リア充が侵略してきた
1 名無しの冒険者 ID:uaheidi
国家権力大敗北の件について語ろうか?
2 名無しの冒険者 ID:ysheudi
俺の地元オワタwww 生存者0www
3 名無しの冒険者 ID:hawoedu
銃火器は効かないって天の声が教えてくれていたのにwww
4 名無しの冒険者 ID:cndjiea
>2
こっちは行方不明者2名www 10名が生還した模様
ネットニュース、匿名掲示板を見る限り、国内の支配領域へ自衛隊が一斉に侵略したようだ。結果は散々のようだ。
海外では、核兵器を放った国もあったらしいが、支配領域は無傷。逆に、付近の支配領域ではない地域が核で汚染。近々、核の使用を禁止する国家間の法案が成立する見込みらしい。
そして、運命の日から三日目。
【ロウ】――人類に朗報が流れる。
――『北海道のダンジョンを攻略していた北海道第三師団に所属する隊員12名がレベルアップ』
――『有志の学生が攻略していたダンジョンで、強力な武器を発見!』
――『テクノロジーを用いない武器であれば、下位ランクのモンスターは人類でも討伐可能である』
と言った記事がネットニュースを賑わせる。
872 名無しの冒険者 ID:ksejduh
下位ランクのモンスターって何よ?
874 名無しの冒険者 ID:dgruaie
>872
スライムとかウルフじゃね?
875 名無しの冒険者 ID:oiejsue
>874
スライムとかいるのか?
876 名無しの冒険者 ID:dgruaie
>875
冒険者はモンスターの名前がわかるらしいぞ
957 名無しの冒険者 ID:sjeirud
強力な武器って何?
958 名無しの冒険者 ID:dgruaie
>957
鉄の剣らしい
959 名無しの冒険者 ID:pweifhe
鉄wwwのwww剣www
別のスレッドを覗くと――
1 名無しの冒険者 ID:dgruaie
下位モンスターが出現するダンジョンをまとめないか?
2 名無しの冒険者 ID:fjeuaha
攻略サイト立ち上げるわ
https://danjonmatomejapan.jp//
3 名無しの冒険者 ID:skeerow
東京都豊島区○ー○ー○のダンジョン
出現モンスターコボルト
5 名無しの冒険者 ID:lkssedf
名古屋市中区○ー○ー○のダンジョン
出現モンスターダークエルフ
8 名無しの冒険者 ID:rekowdd
新潟県柏崎市○ー○ー○のダンジョン
出現モンスタースライム
10 名無しの冒険者 ID:lewseds
>8
スライムの情報ktkr! 柏崎市に乗り込めーwww
匿名掲示板には、国内のダンジョンの情報が次々と投稿され、攻略サイトには、県別、市別で分類されたダンジョン――支配領域の情報が次々と埋まっていく。
これって俺も書き込めるのか?
俺はスマートフォンを操作して、自分のダンジョンの情報を入力。
『場所:金沢市○ー○ー○
出現モンスター:スライム、ラット
お宝情報:未確認』
お宝情報に黒鉄の剣を書き込もうと思ったが、まだ入手した者はいなかったので、不明と表記した。
そして、書き込みから3時間。
――ビィィィィィ!
スマートフォンから激しい電子音――侵入警報が鳴り響いた。
俺はスマートフォンを操作して、入口付近を観察。
侵入者は12名。年の頃は十代後半。高校生か大学生だろうか?
男子6名、女子6名の集団であった。
学生の侵入者達は、お揃いのジャージの上に野球のキャッチャーが身に付ける様なプロテクターや、アメフトのプロテクター、剣道の防具を着込んでいる強者までいた。
「大丈夫だ。お前は俺が守る!」
「ユウヤ、ありがとう……」
先頭を歩くアメフトのプロテクターをした男子が、後ろにいるジャージ姿の女子に声を掛ける。女子は嬉しそうに、男子の手を握り、顔を紅潮させる。
リア充か?
