第34話 夏休みのおもひで〜事前打ち合わせ〜
今日は7月の後半。
既に夏休みに突入しています。
今日はキャンプに向けての話し合いを行う為に、一度集まる事になりました。
流石に、高校三年生だから、夏期講習なんかもあるだろうし、先生も引率で来るから日程を先生に優先しないとね。
本気でいつでも大丈夫なのは、僕と桜花だけだろうし。
「あっ!龍馬くん桜花ちゃんこっちこっち〜!!」
現在は愛知県で有名な喫茶店に来たんだ。
あの、例の◯ロノワールがあるところだよ。
「やあ、瞳も宏美も梨花も変わりないね。」
「三人ともこんにちは。」
「桜花ちゃん、龍馬っちこんちは〜!」
「桜花ちゃん、龍馬くん、こ、こんにちは。今日も熱いね。」
三人ともに元気そうで良かったよ。
ちなみに、先生は少し遅れてくるみたい。
まずは、注文して先生を待つかな。
受験勉強の進捗や、雑談なんかをしていると、
「みんな遅くなってごめんなさいね。」
小森先生がやってっきた。
「先生こんにち・・・」
「待って。」
ん?
なんで止められたんだろう。
先生が真顔で僕に手のひらを向けている。
「こんな所でその呼び方は困るわ。誰が聞いているかわからないもの。だから・・・龍馬くん、わかっているわね?」
それって・・・今は先生じゃないって事?
みんなを見回すと、みんな苦笑いをしていた。
「ほら!龍馬くん?私の事はなんて呼ぶんだったかな?」
小森先生が、首を傾げて笑顔で僕をじっと見る。
う〜ん・・・可愛い・・・ってそうじゃない!
僕は一体何を考えてるんだ!
「え〜っと・・・早苗さん?」
「はい!よく出来ました!」
おお!正解した!
頭を撫でられる僕。
「・・・私達もその呼び方で良いのかしら?」
そんな時、桜花が早苗さんを見てそう言う。
早苗さんは少し考えた後・・・
「うん。そうね。そうしてくれるかしら?その方がわからないでしょうし。それに敬語も無しで良いわよ。あなたたちは。」
「わかったわ。じゃあ、早苗さんって呼ばせて貰うわね。」
おお、桜花の順応が早い・・・ってそりゃそうか。
シャノワールのみんは結構、歳上が多いからね。
慣れもするか。
「桜花ちゃん・・・凄いね。」
「そうやね・・・なんちゅーか・・・慣れてる感じ・・・」
「これもメンバーの影響なのかな?」
梨花正解!
この子結構鋭いなぁ・・・
いっつも近い所を引き当てるね。
「さて、それよりもキャンプについて決めましょう。早苗さんはいつなら良いのかしら?」
桜花が舵を取る。
こういう事は桜花に任せるに限るよね。
「そうね・・・この辺りでどうかしら?というかまず、一泊二日なの?それとも二泊三日かしら?」
「一応・・・三泊四日位出来たら良いなと思ってるけど、みんなはどうかしら?」
そう、僕は桜花と話あったんだけど、それくらいあった方がのんびりキャンプを楽しめそうだなって思ったんだよね。
リディア達も来るなら、拠点の設営なんかもすぐに終わるだろうしさ。
・・・いや、キャンプだし。
拠点はおかしいか。
僕がそんな風にぼーっと考え事をしていると、
「・・・馬、龍馬!ちょっと聞いてるの!?」
「はっ!?な、何?桜花?」
「全然聞いてないじゃないの!」
「ご、ごめん。で、なんだった?」
「まったく・・・決まったわよ。日程。」
「あっホント?」
「ええ、日程は予定通り三泊四日、この辺りの日程で、場所は・・・」
こうして、場所と日程については決まった。
うん、そこならアンジェリカちゃん達に迷惑をかけることは無さそうだね。
流石は桜花だ。
てことは、それまでに、こっちの管理者であるシータさんと会って、後、宿題とかも終わらせといた方が良いのか。
行く方法は、一応早苗さんが車出してくれるのか。
じゃあ、問題無いね。
テントとか持っていかなきゃ行けないし、結構な人数だから大荷物だしなぁ・・・
「・・・龍馬。あなたまったく話聞いてなかったわね?今考えてる事当ててあげましょうか?荷物が大荷物になる、でしょ?」
相変わらず鋭いことで。
「さっきも言ってたけど、場所は大きめのコテージにしたわよ。テントだと何個も設営しなきゃ行けないでしょう?食事はみんなで作れば良いし。」
「えっ?そうなの?別にテント立てるのなんて対して手間じゃないじゃないか。みんなも慣れてるだろうし・・・」
「そうかもしれないけど、夜、分かれてたら・・・まあ良いわ。」
分かれてたら・・・なんだろう?
