嘘つき魔法使いと正直ペテン師
こうえつ
第1話 私には光が見えなかった
もう、何度も行われた無駄な事。わたしに起る事は全てが無駄だった。
原因不明の病気がわたしの身体だけじゃなくて心も変えた。
小学校の高学年で発生した病気は、わたしの身体の力を的確に失わせていた。
まずは、手足のしびれ、そしてうまく動かなくなった脚。中学二年になった今、もう自分の脚で歩くことは出来ない。
病気は進んだが、それを少しだけ遅れて、医学も進歩した。おかげではわたしは、こんな中途半端な状態にいる。
「小康状態」
医者は口にするが、進行が遅くなっただけで、わたしの身体の力を奪う病気は止まる事は無かった。
それは、誰に言われなくても、わたし自身が感じている。
病室の窓からは、春の光が差し込んでくる、でもわたしには暗闇にしか見えなかった。
闇に落ちる心。光はわたしには見えなかった。
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