第2話 理不尽1


ピンポンピンポンピンポン!


「だぁっ!うっせーな!毎回毎回何度もインターホン押さなくても分かるわ来花!」


ピンポンしまくっても気にしない、私は今怒っているのだ。


すると不機嫌そうに祭里が玄関を開けた。


「すぐ出ない祭里が悪い!!30秒以内に出ろっていつも言ってるでしょ!」


「無茶言うなやねぇちゃん!んで?今日創立記念日で学校休みだろ、どした?」


不思議そうに尋ねる祭里に待ってましたとばかりに私はこう言い放つ。


「祭里のバカ!」


「は?なんだよ急に」


「え、キュンです?」


「違うわ!なんで俺に怒ってるのか聞いてんだよ!」


あ、一瞬忘れてた。


そうだ。


「なんで祭里はモテるん!?ちょっと幼い顔して可愛いからって!私全然モテないんだけどどうしてくれんの!?」


「知らねぇよ!つか男に可愛いは嬉しくない!そして理不尽だ!」


そんな事言われてもねぇ?


ずるい事はずるいじゃん?


「と言う訳で今からケーキ奢れ」


「なんでそうなるんだよ!」


「祭里が私よりモテるから」


ハッキリ言った。


「うわぁ…やっぱり理不尽…」


祭里がげんなりとした表情でボソッと言う。


「ケーキ買ってくれたら褒めてつかわすぞよ」


「ぞよって…わーったよ!買えば良いんだろ、買えば!」


そう折れた祭里に即答で。


「苺のショートケーキホールで!」


「はいはい…俺のお小遣いが…」


「私の金じゃないから良い!」


「もう少し遠慮しろ!」


気にしないよね?


だってホントの事だもの。


「じゃあ早速チャリニケツでGO!」


「せめて着替えさせろ」


「やだ!」


「やだじゃない!」


「しょうがないなぁ、1分だけ待っててあげる。間に合わなかったら昔おねしょして泣いてた写真学校にばら撒くから」


「はっ!?なんでそんな写真持ってんだよ!」


一応私と祭里ママは仲良しだからね、情報が色々入ってくるのさ。


「いーから早く!いーち、にーい」


「ちょ、待てよ!」


祭里は急いで着替えに行った。


ホントは話聞いただけで写真なんてないけどね。


あー、祭里からかうと楽しいわ。


一番でかくて高いケーキ買ってもらお。


祭里の意見?聞かないよ?


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