第9話 エール

昨年、私はいわゆる中間管理職になった。

つまり、部下ができた。

(部下という言い方、実はあまり好きではなくて、普段はメンバーという言い方をしてます)


私の部下が、複数回あるリーダーシップ研修を受けていて、最終回には、上司である私が部下へコメントするというプログラムになると知らせが来た。


本来なら、最終日の研修に上司もオンラインで参加して、受講者である部下にエールを送ってほしいと。ただ、当日参加が無理な場合は、事前にコメントを送付し講師から読み上げてもらえるらしい。

私はその日は別件の仕事があったので、事前送付になり、何をコメントしようか、数日考えた。


布団に入ってから寝る前までの少しの時間、わりといろんなことを考える。仕事のアイデアが降りてくることもあるし、今回も、「あ!これを、伝えたい!」と思ったのも、布団の中だった。


そういう時はすぐに枕元にあるスマホを持って、メールするようにしている。宛先は自分。


この時のコメントも、次の日に会社で少しだけ推敲して研修事務局へ提出したのでした。


そして、今日。

その研修の日で、終了後その部下からお礼の連絡があり、コメントを読み上げられて思わず泣いてしまったとのこと。


良かった。私のエールは彼女に届いたんだ。

我が子に贈るメッセージのつもりで、書いたから。


言葉の力って、やっぱりある。だから、本当に気をつけて、きちんと言葉にして、伝えたいなと改めて思ったのでした。

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