クリスマス記念SS「相変わらずな彼ら」
少し未来の話です。
友情出演として、異能がすべてを変えた日、から弟分とその親友が出てくれています。
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「・・・今年もこの日が来ちゃうなぁ・・・」
僕は今、自室で一人心を落ち着けているんだ。
何故なら、明後日はクリスマス。
つまり明日はクリスマスイブ。
僕は明日からホームに連れ込まれる。
これは変わらない。
毎年変わらない。
大学生になりもう既に二年。
大学にも慣れてきて毎日楽しく・・・楽しいかなぁ?
相変わらず、何故か同性には嫌われていて、男友達は一人もいないんだよね(泣)
なんでなのかなぁ?
僕は仲良くなりたいんだけど・・・
学食とかで他の同性の人達が、やれ、飲みに行くぞ!とか、カラオケ行こう!だとか、パチンコ行くぞ!とか、今日はコンパだ!とか横目にしていると・・・楽しそうなんだよねぇ。
僕も、あんな風に男友達とわいわいやってみたいんだけど・・・
はぁ。
一応、声はかけられるんだよ?
なんで一応なのかというと、声自体は僕にかけているのに、何故か僕よりも一緒に大学に通っている桜花や瞳、宏美や梨花ばっかり見て、僕に目を合わせてくれないんだ。
だから、あれは多分、僕と仲良くなりたいんじゃなくて、四人と仲良くなりたくて声をかけてくれているんだと思うんだ。
当然、桜花達がそんなの許すわけがない。
ものすっごい塩対応!
一回、あまりにも冷たすぎて桜花に殴りかかった人もいたんだけど、桜花がその人をデコピン一発で気絶させてからは、誰も近づかなくなったんだ。
と、いうわけで、僕は相変わらずみんなと一緒に過ごしているんだ。
それが楽しくないわけじゃない。
でも、やっぱり男友達とわいわいやってみたいんだよなぁ・・・
あ!?そうか!!
そう言えば、弟分の健流くんがいるじゃないか!
それに、健流くんの親友の瀬川くんもいる!
よし!
そうと決まれば電話して見よう!
・・・もしもし?
「あ〜、気持ちはよくわかるっす。俺もなんでかしんねーけど
「え?そうなの?なんでなんだろうね?」
「そーすねー、なんでなんすかね?」
「・・・あ〜、なんというか・・・まぁ、二人は・・・仕方がないかもしれませんけどね。」
「「え?」」
僕が首を傾げると、健流くんも同じようにしている。
そしてそんな僕達を見て、瀬川くんは苦笑いしてる。
どういう事なんだろ?
「ま、良いじゃないっすか!たまには男だけでぱ〜っと行きましょうよ!兄貴!俺、とことんついていくっす!!」
「俺も付き合いますよ。たまには男だけも悪くありませんもんね。」
おお!
二人も乗り気だ!
よ〜し!今日はとことん楽しむ・・・
「あ、三上くん・・・だよね!?久しぶり!!」
「うん?」
あれ?
なんか女の子に呼び止められたんだけど・・・えっと・・・
「あ、高校のときの同級生の・・・」
「そう!覚えててくれたんだ!嬉しい!!」
確か、クラスを何度か一緒になった子だね。
卒業してからまだ二年だけど、なんだか懐かしいなぁ・・・
「ねぇねぇ、今日は何してるの?そっちの人達は友達?」
「え?う、うん。僕の後輩なんだ。今日はみんなで遊ぼうと思って・・・」
「え〜!?奇遇だね!私も今から、バイトの後輩と一緒に遊ぶところなんだ〜!」
「そ、そうなんだね。」
なんかすっごい顔を輝かせてるなぁ・・・嫌な予感が・・・
「あ!?じゃあ私のバイトの後輩とあわせて遊ばない!?きっと楽しいよ!?」
「い、いや僕達は今日は男だけで・・・」
「せんぱ〜い!」「おまたせしました〜って、あれ?」
「あ!?来た!!」
女の子が二人走り寄って来た。
あれ?でも、なんか健流くんと瀬川くんを見て驚いているけど・・・
「瀬川くんじゃない!?久しぶり〜!」
「大和くんもいるね!おひさ!!」
「え?お、おう・・・ああ、高校の時の・・・久しぶり。」
「・・・うん、久しぶりだね。元気だった?」
おお・・・そうか、そっちもか。
なんだか、変な偶然だなぁ。
こんな事もあるんだねぇ。
「すっごい偶然だね!これはもう遊びに行くしか無いよ!二人共、今日はこのメンバーで遊ぶのはどうかな!?この人は私の高校の時の同級生なんだ!ね?」
「え!?・・・でも・・・チャンスかも?賛成しま〜す!瀬川くん、良いよね?」
「そうなんですか!?本当に凄い偶然ですね!大和くん!行こう!!」
「「「え”!?」」」
そう言って同級生の女の子は僕の腕をとって組み始めた。
唖然としていると、同じ様な事が目の前の二人にも起きている。
二人も呆然として・・・焦り始めた。
多分、僕も同じ様な顔をしてると思う。
「い、いや、まずいよ!僕には彼女が・・・」
「あ、三上ハーレムの人達だよね?大丈夫大丈夫一人くらい増えても!」
「ええ!?」
「あ、悪いけど僕には愛する婚約者が・・・」
「ねぇ、瀬川くん、あくまでもお友達、お友達だから、ね?まぁ、友達にも色々あるかも、だけど。〇フレ、とか言うじゃない?」
「ちょ!?」
「いや、待ってくれ!俺も相手が・・・」
「如月さんや廻里さん、それに光ちゃんだよね?懐かしいなぁ・・・」
「いや、一年くらいしかたってねーだろ!?なんでめちゃくちゃ懐かしがってるんだ!?」
「あはは!じゃ、行こうか?」
「聞いてねぇし!?」
ああ、やばい!
