第3話 勇者になった幼馴染
「こんなにありがと。ビルじいさん、体には気をつけろよ?」
「なっ!カイせっかくくれたのにそんな言い方ないでしょ!すみませんありがとう。ビルおじいちゃん」
「よいよい。気にするな。今日はわしらにとってもめでたい日じゃ。村一番の仲良しふうh「わー!!わー!!わー!!ほんとにありがとう!ビルおじいちゃん!それじゃあね!!行くよカイ!!」
「お…おう」
えぇ何あいつ村一番の仲良しって言われて恥ずかしがるのは分からんでもないが。なんで急にあんな大声…?怖…
「失礼なこと考えてない?ねぇカイ?」
「いいえ。何も…」
ひぇ怖なんでこいつこんなに鋭いn「カイ?」
「はい!なんでしょう!レイ様!」
「あはは。ちょっと呼んだだけだよ。なんでそんなにビックリしてるの?それに急にレイ様だなんて変なの」ケラケラ
「…うっせ。ちょっと急に声かけられたからちょっとビックリしたんだよ」
「ふーん…そういうことにしとくね」
「…ちっ」
「ほらそろそろ急がなきゃ!もう少しで天啓の時間だよ!!」バッ
「ちょ!?待て。急に走るな!!」
「青春じゃのう」
〜 十数分後 最初の村 教会 〜
「これより天啓の儀を開始します」
天啓の儀が始まった。のだが…
「では〇〇前え」
「はい」
「あなたがこの天啓の書に血を垂らせばあなたの可能性を女神様がに示してくれます。恐れずに覚悟を決めて進みなさい」
〇〇が天啓の書を受け取りそこに一滴血を垂らした。そうすると本が淡く輝きゆっくりと文字が浮かび上がった
「女神様はあなたの可能性を示されました。それがあなたの可能性です
「…これが俺の可能性」
実はこの天啓の儀、名前が呼ばれて初めて受ける側にやる事ができるため自分の番が来るまでかなり暇なのだ。
「ねえカイ」
「なんだレイ?」
「天啓の儀ってさ…」
「あぁ」
「ぶっちゃけすっごいひm「それ以上はいけない」
「でもさ〜」
「でももクソもあるか。ほらもうすぐお前の番なんだからしゃきっとしろ」
「でも〜」
「あー!!もう、わかったよ。この儀式をちゃんとやりきったら俺ができる範囲でなんでもしてやる!だから儀式中くらい静かにしてろ!!」
「………本気?』
「マジだよ。だから頼むからちゃんとしてくれ…」
「…わかった。ちゃんとする、ちゃんとするからそっちも約束守ってね」
「お…おう」
えぇ、なんか急に静かになったんだけど…どんな無茶振りされるんだ…
「ではレイ前え」
「ほらレイお前の番だぞ。ビシッと決めてこい」
「うん。行ってくる」
(あいつが本に血を垂らせば俺の女神様から受けた仕事は終了だ色々あったけどなんやかんや楽しかったな)
「あなたがこの天啓の書に血を垂らせばあなたの可能性を女神様がここに示してくれます。恐れずに覚悟を決め進みなさい」
ポタッ
レイが本に血を垂らした瞬間、
『レイ私の愛しい子よ。あなたは勇者に選ばれました、どうか悪しき魔王を倒してください』
眩い光と共に女神様が現れた
(随分と派手な演出だな…)
「め、女神様! 恐れ多くも申し上げます。私、レイ・ホワイトは勇者たる器ではございません。勇者は他の勇気ある者がすべきです」
(レイ!!?!?!?!?)
