第21話

公開予約ボタン押すの忘れていましたので12時間遅れです(汗)


需要ない風見鶏くん回です。

4月の初っ端にはふさわしくねぇ~


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 今いるところは学食の隅の方。


 オレ様たちの周りには誰もいない。


 正に貸切状態。お前らはいくらでもオレ様に忖度しろ。

 だが、しかし……


「クソっ、戸影とかげ。お前あの女のチャリちゃんと壊したんだよな?」


「オレっちはちゃんと壊したよ。ガムイに言われた通りサドルをカッターで切り裂いてタイヤもごついハサミで前後ともちょん切ったし、前輪もパイプ突っ込んで曲げたしよ」


「じゃあ、なんであいつは何もなかったように陰キャとメガネ共と仲良しこよしで笑っているんだ?」


「そんなのは知らないって。ガムイ君が自分で聞いてきてよ」



 自転車壊してやったのに何でそんなに楽しそうなんですか? なんて聞けるわけねえだろうが! バカなのか? そうだ、戸影コイツはバカだった! クソ。


「チクショウ……」


 ももっちが泣いて謝ってきたら許してやろうと思ったのにな。二~三発オレのイチモツをぶち込んでやればオレの素晴らしさに蕩けるはずだ。

 だというのに……何だアレは? ガリ陰キャの傍を全然離れようとはしないとは何なんだ‼


「ねえ、どうしたの? ガムイ。昨日のじゃ足りなかったの?」

 朝からベタベタとゆうがくっついてくる。


 こいつの胸は小さいし、尻も大したことがない。顔だってオレの好みじゃねえがいくらでもヤラせてくれるし、奉仕もなかなか上手く出来る。


 だからオレの近くに置いてやっているだけの女だ。


 俺の周りにいる女は碌なのがいない。重光しげみは色白デブで某元力士そっくりな顔をしている。無理。

 じゅんは一六八の俺よりも背が高く、たぶん一七二ぐらいはあるのでは無いだろうか? 背が高いだけならいいモノ持っているようなので優同様セフレぐらいにはしてやっても構わないと思うが、昭和のスケバン気取りが非常にウザい。


 猫背な姿で、スケバン○事がどうしただの○八先生がいいだのあいつの言っていることは全く分からなくて会話が成り立たない。


 そんな女どもの中に唯一オレ様の好みドンピシャど真ん中の女がももっちだった。少々性格が暗くてめんどくさそうな感じはしていたが、オレの性奴隷になれば万事うまく行くはず、だった。


 それがだ!


 デカイだけの色白陰キャが現れた途端、ももっちはオレに対しても反抗的な態度をとり、あまつさえ無視するようになった。なぜだ?



 ★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★



 ……始まりはあの時、か?


「れ、き、君方、くん。だりーしとっととやっちゃうし。よけーなことすんな」

 学級委員に選ばれたときはももっちも陰キャに対してそんなこと言ってキレていたよな。


 それに対する陰キャの態度はしゃがみ込んでブルブル震えていただけだったな。デカイだけの木偶の坊って訳だ。


 だからオレは陰キャに追い打ちをかけてやった。

「おいおいど~した! 陰キャがももっちと一緒になったから緊張して気ぃうしなったんか~ ああん?」


 丁度チャイムが鳴ったせいか陰キャは教室から逃げ出していった。

 オレの威圧に恐怖したってことだろうな。ちっ、デカイだけの小者だな。



 そう思っていたが、LHRで行事の決め事だかをやっていたときだったか教室の前の方で真面目眼鏡と陰キャとももっちがキャッキャうふふでコソコソ話をしているのが目に入った。


 陰キャの野郎はいつの間にか女子二人に挟まれて如何にも楽しそうな面をしてやがった。クソムカつく……


 オレは席から立ち上がり、教室の前の方に座っているそいつらの前にいって一言言ってやることにした。


「オウ! ウェイ! ももっち、随分と楽しそうじゃねぇか?」

 ヘラヘラしていたももっちの表情が一瞬でいつもの無表情に変わる。


「今は会議中なのですから着席していてください」

 真面目眼鏡が偉そうにオレ様に意見してきた。


「うっせーな‼ メガネブスがっ」

 一喝黙らせた。親父に俺もよくやられるやつだ。


「とりあえず座っとけよ。今は北山さんが言った通り体育祭の件で会議中だ。あと、北山さんはメガネをかけてはいるがブスではないぞ。つーか、かなり美少女だぞ⁉」


 今度は陰キャ野郎か?


 意味わからんこと言って隣の真面目眼鏡がもじもじし始めるし、ももっちもすげー視線で陰キャを睨み始めた。


 なんだ? マジわからん。

 流石に温厚なオレ様でもこれだけ虚仮こけにされてちゃ黙っていられねえ。


「ああン? 調子に乗ってじゃねぇぞ‼ 陰キャ風情がよっ」

 オレ様の威圧に教室中が静かになった。キングの威厳ってやつだな。


「それは、茶髪陽キャ風情ならば、それこそ調子に乗ってオウ! ウェイ! 言っちゃうのも致し方ないとかいうことの裏返しか?」

 陰キャ野郎は静まり返った教室でぼそっと呟きやがった。


 クスクス笑いで教室が騒がしくなる。どいつもこいつもがオレ様を嘲笑あざけわらっていやがる。


 クソ


 クソ


 クソ


 ムカツク


 ぶっ殺してやろうか!!!!!!!!




