よく分からないからと追放されてしまった俺。手に入れた固有スキル<空間干渉>で最強に(仮)
kaniyoi
第1話
「なー、昼飯行こーぜー」
「おう、今日はどうする?食堂か?」
などと聞こえてくる昼休み。今日も何気なく平和な一日が過ぎていく。
そんな中俺、高校生二年生である乾和人は友達である今野圭太と二人で昼飯を食べていた。
「なぁ圭太、今日の午後の授業なんだっけ?」
「おい和人、その質問何日連続で今日だけでも何回目だ」
「いいじゃねぇかよ、喋ることがねぇんだよ」
「はぁ、何回言っても変わんないのかよ。まあどうでもいいが次の授業は数学だよ」
「うげぇ、数学はわかりやすいけど桁多くなったり色々増えてきてめんどうなんだよなぁ。英語の方が面倒いけど」
「知るか、真面目に勉強しとけ」
そう言いながら圭太は昼飯を食いながらちょくちょくスマホをいじっていた。
「あー、なんか面白いことねぇかなー。異世界とか行ってみてーなー」
「馬鹿かお前、そんなことあるわけないだろ。あって欲しい気持ちはわからんでもないが」
「ちぇー、つまんねぇなー」
なんて言っていると急に床が光り始めた。その輝きは時間が経つにつれてどんどん強くなっていく。
ーーーは?ちょちょちょ、え?
俺が(というかクラス全員が)混乱しているとさらに輝きがまして何も見えなくなった。
光が収まり目を開けてみると、大きなホールのような場所に出ていた。よく見ると至る所にある装飾がすごく豪華で繊細なものであることが分かる。周りにはクラス全員姿があった。もちろん一緒に飯を食べていた圭太も一緒だ。周りを見てもやはりみんな混乱している様子だ。すると後ろにあったドアが開き数人の兵士のような格好をした人といかにも王様とお姫様と言ったような風貌の2人が出てきた。
「よく来てくれた、異世界の勇者たちよ。」
と王様風の男が言った。続けて
「今この世界は魔王を中心とする魔王軍の侵略によって滅ぼされようとしている。そこで諸君たち勇者の力を借りたい」
あー、よくあるような異世界転移ですかそうですか、、、ってなるかー!!!そう俺が1人でノリツッコミをしていると1人が前に出た。
「すみません、状況がよく理解できません。とりあえず詳しく説明をしてください」
とクラスのリーダー格である天上院快斗が言った。すると
「すまない、確かになんの説明もなく手伝ってくれとは言えんな。レイヤ、説明を頼む」
と王様風の男が言った。すると
「分かりました、今のこの世界について私からお話致しましょう」
「お願いします」
「まず自己紹介をさせていただきます。私はレイモンド王国第一王女レイヤ・フォン・レイモンドでございます。そしてそこにいる方が私の父上、レイモンド王国現国王アイザック・フォン・レイモンドです」
そういうとレイヤは頭を下げた。
「ここからはこの世界についてです。この世界は皆さんの中にも、もう察している方もいるかもしれませんがここはあなた達がいた世界とは別の世界になっています。そしてこの世界には人間以外にも複数の種族が存在しています。その辺に関してはまたあとから詳しく話すとして、この世界は今滅亡の危機に迫っています。」
と王女様は話し始めた。この王女様が話していた内容をまとめるとこうだ。
・今までは人間は色々な種族と交流しながら平和な生活を送っていた
・しかしある日突然魔王を名乗る存在が現れ一部の魔族を率いて世界を滅ぼそうとしている
・人間たちは他の種族と協力して立ち向かったがあまり良い状況ではない
との事だ。そこで異世界から勇者を呼ぶという伝説の魔法を使い、俺たちのクラスを召喚したらしい。ただだからと言っても平和な現代日本で暮らしてきた俺たちにいきなり戦えというのは無理があるだろう。快斗もそう思ったようで
「僕達は平和な世界で戦いとは無縁の生活を送ってきました。そんな僕たちが戦えと言われて戦えるとは思えません」
すると国王は
「異世界から召喚された勇者には特別なスキルや能力が与えられると文献に書いてあった。それが正しければそなたらは力を授かっているはずだ。なのでまずはその授けられた力を確認してから決めてくれ。無論しっかりとした訓練を受けてもらいそれから戦ってもらうつもりだ」
そう言われると快斗もあまり強くは言えなくなっていた。それぐらいならという雰囲気もあり、全員がとりあえず力を調べてみることにした。最初には快斗がやっているようだ。調べ方は簡単で水晶のようなものに手を当てるだけらしい。快斗が手を乗せると、水晶が眩しいほどに光り始めた。そして光が収まりスキルが見えるとざわめきが走った。
「おお!勇者様だ!しかもすごい!レベル一なのにそうとは思えないほどのステータスだ!スキルの方も素晴らしい!」
おっと、快斗が勇者のようだ。まぁ妥当だろう。クラスの中でも中心にいていつもリーダーのように振舞っていたし、カリスマのようなものもあったしな。と思っていると次々と歓声が上がった。
「おお!これは上級職聖騎士!」
「こっちもすごいぞ!賢者様だ!」
とみんなすごいスキルや職業を持っているらしい。
「これは!勇者とほぼ同じレベルの強さと言われる竜騎士です!」
お、圭太の方もレアな職業だったらしい。いよいよ俺の番だ。水晶に手を当てると---
ん?なんでだ?特に反応がない。いや少しだけ光ってる。だが他の人に比べると全然だ。
「なんだ?このスキルは?<空間干渉>?職業の方も空間師?見たことが無いスキルだが、、、」
とすごい微妙な感じのする反応をされた。なので
「すみません、これはなんのスキルですか?」
と尋ねても
「うむ、このスキル自体は初めて見るのだよ。しかし干渉系のスキルにはあまり強いということがない。だからあまり強いとは言えないと思うのだ」
と言われた。まぁしょうがないか?他の人たちが凄そうなスキル貰ってたし、俺の分がなくなっててもしょうがないのか---
ってなるかボケー!なんでだよ!なんで俺だけ?!他の人たちも何かしらの上級職だったよね?何その空間師って!新しい奴らしいけどなんか弱そうだし!ホントなんなん?!
