第20話 弟子
道場の外の広場に激しい声が鳴り響く。
「せい!えい!タァぁぁあ!」
「てやーー!」
バシ!バシ!
「どうした?お前らの力を全部見せてみろ!」
「クソーー、オリャーー!!」
新しく入門した修羅達は一斉に誠に攻撃をするも、誠にはかすりもせず、誠に蹴飛ばされたり、投げ飛ばされたりしていた。
当然誠は能力も使っていなければ、武器もなく素手だ。
対する修羅達はそれぞれ得意な武器を使って攻撃をしている。
修羅の武器は槍である。
「どうした?殺しにくる勢いでこい!」
「流石はランキング一位ですね。それでは奥の手を使わせていただきます!みんなやるぞ!」
修羅の体が帯電する。
他のメンバーもそれぞれの属性のオーラを纏い始めた。
「ほう、その年でそこまでできるか…」
「先生も本気を出した方がいいですよ。」
「面白い、かかってこい!」
修羅達は持てる能力の全てを吐き出して、誠に襲いかかる。
しかし、やはり誠は能力を使うまでもなくさばききる。
「どうした?それで終わりか?お前らは全然能力の使い方がなってない。こうやるんだよ」
「アイスフィールド」
修羅達の足が凍りついて、地面から離れない。
「あ、足が!!くそくそくそ!!」
「わかったか?戦いの基本はまずは相手の足を止めることだ…お前らの力はわかった。お前らは弱い。強くなりたかったらこれから本気で訓練するんだな」
誠がそういうと、修羅達の足に張り付いていた氷が溶けた。
「はぁはぁ…はい。これからよろしくお願いします!」
こうして新たな弟子が増えた誠は、新しい弟子達に基礎から教え始めるのだった。
道場で指導を終えた誠は美琴の待つ家に戻っていった。
就寝前、布団の中で美琴が今日の事について聞いてくる。
「ねぇまこと、新しく入った子達どうだった?」
正直、今日誠は驚いていた!
少年たちは全員既に精霊の力を行使できており、粗削りだが将来性がかなり高いことに。
「あぁ、かなり見込みがあるな。まだまだ粗削りだが、あいつらが大きくなったら多分この町はオニンピックでいいところまで行けると思う。」
誠も久しぶりに興奮していた。
「まことのそんな顔初めて見たかも!凄いね!!今度私も見にいこ!かわいい子いるかなぁ…」
「馬鹿が、遊びじゃないんだぞ。それに自分の年齢を考えろ、相手は子供だぞ…」
現在美琴は24歳であり、誠は26歳だった。
「ぶーーー!そこは嫉妬してくれるところでしょ!!まことのバカ!」
「…あのなぁ…子供に嫉妬してどうすんだ…」
美琴に呆れながらも、誠は眠りについた。
翌朝、誠が道場に着くと、昨日と同じ様に少年たちが立っている。
「ん?どうした?先に入って訓練してていいんだぞ?」
誠は少年たちに尋ねた。
「はい、先生!既に2時間訓練していました。先生がもうすぐ来ると思い、挨拶をするために待っていました!」
誠はまたしても驚く、この子達は今までの門下生とは全く違う…
「そうか、良い心掛けだ。だが俺が来たからには休めると思うなよ?」
「わかってます!今日も一日よろしくお願いします。」
そして今日もまた地獄の特訓が始まるのだった。
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