第7話

フィクションは全ての人のためにあると信じているし、実際そうであって欲しい。


なりたい自分やなりたい人生になれない部分なんて全員が持っていて、その枯渇した箇所のためにフィクションはある。

だから嘘八百で綴られた物語たちを私は愛してやまない。


起承転結で作られたものは形態を問わず真実ではなくなってしまうだろう。

例えそれらが痛切な事実ではあったとしても。

物語になった時点で描かれていない本当のところなんて沢山あるし、それは当人にしか分かりえない。


当人にしか分からないのが人間なので。

人間はきっといつの時代も物語を欲しているのだ。

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