はぁーーー、、、
どうせ何言ったってもう変わらないか、、、
しょうがない、このスキルで生きていくことになるのか。まぁ勇者として迎えられてるのであれば戦えなくても城で生活できるだろうから大丈夫かな?
なんて思っていた時期が私にもありました。
なんと、俺、城から追い出されてしまいました!っと言ってもただ追い出された訳でもないんだけどね。さすがに城には居させられないらしかったけど、そのまま外に出してしまうのは忍びなかったのか、金貨3枚と銀貨30枚、銅貨100枚ぐらいを一応貰った。とはいえこの世界におけるお金は多分金貨一枚で日本で言う一万円と言ったところだろう。銀貨、銅貨と下がっていくに連れて、一桁づつ下がっていく。この辺の物価の方はよく分からないがさすがに約六万円ぐらいじゃすぐに尽きてしまうだろう。まずはとりあえずお金を稼ぐことが最優先だな。
と言って訪れたのは冒険者ギルドと呼ばれる場所だ。ここについては城を出る時に教えて貰った場所だ。この世界の身分証がないので作っておくにこしたことはない。とはいえ、異世界と言えばギルドだよな!という若干の期待を持ちながらギルドに俺は入っていった。
外見は少しボロくなっていたように見えたのだが中の方は思いのほか綺麗になっていてガラの悪そうなやつに絡まれるようなこともなかった。
とりあえず今日は登録だけして宿をとることにしよう。さすがにちょっと疲れたしな。
という訳で受付に行く。
「すみません、冒険者登録をしたいんですけど」
と受付嬢に話しかける。関係ないが受付嬢はすごく美人だ。そこまで女子と話慣れていないわけではないのに緊張してしまうぐらいに美人だ。
「登録ですね?でしたらこの紙に必要事項を書いてください。」
と紙を渡された。そこでふと思った。あれ?そういや俺って文字かけるっけ?割と重要そうなことを思い出した。そこでとりあえず紙を見せてもらうと、不思議なことに読めた。さらに書くことも出来た。これはありがたい、文字が読めなかったり書けなかったりするのは相当大変だろうと思ったからだ。まぁともかく一つ問題が減ったことがわかったのはいいことだろう。
「よし。これでいいですか?」
と聞くと
「大丈夫です。最後にこのカードに血を一滴垂らしてください。はい、これで登録完了です。これから頑張ってくださいね!」
「ありがとうございます」
「あっ、そうでした当ギルドの説明を聞きますか?」
「お願いします」
ギルドについての説明はちゃんとあるようだ。こういうものはちゃんと聞いておくべきだからしっかり聞いておく。
「分かりました。まずランクについてです。ギルドではランクを下からF、E、D、C、B、A、S、SSの順番で並んでいます。今登録された和人様はFランクなので一つ上のEランクまでの依頼しか受注できません。これは身の丈に合わない依頼を受けて冒険者が死亡することを防ぐと共に、依頼を達成しやすくするための仕組みなので上のランクの依頼を受けたいのであれば頑張って上のランクを目指してください。それと---」
と言った感じで説明をしてもらった。あとはランクが上がる条件や冒険者同士の戦闘は禁止されているなどのことだった。
とりあえずの目的は達成したので体を休めるための宿を探そう。宿を見つけてスキルなんかを確認したら、明日から依頼を受けてみよう。
あ、なんか忙しくて圭太のこと忘れてた。まー追い出されるって時もその話聞いてたし何か問題にはならないと思うけど。んー、こっち来てから話せなかったけどま、生きてる以上何かしらで会うでしょ。
こうして異世界に飛ばされた上、城からも追い出されてしまった俺の新しい生活が始まろうとしていた。
-------------------
初めまして、kaniyoiです。あらすじにもあった通りこれが初めての作品です。名前に関しては思い浮かばなくてカクヨムIDをそのまま使っているので、変わるかもしれません。まだ慣れていないので、おかしな点などもあると思うので頑張って行けたらなと思っております。読んでいただいた方々、面白いと思っていただけたらどの辺が面白かったかなどをコメントして頂けるとモチベーションや書く上での参考になるので是非お願いします!
今日はもう1話だけ投稿します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます