てんてん転移

木苺

第1話 てんてんてん

「てんてんてん毬てん手毬」久しぶりに手毬をして遊んでいた。

バスケットボールは良く弾むので手毬にもってこいだ。


子供達と輪になって歌いながら、1フレーズごとにボールを誰かに回していく。

 誰に回しても良いが、①1巡するまではまだボールを手にしていない人に渡さなければだめ、②ボールがうまくつながらなければ、まわした人とまわされた人の両方が退場ということになっているので、皆無理のない方法でボールを回している。


「てんてん手毬の手がそれて」でほんとにボールが手からそれて輪の外に行ってしまい、あわてて両側の子がボールを追いかけてぶつかってしまった。


そしてバスケットボールは お城の殿様ではなく、突如あいたブラックホールに飛び込んでいき、マリつきをしていた5人の子供と一緒に私も飲み込まれてしまった。


ころころコロコロ転がって、「おにぎりころりんすっとんとん」とばかりに

透明なボールの中にはいってしまい

今度は 虹色の流れの中をどんぶらこ 流されていくことに。


「わーい ウォーターボールだぁ~~~」

子供達は 大喜びで はいはい

 

「ぎゃ~」と叫ぶ私。


5歳の双子と7歳の三つ子が並んで四つ這いになって ウォーターボールを中から一方向に押していくと ボールの回転速度は半端ない。

 ボールの移動速度もかなりのものではないだろうか??


いいですか この手記を読んでいるみなさん! ウォーターボールの中に入ったら 四つん這いで前進あるのみ! それ以外の体勢をとると 転がるボールの中でころころ転げまわって筋違いを起こすか目を回すか ロクなことにはなりません!!!!!


わかっちゃいるけど 小さなお子達が5人も並んでいたら、おばさんの並ぶ余地がないのだ!!


突進するおこちゃまパワーのおかげで、「前方に滝! ストップ!」の叫びもむなしく滝つぼに落ちてしまった。

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