異邦人
月のきおん
第1話
狭い路地を歩くとそこは迷路の様に家々が並ぶ。
白壁に太陽が降り注いでいる。
どこまで続いているのかはわからない。
まるで絵の中から出て来たみたい。
異邦人という歌に出てくる街並みなのだろう。
異邦人は外国人の事だけど。
外国人より異邦人の方が想像力を搔き立てられる。
そんな街並みを歩くと2021年じゃないみたい。
そこだけタイムスリップしている。
遠い異国の地の電車のつり革のニュース写真を見ながら私は通勤電車に居る。
そして思うのだ。
私は今何故ここに居るのかと。
朝早くから起きて御飯の支度や夫や子供達の見てをして家事をこなして、今は通勤電車に揺られて。
そんなこんなでいつもは考え無い様な事を今あの白壁に太陽が燦々と降り注ぐ街並みの写真を見ながら私は何を考えて居るのかなどと。
今は確かに2021年の2月4日。
あっそうだ。もう直ぐでバレンタインデーだったけど、私は夫とまともに話していない。
お隣の家の奥さん。今朝挨拶して来たかしら。何も言って居なかったと思ったけど。
それにしてもこんな白壁の町並みの様な所を私が歩いて居たらこの街の人々私の事本当に異邦人と思うのか。
それにしてもあの中年の男性。髪はボサボサでスーツはヨレてるし奥さん何も言わないのかしら…。
そんな事を考えていたら30分のこの通勤時間直ぐに時間が経つのだった。
異邦人 月のきおん @kioco
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます