事だったのかな」


「そこもお前に頼ってたんだな。まぁ、ちょっと気をつけろってことで」


「了解、ありがと」


 俺のクラスでの立ち位置についてだが、クラスのカースト的には、中間くらいにいると思ってる。多分だけど。あんまりクラスのカーストには興味が無いから、はっきりは分からない。


 たけの方は、クラスではいじられ役になることが多く、クラスを盛り上げている。


 話をしていると、チャイムが鳴った。


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 ここまで読んで頂きありがとうございます。


 今日はカレーでしたので、料理にカレーを登場させました。

 カレーはハズレが無いですよね〜。


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 改定

 2021/03/25 三点リーダーに変更

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