第40話 夏休みのおもひで〜不穏な気配を感じる・・・〜
「まったく!リョウマ様は隙が多すぎますわ!」
「エスメラルダの言うとおりだよね。リョウマさん・・・やっぱり監禁しないと駄目かな?」
「レーナ!レーナ!思考が帝国寄りになってるわよ!」
「あっいけない!エルマ、教えてくれてありがとうね。」
「まぁ、でもレーナの言う事もわかるな。ちょっと目を離しただけでこれとは・・・」
「グレイス、こうなったらやっぱりあたしらが働いて、リョウマを一歩も外に出さなきゃいいんじゃねーか?あたしらの稼ぎなら余裕だろ。」
「お姉ちゃんの言う通りです!常に三人位で見張ってれば大丈夫だと思うのです。」
「う〜ん・・・メイちゃん・・・でも・・・リョウマさん逃げちゃうかもよ?」
「シエイラ、大丈夫ですよ。逃げたら、先程のように『サーチ』で探して連れ戻せば良いのよ。その為に作った魔法ですし。」
・・・リディア達が恐ろしい事を言ってる・・・
「・・・ねぇ龍馬くん。いつもこんな感じなの?」
「あ、私もそれ知りたい!どうなの龍馬っち!?」
瞳と宏美の目が可哀想なモノを見る目だ・・・
「・・・ま、まぁ・・・今回は特別きついかなぁ。」
僕が呟くように言うと、桜花がジト目でこっちを見た。
「それはそうよ。今回のは流石に行き過ぎだわ。まさか半裸の女性たちに追っかけ回されてるなんて思いもしなかったわ。反省しなさい。」
「・・・はい。」
ううう・・・そりゃさ?
僕も悪かったと思うよ?
でもさぁ・・・何も旅行の時に、僕だけほっとかなくても良いじゃないか・・・
寂しくもなるよ・・・
「・・・龍馬くん?確かにそうですが、それでも女性だけの所に一人で行くのはどうかと思いますよ?」
ぐっ・・・セレスに心を読まれた・・・
「え?なんですかセレスさん?龍馬くんは何も言ってなかったですよね?」
「ああ、サナエさん。セレスは心が読めるのですよ。」
「え!?」
「そ、そうなんですかリディアさん?・・・凄いですね・・・」
「梨花ちゃん、セレスは元神様だからね?隠し事なんて出来ないわ。おかげで助かってるのよ・・・龍馬を締め上げるのに、ね。」
いや・・・本当にそうなんだよ・・・
絶対誤魔化せないもん・・・
「で、ご主人様は何を考えたのでしょう?」
「そうですね・・・ルーさんも想像している通り、僕も悪かったけど、旅行中に放って置く方も悪い、という感じですかね。」
「ご主人様・・・それは、女性だけの所に自分から行き、襲われかける言い訳にはならないと思いますけど・・・」
ぐあっ・・・アナに呆れたように言われた・・・
「まぁ・・・私達も悪かったけど、龍馬も悪かったと言う事で、この話は終わらせましょう。龍馬?これから気をつけるのよ?」
「・・・はい。」
・・・はぁ。
でも、良かった・・・今回は絞り取られないからね。
瞳達が居るし。
助かったよ・・・
「「「甘い(ですね)。」」」
桜花とリディア、セレスが口を揃えてそう言った。
・・・セレスはまだしも、相変わらず二人の勘はスキル以上だよ・・・
「・・・どういう事?」
「それはね瞳?龍馬がこのまま罰は与えられないって思ってるからなのよ。」
「・・・という事は何かする気なのかしら?」
「そうですね・・・内容はまぁいつも通りとして・・・問題は・・・いつ、どこでとなるのだけど・・・」
うう・・・やっぱり逃げられないか・・・
でも、少なくとも瞳達がいる限り今日は無い!
罰は旅行から帰ってからの僕に任せよう!!
うん!それがいい!!
「・・・ねぇオウカ。」
「何?リディア。」
「ちょっとお耳を拝借。」
「?」
・・・桜花とリディアが何かやってる・・・なんか嫌な予感が・・・
「(要は、サナエさんやヒトミさん達の覚悟が決まれば良いのですよね?)」
「(それはそうだけど・・・)」
「(オウカも気がついてるでしょうけど、リョウマさんは今回の旅行中には罰を与えられる事は無いとタカをくくってるわ。だから・・・前提を
「(・・・まさか。)」
「(うん、そのまさか。)」
「(・・・少しでも嫌がったら、私は反対するわよ?)」
「(ええ、それで良いわ。聞くだけ聞いてみましょう。)」
・・・桜花とリディアの談合が終わった・・・一体何を・・・
「早苗さん、瞳、宏美、梨花ちゃん、ちょっとこちらへ。」
「「「「?」」」」
ん?四人を呼んだ?
なんだろう?
また、こそこそやってる・・・
「(四人とも、龍馬と添い遂げる覚悟はある?)」
「(・・・うん。私はあるよ。)」
「(・・・私も・・・今はもう大丈夫。)」
「(・・・う、うん。私も。)」
「(ここまで来たら、もう腹はくくったわ。)」
「(みなさん、よく言ってくれました。実はですね?リョウマさんへのいつもの罰は、搾り取る、なんです。)」
「(・・・絞り取る・・・ってまさか!?)」
「(そうですサナエさん。そのまさかです。で、今、リョウマさんは、サナエさん達がいるから、罰を与えられないとタカをくくっています。私はそれを覆したい。)」
「(え?え?それって・・・)」
「(そうよ瞳。あなた達、龍馬に告白して、抱かれる勇気、ある?)」
「(と、唐突やね・・・)」
「(・・・ごめんなさいねヒロミさん・・・こんな色気も無い提案で・・・無理なら良いんです。あくまで提案として聞いて下さい。)」
「(・・・そ、それって・・・最初は一人ずつでも良いんですか?)」
「(梨花ちゃん・・・良いのかしら!?)」
「(う、うん・・・だって、チャンスといえばチャンスだし・・・)」
「(・・・梨花ちゃんの言う通りかも、ね。私は経験者だし・・・問題ないわ。)」
「(私も大丈夫です。覚悟はもう出来てるから。)」
「(ヒトミさん・・・)」
「(・・・よっしゃ!女は度胸!私も覚悟決めた!)」
「(宏美・・・)」
「(・・・皆さん良く言ってくれました。でしたら、上手く行くように最大限の協力をします。そして・・・リョウマさんに一泡吹かせましょう。・・・ふふふ・・・リョウマさん・・・のほほんとしちゃって・・・目にもの見せてやります!)」
「(リディア・・・あなた結構怒ってたのね・・・)」
・・・あ、桜花達が戻ってきた。
ん?瞳達の目がやる気に溢れていような・・・?
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