わたしはこなつ
北風 嵐
第1話 わたしは こなつ (1) わたしは美人?
わたしは こなつ
おじいいちゃんは わたしが生まれた祝いに
こはると 書いたそうな
わたしの名前は こたつ
ちがった ひらがなの こなつ
おじいちゃんが 間違って書いたばっかりに
わたしは おねぇーちゃんに こたつ呼ばわりされる。
そう みんなが 寒い時に あっためてあげる こたつ
そう考えれば この名も 腹立つこともない。
何かにつけて わたしは おねぇーちゃんと違って
おおらかなんだ。
おねぇーちゃんは 中学1年生
わたしは 小学校4年生
おねぇーちゃんは目が ぴんポン玉みたいに 大きくて
可愛い? 将来美人だと云われて いい気になっている
将来の 保障なんて あてになるかい
あの目は おばぁ~ちゃんゆずりだ。
私の目は 細長く 切れ長である
おばちゃん似だ おばちゃんは お父さんの 妹で
東京に住んで 社会保険労務士という資格を持って
キャリアーウーマンをしている。
ちぃちゃいときは〈ブス〉とお兄ちゃんにいわれたけれど
大丈夫、私みたいになるからと言ってくれた
それがたよりだ。
お父さんは ちっちゃい時 まぁーるい七色の帽子を被って
そら、中国の皿回しのアシストする女性
全くお前は『チャイニーズ』と云ったっけ
自分の娘に そんなこという親 あっか!
こなつは どうしてそんなに 美人にこだわるの
お母さんは 聞いたけど
美人と〈ブス〉では大きに違う。
すでに わたしと おねーちゃんは 差がついている
美人と 不美人とでは 生涯で1億円の差がつくらしい
お母さんの 本棚の中の本に そんなことが書いてあった。
1億円と云ったら 大金だ
こだわらない方が おかしいだろう
おばちゃんだってそうだ 社会保険労務士は掃いて捨てるほど
失礼、たくさんいても 美人労務士は少ないはずだ
おばちゃんが 香港 シンガポール 外国出張行けるのも
そのせいだと思う。
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