『いいえ、あなた以外に勇者は務まりません。』
「ですが『あなたには何か心配なことがあるのでしょう?』
「ッ!?」
『では…そうですね。あなたが勇者となり魔王を倒した暁にはどんな願いも叶えて差し上げましょう。それでもあなたが出来ないと言うのなら、仕方ありません別の者を勇者にしなくてはなりません』
そう言うと女神様は俺に目線を向けてきた
女神様の目線につられレイも俺を見つめる
そうするととすぐにレイの顔が見る間に青くなった
「わ…わかりました。私が勇者になります。だから、だからどうか『えぇ大丈夫です。あなたの思いも知っていますから』っ…ありがとうございます」
『それではレイ、頼みましたよ。あなたの旅路に幸ありますように』
「…は……い……」
あの後レイはすぐに教会を飛び出して行ってしまった。俺もすぐに追いかけたのだが勇者として天啓を受けたせいか、俺の足では追いつくことができず結局見失ってしまった。
その後、村に戻り話を聞くとレイは翌日村を立つことになったらしい
無論村中が女神様の降臨と勇者の誕生によりどんちゃん騒ぎに
「この街から勇者が出たぞ!!」
「女神様が降臨なされたのだ!」
「お祝いしなくちゃ」
「めでたい めでたい」
〜村の外れ 惑わしの森 最深部〜
「はぁ…」
(レイはこれから旅に出ないといけないっていうのに村の連中は…)
ザクッザクッ
「!? 誰だ!?」
この惑わしの森は正しいルートを知らなきゃ絶対に
して…
「わしじゃよ、わし。老ぼれのビルじゃ」
「…やっぱりビル爺さんか、それよりどうしたんだ?こんな夜更にこんな場所まで」
「せっかくこの村に女神様が降臨され勇者が出たのに辛気臭い顔をして森に入って行くバカが見えての。追ってきたんじゃよ」
「…そうかい。手間かけさせて悪かったな。見ての通り空気に当てられて疲れたから少し休んでるだけだよ。もう少ししたら戻るからビル爺さんは先に帰っててくれ」
「隠し事は感心せんな」
「隠し事なんてしてないさ。本当に…空気に当てられただけだよ…」
「…レイが旅立がないといかんのに浮ついている村の連中の態度が腹にすえかねるってところかの」
「な!?どうしてそれを!?」
「昔からお主が心を乱すのはいつもレイのことだったからのう。そのくらい簡単に予想できるわい」
「…本当バケモンだな、あんた」
「そんなに心配ならついていけばいい」
「残念だけど、俺にはあいつを助けられるような力なんてない。俺がついて行っても足手まといになるだけだよ」
「本当にそうかの?」
「そろそろ鬱陶しいぞ。何が言いたい爺さん」
「いや長年共にいた者が旅立つ覚悟をしたというのにその相方がこんな奴ではなと」
「な!?言わせておけば!!」
「さて、お主、天啓の儀は済ませたのか?」
「はぁ?なんで急にそんな事を「いいから早よ答えんかい。馬鹿者め」
「…そんなの済ませたに決まって…あっ」
「やはりのう。お主のことだからあの後すぐレイを追って行って天啓の儀をせずに教会を飛び出したんじゃろ?」
「…そのとうりだよ」
「ふむ、ならばこれをお前に」スッ
そう言うとビル爺さんは一冊の本をと二振りの刀を差し出してくる
「これって」
「うむ。天啓の書じゃな。もう一つは選別じゃ。村を立つ馬鹿者にくれてやるわい」
「…ありがとう。爺さん」
そう言うと俺は教会に向けて走り出したのだった
「気張れよ。若人」
--------------------
オマケ
天啓の書について
天啓の儀に使う本で血を垂らす事でその人の可能性を記す本となる
特別な方法で作られており基本的には聖都に保管され、その年の天啓の儀の日に各教会に送られるため基本的に流出しない
その保管方法と作られ方の特異性により聖職者以外が持っていることはまず無い
使用した天啓の書は使用者以外に開くことが出来なくなったり、自由に大きさを変化させることができるようになったりするため身分証明証として使われる
二振りの刀
ビルじいさんがカイへの選別として贈った二振りの日本刀、何か特別な秘密があるらしい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます