ITインフラエンジニアを目指す為の勉強法・役に立ちそうな資格まとめ
◆WindowsのPCで他のOSを使用する方法。
VMware Workstation PlayerかOracle VM Virtual Boxをインストールすれば仮想化して他のOSを使用する事が出来ます。個人的にはスナップショットが使えるVirtual Boxの方がお勧めです。
なお、VMware Workstation Playerは商業組織で利用する場合ライセンスが必要になりますので、検証や練習目的でもライセンス無しに会社のPCで使用するのは避けて下さい。
・VMware Workstation Player
https://www.vmware.com/jp/products/workstation-player/workstation-player-evaluation.html
・Oracle VM Virtual Box
https://www.oracle.com/jp/virtualization/virtualbox/
◆Linuxを勉強するのにお勧めのディストリビューション。
商用サーバーで一番使われているRed Hat Enterprise Linuxのクローン、CentOSがお勧めです。情報が多いですしLinuC学習の為のテキストも殆どがCentOSの使用を前提としています。
但し、Debian系とコマンド体系が異なる為、CentOSに慣れたらDebianも勉強する事を推奨します。某社のNAS製品をハックするとDebian系のコマンド体系だったりしますので、組み込み機器の検証などではDebianの知識が必要になるかも知れません。
LinuCレベル2とレベル3の範囲に含まれるLDAPサーバーの学習にはUbuntu Serverを使用するのが良いと思いますが、他のサーバー用途ではあまり使われているイメージはありません。
◇追記
Ubuntuの使用率が40パーセントでシェアナンバー1という統計がありますが、この数値は全く信用していません。様々な企業で十数程案件を担当して未だにUbuntuサーバーを運用している企業を見た事ないのですが……。そもそも大手企業や役場などに無償OSを提供するのは宜しくないという不文律もありますので。
尚、本編には書いていませんが、Unixサーバーの場合Solarisの案件が多いです。個人的にはFreeBSD推しですが、最初にUnixの勉強もするのならば需要が多いSolarisから勉強するのが良いかも知れません。
・CentOS
https://www.centos.org/
・Debian
https://www.debian.org/
・Oracle Solaris
https://www.oracle.com/jp/solaris/solaris11/
なお、CentOSのインストール方法は次項目でご紹介させて頂いております『LinuC レベル1/レベル2Version 10.0 学習環境構築ガイド』のURLを参考にしてください。
*追記
2021年12月31日を以てCentOS8のサポートが終了しました。(最終稿参照)LinuC受験で使用するのであれば2022年4月8日現在ではCentOS7で充分かと思われます。
◆未経験者がITインフラ系で就職するために役に立つ資格と学習方法など
(評価は ◎>○>△)
◎LinuC (旧LPIC)レベル1~レベル2
Linuxの技術レベルを証明する資格。多くのITインフラを取り扱う企業でサーバーエンジニアが取得する事を推奨しています。市販の対策本の練習問題を解くのみでも合格可能ですが、ペーパー資格にならない様に最低限自分のPCを仮想化してCentOSをインストールし、『Linux標準教科書』シリーズのコマンドぐらいは実行するのが良いと思います。
出来れば『Linuxサーバー構築標準教科書』を参考にして実際Linuxサーバーを構築したり、CentOSの書籍を購入し、LinuCレベル2試験範囲のサーバーを一通り構築する事を推奨します。
・LinuC公式サイト
https://linuc.org/
・LinuC レベル1/レベル2Version 10.0 学習環境構築ガイド
(CentOSのインストール方法等)
https://linuc.org/docs/v10/guide_text.pdf
・『Linux標準教科書』
https://linuc.org/textbooks/linux/
・『Linuxシステム管理標準教科書』
https://linuc.org/textbooks/admin/
・『Linuxサーバー構築標準教科書』
https://linuc.org/textbooks/server/
*追記
『LinuC Version10.0学習教材(新規追加出題範囲)』はAnsible,Docker,KVM,Zabbixなど実務でもよく使われ、かつ訓練校ではやらなそうな内容が含まれています。特にレベル2用のテキストはおススメです。上記標準教科書学習後に以下のテキストの学習も推奨します。
・『LinuCレベル1 Version10.0学習教材(新規追加出題範囲)』
https://linuc.org/docs/v10/level1text.pdf
・『LinuCレベル2 Version10.0学習教材(新規追加出題範囲)』
