第58話 新たな仲間!?いや・・・婚約者ですか・・・そうですか・・・(4)

「「「「「「「「「「「「「「「「「それよ!(です!)(だろ!)(じぇねーか!)(じゃない!)(ですわ!)(じゃん)バカーーーーーーーー!!!」」」」」」」」」」」」」」」

「ひょえっ!?」


 居間に怒声が響いた。

 僕は思わずすくみ上がる。


 みんなは般若のような形相だ。

 ガタガタと震えが来ちゃう・・・なんで? 


「アホかリョウマ!いや、アホだぜリョウマ!!」

「まったくだ!リョウマ!いい加減、女心を分かれ!」

「そうですわ!リョウマ様!いい加減にしてくださいまし!!」

「リョウマお兄ちゃん!すぐそうやって!!」


 アイシャ、グレイス、エスメラルダ、メイちゃんが叫ぶ。


「リョウマさん!この子がなんでそう言ったのか、本当にわからなかったのですか!!」

「もう!リョウマくん!あなたはいつもいつも!!」

「そうですリョウマさん!いつも無自覚に!オウカにも注意されていたでしょう!?」

「ご主人様!姫様の言う通りです!」


 シエイラ、エルマ、レーナ、アナが叱りつけてきた。


「龍馬くん・・・それは自業自得だよ・・・」

「・・・龍馬っちらしいっちゃらしいけど・・・」

「龍馬くん・・・もう少し考えようね?」

「・・・確かに、女心を勉強するべきね。受験勉強よりも。」


 瞳、宏美、梨花、早苗さんが諭す。


「・・・ご主人さ・・・いえ、龍馬くん?お姉さんは呆れちゃうわ。まったく、こういう話には駄目な子ね・・・」


 ルーさんは呆れていた。


「リュウマ!あたしやウルトがまだなのに、なんで次々他の女を増やしてるのよ!!」

「そうよそうよ!わたくしもセルマも待っているというのに〜!!この女の敵!ジゴロ!早くわたくしたちも抱いて!」


 凄く怒っているガーベラと・・・ふざけているのか真面目なのかよくわかんないアネモネさん。


「龍馬くん?あなたが優しいのは、あなたの美徳です。そんなあなたが愛おしいからこそ、私も手伝いました。ですが、それは聞いていませんよ?それに、私の時にもそうでしたが、間違いを正し、その有様をしっかりと受け止めて、神という超常の存在に頼み込んでまで幸せに生きるように救われたマリアがどう思うのかきちんと考えたのですか?助けるなとは言いません。ですが、迂闊なことを言い過ぎです!」


 セレスが、人差し指を立てて、ズイッと顔を寄せる。

 ・・・笑顔なのに怖い・・・


「うふふ・・・龍馬さんったら・・・まったく・・・まったくもう・・・どれだけ反省させたら、気が済むのですかね・・・?どれだけ、その身体に教えこんだら、分かってくれるのですかね・・・?」


 ひぃ!?

 笑顔のリディアの後ろに鬼のスタンドが見える!?

 怖い!?

 どうやってるのそれ!?


「龍馬」


 僕は、その声が、死刑判決に聞こえた。

 おそるおそる桜花を見る。


「あんたは・・・あんたはまたっ・・・このおバカ!!」

「痛っ!?」


 思いっ切り拳骨を落とされた。

 身体強化まで使ってる!?

 マジで痛い!!


 そこからは、みんなにボコボコにされる。

 みんなも身体強化バリバリに使ってた。

 瞳達も、引っ掻いたり、噛み付いたり、つねったりしてきた。

 地味に痛い・・・


 一頻り終わった後、みんな汗を拭いながら、マリアを見た。

 僕は、床でボロ雑巾だ。


「で、あなたはどうしたいの?」 


 桜花がマリアを見た。

 みんなもマリアを見る。

 マリアは笑顔・・・苦笑?を消し、真剣な表情になった。


「・・・皆様、わたくしは、間違えました。それを龍馬くんと、異能組織の長、そして龍馬くんの後輩の大和健流くんに正されました。皆様は突然出てきたわたくしをお嫌いかもしれません。ですが・・・」


 マリアの目から涙が一筋流れた。

 マリアは土下座をした。


「わたくしは、わたくしの企てを・・・過ちを全て打ち砕き、そして真っ当な道を生きる権利をくれた龍馬くんを愛しています。両親や同胞を失い、冷たくなってしまったわたくしの心を暖めてくれた彼の優しさが、強さが、暖かさが、わたくしをとても強く惹きつけるのです。どうか、わたくしもお仲間に入れて下さい。なんでもします。なんでも受け入れますから・・・どうか・・・」


 泣きながらそう言うマリア。

 そんなマリアをみんなは見つめる。

 そして・・・みんなは桜花を見た。

 桜花はため息をついた。


「魔女・・・いえ、マリアさん、顔を上げなさい。龍馬に最終確認をするまでに、一つだけ質問するわ?」

「はい。なんでもお聞き下さい。」


 マリアは真剣な表情で桜花を見た。

 桜花が聞きたい事はなんだろう?


「もし、龍馬が、あなたを受け入れなかったら、どうするの?」

「・・・」


 マリアは俯き、そして・・・


「お答えします・・・が、龍馬くんには聞かれたくありません。」


 へ?

 なんで?


「・・・龍馬。ちょっとこの部屋にサイレントフィールドをかけて、部屋から出なさい?」

「ええ?・・・あ、はい!わかりました!」


 ギロッと桜花に睨まれて、僕は魔法をかけてそそくさと出る。

 なんだろう?

 気になるなぁ・・・



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