 頭に血が登ったが、こんなことで王はキレていられない。

 腹が立つがここは一旦引いてやろう。


 決して担任教師の佐藤の視線が怖かったのでは無いからな。無いと言ったら無いんだよ! うるせーな。


 いつも屯っているメンバーを引き連れてオレは教室を出ていった。

 あの担任教師も止めなかったんだから構わないはず。



 オレ様はそのまま校外に出てしまう。

 一年の頃からたまにやっていることなので無断早退など今や気にしない。


 振り返ると重光と純は既に後ろにはいなくて、何処か他のところに行ってしまったようだ。


「オレ様に無断で消えるなんてとんでもない奴らだな。優もそう思わないか?」

 隣りを歩く優に声をかける。


「だね。彼女たちはいつもだから気にすること無いし。今日も行くんでしょ? 行こうよ」


 こいつが行きたがっているのは兄貴達から引き継いだヤリ部屋。親父のの会社が管理しているなんなのか分からねえ小汚い書類の山ばかり置いてある部屋にベッドを置いてヤリ部屋として使っている。


「ガムイ君。オレっちはこれで帰るよ。んじゃバイバイ」

「ボクも失礼します。さよなら。あ、ガムイさん、御用があったら何時でも呼んでくださいな」


 戸影とかげ金魚かなおも消えた。


 くっそ。結局残るのはガリペタなこいつだけか?

 あんまりやる気ないが、奉仕だけさせてやるか。


「行くぞ。優」

「うん、わかってるし」



 ★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★



「ねえ、アンタももちゃんになんかやったん?」

 重光が戸影に聞いている。余計なことを聞くな白デブ!


「ガムイ君が鈴原に制裁を加えて理解させてやるっていうんで、昨日の朝ぱぱっとやったんだよね。あいつのチャリ破壊したんだぁ」


「おまえ、それやっちゃいけない一線じゃないのか? 直接顔を殴るような真似はダメだな、やるならボディだぞ?」


 純は相変わらず何言っているのかわかんねえ。やっちゃいけない一線だと? お前が決めることじゃない。


「オレがやれと言ったらやるんだよ。それがゼッタイだ」

「そ、そうですよね。ガムイさんが間違ったこと言うわけ無いですものね~」


 金魚はいつもオレを肯定してくれる可愛いやつだ。カマっぽくて気持ち悪いのが欠点だな。


「もう鈴原も君方って陰キャのことも放っておこうよ? こっちはこっちで楽しくしようよ」

 優がおかしなことを言ってくる。


「はぁ? お前アタマおかしくなったのか? 陰キャに舐められてこのまま放置だと? ありえんだろ! それになももっちはオレの女だ。勝手にフラフラしていい女じゃねえんだよ。その足りないアタマでよーく覚えてけ!」

「……分かったよ」


 重光と純はブツブツ何か言いながら、また二人でスマホを弄ってこっちの話など聞く耳持ってない。いつものことだから気にしないし気にもならん。


「それではガムイさん。チャリ壊したぐらいでは効かないようですけど、次は何します?」


「いや。表向きは何も効いてなさそうだがももっちは貧乏だからな。自転車を直すにしても買い換えるにしても金がかかっているんだ。ダメージは確実に与えている。あいつは内面でうじうじするタイプらしいからな。暫く泳がして観察するつもりだ」


 落ち込んでいるところに颯爽と登場すればももっちもオレ様に惚れるに違いないからな。


「流石ですね。ガムイさん! この金魚感服しました」


「(ウンウン。もっと褒めろ)問題は陰キャだ。あいつの素性が全くわからん。引っ越してきたということは地元のモンじゃないってことぐらいしかわからん。おまえら二人でちょっと調べてこい」


「はい、ガムイさん」

「ガムイは何するの? 俺っちだけ働いているの損な気がするんだけど?」


「いつもの倍小遣いはやるから文句言わず働け!」

「ありがとうございます。ガムイさん!」

「よっ 太っ腹ガムイ君! よろしくね!」


 クソッ……現金な奴らだ。


「オレ様はオレ様でやることあんだよ。お前らは黙って言われたことをちゃんとやっておけ」

 家宝は寝て待てだっけ? しょうがないからとりま寝るのは優で我慢しておくか。



「やつには絶対にオレ様に跪いて泣いて許しを乞わせてやる……」



 ★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★



 家宝× 果報○

 その程度もわからないおつむの持ち主。


 親の七光りで強引に地元高校に入学できただけな頭の悪い風見我無為かざみがむい


 彼の名前の由来は『我無為而民自化』から。老子が号泣している姿が目に浮かぶ。


 自分に都合の良い解釈と甘え。年の離れた末っ子故、親にも兄弟にも甘やかされて育った挙げ句の歪み。

 親の金で親の権力の傘の下で親の過剰な庇護の下で彼は何処までも腐っていく。




「腐ったみかんの方程式、か。わたしには無理だな、きんぱっつぁんにはなれないよ」

「純ちゃんなにそれ?」

「なんでも無いよ、重ちゃん。それより早くスド先のところ行こう」





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最後までお読みいただきありがとう御座います。


佐藤先生の怖さがチラチラ見えてますけど?


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できれば……★★★で!!

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