https://linuc.org/docs/v10/level2text.pdf
*追記2
『Linux標準教科書』だけで不足を感じる場合、試験範囲が被っているLPIの学習教材も補助教材になるかと思います。以下のテキストは『Linux標準教科書』よりも詳しいのでお勧めです。
・『Linux Essentials バージョン1.6 日本語版』
https://learning.lpi.org/ja/learning-materials/010-160/
◎CCNA
ネットワークの基本的な知識とCISCO製品のスキルを証明する資格です。LinuCがどちらかと言えばサーバーエンジニア向けの資格なのに対し、こちらはネットワークエンジニア向けの資格となります。LinuCと比べると独学が困難ですが、ネットワーク関連専門の職業訓練を行う場合、CISCOの機器を使用出来ます。
学習方法としては、Packet Tracerという無料のツールを使用する事により、CISCO機器のシミュレーションが出来ますので、CCNA学習教材を参考にしてコマンドをPacket Tracerで実行すると良いかと思いますが、使える機能に制限があり、互換性が100パーセントある訳ではないので注意が必要です。
なお、Packet Tracerを使用するにはユーザー登録が必要です。
因みに八瑠気君のモデルの人はCISCOのルーターとスイッチを購入し、自宅のサーバーラックに積んで勉強をしているそうです……プロですわ。
・CCNA Routing and Switching
https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna-routing-switching.html
・Packet Tracer
https://www.netacad.com/courses/packet-tracer/introduction-packet-tracer
LinuCとCCNA両方を学ぶ事により、内容がインフラ全体に及ぶので仕事の幅が広がります。
かつて流行したMCPも取得すればWindows Serverのスキルまで網羅しますが、MCPは昔ほど重視されていない印象があるので優先順位は下がります。
〇CompTIA A+
クライアントPCのハードウェアやOS、ネットワーク、トラブルシューティングなどを学びます。受験料が高すぎる事と、IT業界でもマイナーな資格の為、個人で受験する分にはあまりお勧めできませんが、新入社員が基礎から学ぶには最適の資格だと思いますし、ハードウェアやトラブルシューティングの知識が身に就くので新米カスタマーエンジニアやヘルプデスクの方には特にお勧めしたい資格です。
会社入社後に一時金や資格手当が出るようでしたらMCPやらLinuCやらをチャレンジする前にこちらを取得するのも良いかも知れません。因みに私がIT関連で最初に取得した資格はA+でした。
基本的に市販の教科書と練習問題を解くのが対策になりますが、潰してもいい古いPCがあれば解体してハードウェアを確認したり、わざと障害のメッセージを出してから治してみるなど、色々試してみるのも面白いです。
・CompTIA A+
https://www.comptia.jp/certif/core/comptia_a/
△ITパスポート
情報処理推進機構の資格は企業で評価される事はあまりなく、前述のベンダー資格の様な実機の操作を仮定した資格の取得者が優先されやすい傾向にあります。
但し、ごく稀にヘルプデスクやPCハードウェアのサポート職などでITパスポート程度の知識が条件の求人も見かける事もあります。
ITパスポート取得が目標の訓練であれば成果を証明するために取得するのもアリかと思いますが、それ以外の場合で受験料を気にしない方はCompTIA A+あたりを取得した方が良いと思います。
・ITパスポート試験
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
◇資格について追記
近年はAWS(Amazon Web Services)というクラウド関連の資格が流行っている様ですが、先ず前提としてサーバーやネットワークの知識が必要なので、未経験者の優先順位としてはLinuC(LPIC)、CCNAより後になるかと思います。
◆ITインフラで未経験者でも就職可能な仕事
・PCキッティング
先ずはPCキッティングの案件からITインフラの仕事に入っていく方は多いと思います。
仕事内容はOSインストール、アプリケーションインストール、ネットワーク設定など。PCの雛型を作成し、クローニングソフトを使用し複数台にコピーするのが一般的です。
その後、客先に訪問して設置と設定を行います。スキルはあまり必要無いですが、客先の業務の邪魔にならない様に終業後や休日の作業も多いです。休日出勤した場合、きちんと休暇をくれる会社が好ましいです。入社するまで分かりませんが……。
ステップアップするとリーダーを任されたりするかも知れませんが、並行してサーバーやネットワークのスキルなどを身に就けて仕事の幅を広げるのが良いかと思います。
新卒の方がIT業界の雰囲気を知る為にアルバイトで経験するのも良いかも知れませんし、客先へのオンサイト経験まですれば異業種に就職するとしても就活時に充分アピールに繋がると思います。