俺のヤルキが20%高まる。
「ねぇ、本当に行くの? 大人に任せれば……」
「馬鹿野郎! 大人に何て任せられるか!」
「そうそう、このダンジョンはサイトによれば、出現するモンスターはスライムとラット。僕達だけでも、十分に勝てますよ」
女子が不安そうな言葉を呟けば、剣道着の男子が一喝し、最後に眼鏡をかけた知的な男子がドヤ顔で周囲を安堵させる。
その後も、慎重な足取りで学生達は支配領域を奥へと足を進める。
そして、学生達が支配領域に侵入してから三十秒。
最初の門番――3体のスライムが学生達の行く手を阻む。
「キャァァァー!?」
「お、落ち着け、ただのスライムだ!」
スライムを目にした女子が悲鳴を上げ、男子が女子の前に出て、虚勢を張る。
「叩け! 全員で叩くんだ!!」
学生達は各々が手にした武器――バットや木の棒やバールのようなモノで、スライムに一斉に殴りかかる。
スライムも必死に溶解液を放出して対抗するが、多勢に無勢。
1分も満たない時間で、3体のスライムは消滅してしまった。
「勝った……俺達の勝利だぁぁぁ!」
勝利の雄叫びを上げる、男子学生。周囲の学生とハイテンションでハイタッチを交わしたのであった。
その後も学生達の快進撃は続き、多くのスライムとラットが儚いその命を散らす。
CP的に40程の消失か。
学生達が侵入してから、約3時間。回復したCPは30。
ここまではCP的には赤字だな。
そして、学生達は最初の宝箱へと辿り着いた。
「おい! アレ見ろよ! 宝箱じゃね?」
一目で宝箱とわかるデザインの箱を目の前に学生達のテンションは急上昇。
「でも、宝箱の前に……変な生き物がいるよ」
宝箱の前には、ナイフを手にした邪悪な妖精――ゴブリンが三体。
ゴブリンは学生達が今まで相手していたスライムやラットと比べると、ランクが1つ上がり、武器まで装備している。
さて、学生達はどうでるかな?
「ど、どうする……?」
女子学生が不安そうに仲間に声を掛ける。
「ど、どうするって……」
声を掛けられた男子学生は、後ろに控えた眼鏡を掛けた男子学生に視線を送る。
「アレはゴブリンですね。差し詰め、宝を守るガーディアンでしょうか」
眼鏡を掛けた男子学生が答える。彼は冒険者なのだろうか。
「ご、ゴブリンか……。ゴブリンなら雑魚モンスターだよな?」
「そ、そうだな。俺達だったら勝てるよな?」
「で、でも……あいつ、ナイフ持ってるよ……」
全員が眼鏡を掛けた男子学生へと視線を送る。リーダーは彼のようだ。
「行きましょう。ここまで来て退くのは得策ではありません。勝てます……僕達なら勝てますよ!」
眼鏡の男子学生が周囲を鼓舞する。
ちなみに、実況のような視線から学生を眺めている俺からすると、得策ではありません、と言う言葉が不明だ。
「出し惜しみは無しです! 鈴木さん、田中さんは左のゴブリンに魔法を!」
「「はい!」」
眼鏡の男子が女子へと指示を飛ばす。
ってか、魔法使えたのかよ。
「出口君と、佐山さんは、魔法でダメージを与えた後に攻撃を!」
「おうよ!」
「わかりました!」
「牧野君は真ん中のゴブリンを、藤井君は右のゴブリンを引き付けて下さい」
「わ、わかった」
「りょ、了解だ」
「香山さんは、傷負った人の回復を! 残りは、僕の指示に合わせて攻撃に参加して下さい!」
「「「はい!」」」
リーダーの指示を終えると、二人の女子学生が手の平をゴブリンに向ける。
「《ファイヤーボール》!」
「《アイスボール》!」
おぉ……。これが魔法か。
紅く燃えさかる炎の球と、白く凍える氷の球が左のゴブリンへと放たれる。
「ギィギィ!?」
「「ギィギィ!」」
魔法による攻撃を受けたゴブリンは、後ろへ吹き飛ばされ、仲間を攻撃されたゴブリンは激しく怒りを表し、ナイフを振り上げて学生を襲撃する。
「ッシャ!」
「いきます!」
バットを手にした男子と竹刀を手にした女子が、倒れたゴブリンへと疾駆。剣道着の男子とキャッチャーのプロテクターを身に付けた男子が、襲い来るゴブリンの前へと躍り出る。
魔法の攻撃を受け、倒れ込んだゴブリンに、バットとバールによる追撃が振り下ろされる。
ここまでは――眼鏡の男子学生の作戦通りだった。
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