やばいよ!
僕、この流れ知ってる!!
きっとこの後・・・
「へぇ・・・どうなるのかしらね?ねぇ、龍馬?どうなるのかしら?」
「ひっ!?お、お、桜花!?」
ひぃっ!?や、やっぱり!!
いつの間に背後に!?
どうやって僕の気配察知を抜けてるの!?
「龍馬くん・・・そういう事しちゃうんだぁ。」
「龍馬っち・・・あかんねぇ・・・」
「・・・あ、もしもし?梨花です。リディアさん?やっぱりリディアさんと桜花ちゃんの勘は大当たりでした。・・・はい、速やかに連行しますね?早苗さんは・・・あ、ありがとうございます!」
「瞳・・・宏美・・・梨花・・・ち、違うんだ!こんなはずじゃ・・・」
やばい!
なんか連絡取り合ってる!!
このままじゃいつも通りにされちゃう!!
ただでさえ、クリスマスで搾り取られるの確定なのにもっと酷い事に!?
唖然としている女の子達をそのままに、僕は健流くん達に助けを求めようとして・・・
「あらあらぁ?ミツルったら、愛する婚約者を置いて男友達と遊ぶって言いながら・・・そういう事しちゃうんだぁ・・・急いで帰って来て正解だったわね。」
「へ!?れ、レーアさん!?こ、これは違うんだ!!」
「・・・うふふ♡これはこれは・・・ミツルったら、お仕置きがして欲しいなんて、可愛い事思ってたんだぁ・・・」
「ち、違うよ!?違う!!僕は・・・」
「健流〜!!!あんたーーーー!!」
「あ、灯里!?ち、違う!誤解だ!!」
「むぅ・・・健流〜〜〜!!」
「ひぃっ!?光!?ほんと誤解なんだって!!」
「・・・やってくれたわね健流。まさか、このアルテミスを騙すだなんて。・・・どうしてくれようかしら・・・」
「ひ、ひ、姫乃!!違うんだって!!聞いてくれ!!マジで違うんだって!!」
・・・ああ、駄目だ。
これは、もう、無理だ・・・
「桜花さん、ありがとうございました。健流が悪さする前に捕まえる事が出来ました。教えて頂き助かりました。」
「桜花ちゃんありがと!」
「廻里先輩から連絡がなかったらどうなってたか・・・ありがとうございます。」
「そうね。廻里さん、ありがとね?これはもう、明日からなんて言ってられないわね。ねぇ姫乃ちゃん?」
「ええ、そうですねレーアさん。・・・というわけで、申し訳ありませんが、健流達は、これから用事があるんです。すみませんね。」
「彼女達の言う通りね。悪いけど、龍馬も連れて行くわね?」
「「「あ、は、はい。」」」
・・・ああ、女の子達が引きつりながら立ち去っていく・・・
「さぁ、龍馬?行きましょうか・・・わかってるわよね?」
「・・・違うのに・・・」
「今年からは、更に増えたでしょう?ガーベラとウルト、カエラもオリビアもキリアも気合入ってるわよ?良かったわね?」
「うう・・・でも、僕達はそんなつもりじゃなかったんだ・・・なんでこんな事に・・・」
「それもこれも、隙だらけのあなたが悪いのよ。じゃ、如月さん、灯里、黒瀬さん、レーアさんもまた。」
「ええ、また。じゃ、健流も行くわよ?わかってると思うけど、寝られると思わないでよね。」
「桜花ちゃんまったね〜!よ〜し頑張るぞ〜!!」
「廻里先輩さようなら!さ〜健流♡行きましょう♡その荒ぶる性欲はちゃ〜んと鎮めてあげるね〜♡」
「俺そんな荒ぶってね〜ぞ!?あ、ちょ!?あ、兄貴〜!!兄貴〜〜〜!!」
「さ〜ってダーリン♡行きましょう♡どんなお仕置きにしようかな〜♡ミツルもかなり慣れて来ちゃったからこのあたりでレベルアップしようと思ってたのよ!うふふ♡」
「れ、レーアさん!?これ以上僕をどうするつもり!?あああああちょっと〜〜〜!?」
目の前で引きずられていく健流くんと瀬川くん。
・・・ごめん。
僕が誘ったばっかりに・・・
「さ、龍馬。覚悟は良いわね?」
「・・・良くないです。」
「はぁ?」
「・・・はい。」
うう・・・なんでこんな事に・・・
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メリークリスマス!
というわけでクリスマスSSです。
表題は、B’zの「相変わらずの僕ら」からとって、「相変わらずの彼ら」でした(笑)
まもなく年末ですねぇ・・・
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