・Linuxサーバーの運用・管理
Linuxのコマンドを知っていれば未経験でもサーバー運用の仕事に就ける場合があります。但し、24時間見張る必要があり、3交代制の仕事で体力に自信がある方前提の案件も多いです。
LinuCレベル1でも取得していれば就業できる可能性は高いです。最低限シェルスクリプトは使えるようにしておきたいです。
尚、Windows Serverは以前、Active Directoryを使えれば就業可能な案件が多かったですが最近は減少傾向にあると思います。
将来的にはサーバーの構築・設計・導入やネットワークエンジニアの案件も経験してインフラエンジニアへステップアップを目指すのが良いかと思います。
・ネットワークエンジニア
未経験でもCCNAを取得すれば稀に応募可能な求人があります。逆に未経験でネットワーク系の資格も無しにいきなりネットワークエンジニアに成れる求人は少ないと思います。
非CISCO系のネットワーク機器の検証などで未経験でも出来る場合があるかも知れません。
ネットワークエンジニアとして仕事をこなしつつ、サーバーの学習もしてインフラエンジニアへステップアップを目指すのが良いと思います。
・インストラクター
実務経験が無くてもLinuCやCCNAを取得していれば資格スクールでインストラクターになれる場合もあります。只、生徒に経験を話したりする必要もあると思うので、一度は何処かの会社でエンジニアとして経験を積んだ後に転職した方が無難ではないでしょうか。
・テストエンジニア
リーダーや管理者等が作成したチェックシートを元に動作検証を行います。色々な分野がありますが、もし、ネットワーク機器の検証を経験すればネットワークエンジニアへのステップアップが可能です。
Excelが使えれば就業可能だと思いますが、与えられた仕事をこなすだけでなく、キャリアアップを意識するのが良いと思います。
*追加項目
・ヘルプデスク、システム管理
ITパスポートレベルで就業可能。主に会社内の社員のパソコンのトラブルが遭った時に対応します。トラブルの件数は日々変動しますが多い日は軽くsiねます。自分が経験した時はメールが受信できなくなったとかが多かったですが、ネットに繋がらんとかで観に行ったらLANケーブルが抜けていたというア○な事例も。トラブルの状況により優先順位を付けて後回しにされてキレ気味な社員さんを上手く説得しないと駄目な時もあります。
現場のシビアな要求とシステム管理側のお偉いさんの間で板挟みになったり、理不尽な会社だと心が圧し折れます。正直あまりお勧めしません(マテ)。
システム管理の場合、ヘルプデスクが行うような仕事の他にActive directoryや各種ミドルウェアなどのアカウント管理や追加設定、パソコンのセットアップ、ライセンスの管理、バックアップシステムの管理、手順書作成、ベンダーコントロールなども行います。内容によってはサーバーやネットワーク機器、セキュリティの知識が必要になってきます。
システム管理者がベンダーコントロールまで任されると楽しいかも知れませんが、前任者が使えない業者のシステムを掴まされていると後始末が大変だったりします。
スキルや知識は勿論、それ以上にコミュニケーション能力が求められます。
ヘルプデスクでも我慢すれば社内SEへステップアップも考えられますが、言われた仕事をこなすだけでなく独学で技術を学ぶ姿勢も必要になります。
・ユーザーサポート
ヘルプデスクが社内限定であるのに対して、ユーザーサポートは主に社外のお客様のトラブルなど問合せに対応します。手段はメールや電話、チャットなど様々。
必要な資格は仕事内容によりますが、ネットワーク関連なら多分NTTのドットコムマスターのダブルスター程度の知識はあった方が良いかも知れません。
内容によりますが、決まったベンダーのユーザーサポートしか経験しないとその会社の製品の知識しか付かなくなる恐れもありますので、同系統の仕事でも色んな会社の案件を経験するか、サーバーやネットワークエンジニアなどにステップアップするのが良いかもしれません。
◆最後に参考までに当方が過去に取得した資格を挙げてみます。
バドミントン審判検定w
日本商工会議所簿記検定3級
MOS Word 2002 一般レベル
MOS Excel 2002 一般レベル
CompTIA A+
CompTIA Server+
MCP 70-290 Managing and Maintaining a Microsoft Windows Server 2003 Environment
Solaris Associate (SCSAs)
LPIC(現LinuC) level1
CompTIA Network+
LPIC(現LinuC) level2
LinuC level3 304 Virtualization & High Availability
しょぼい資格でも数撃ちゃ当たる? 殆どの資格が期限切れですw
CCNAは取得しようとしていた事もあったのですが忙しい時期に重なって取り損ねていました。取得したところで今更と言う感じですけどね。
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