ちょっと考えて見よう。
夜にみんなで分かれる。
僕は・・・一人のテントかな?
一応男だし、早苗さんもいるから男女で分かれるだろうからね。
そうすると・・・はっ!?そうか!誰かが忍び込んでくる可能性が大だ!
誰が来るかな・・・リディアやシエイラ、グレイスは多分来るね。
積極的なアイシャとメイちゃんは絶対来る!
エルマとエスメラルダも多分来るなぁ・・・レーナとアナ、それにルーさんも怪しい!
最近積極的なセレスも来るだろうなぁ・・・あれ!?全員来るんじゃないのこれ!?
そんな事になったら・・・
「・・・どうやら気がついたみたいね。そうならないように、コテージにしたのよ。コテージなら、多分部屋に鍵が掛けられるでしょう?流石に壊してまでは入らないと思うし。」
「なるほど・・・」
流石は桜花だ。
みんなの事がよく分かっている・・・そして、僕の事もね。
多分、忍び込まれて誘惑されたら、今の僕では・・・耐えられる自信無いし。
そんな事を考えていると、瞳達がじ〜っと僕を見ていた。
なんだろう?
「何?なんかあった?」
「・・・ん〜ん?別に〜?」
ホントなんだろうね?
こうして、キャンプの日程は決まった。
さて、それまでにやることを終わらせておこうっと!
side瞳
龍馬くん達が店を出ていった。
今残っているのは、私と宏美、梨花ちゃん、それと・・・小森先生。
「・・・どう思う?さっきの?」
私がそうみんなに聞くと、最初に宏美が、
「テントじゃなくてコテージにした理由ってヤツ?そりゃ決まってるんじゃないの?」
そう言って、次に梨花ちゃんが、
「う、うん。絶対夜這いされるからって事だよね?龍馬くんが。」
と言う。
夜這い・・・この子のワードセンスは結構凄いわね。
やっぱりむっつりなのかしら・・・
「そうね。あの感じはそうでしょうね。桜花さんの感じを見ると・・・おそらく、いつもそうされているのだと思うわ。」
「小森せんせ・・・早苗さんもそう思います?」
「うふふ・・・瞳さん。言いづらそうね。」
「それはそうですよ・・・桜花ちゃんや龍馬くんのようには行きません。」
「そうだよね〜!あの二人は、歳上を名前で呼ぶのに慣れてる感じがしたな〜。」
「う、うん。いつもそうなんだろうね。」
私の言葉に宏美と梨花ちゃんも賛成してくれた。
やっぱりそうなんだよね・・・
「そうね。私もそう感じたわ。そうそう、あなた達にも言っておこうかしら。」
「何をです?」
早苗さんの言葉に問い返す。
「あのね?私も龍馬くんの事好きになっちゃったみたい。」
「「「っ!!」」」
やっぱり!
あの、飛行機の中でそうじゃないかなって思ったのよね!
でも、なんで・・・
「なんでって顔してるわね。あのね?私が連れ去られた時、学校には言ってない事があるのよ。それはね?実際には、私は逃げられたのではなく、龍馬くんが助けに来てくれたのよ。」
・・・そっかぁ。
でも、どうやって?
「・・・そうじゃないかな〜って思ってました。でも、どうやって・・・」
やっぱり、宏美も気になってたみたい。
早苗さんは少し考えた後、「まぁ、あなた達は仲間だものね。」と言って口を開いた。
「龍馬くん・・・多分、桜花さんもだと思うけど、あの子達は不思議な力を持っているわ。」
「不思議な力?」
「ええ、龍馬くんが私を助けに来た時に、龍馬くんは銃で撃たれても銃弾を避けてたし、男の人を何十メートルもぶっ飛ばしてたわ。」
「「「!?」」」
えっ!?
嘘でしょ!?
「私が知っているのはそれだけ。多分、今回のキャンプで、私を含め、あなた達にも詳しい説明をしてくれると思うわ。それに、あの子のハーレムってのも、そこに関係してる気がするの。だから、三人とも、心構えだけはしておいた方が良いと思うわ。」
「「「・・・」」」
そっかぁ・・・そうなんだ。
でも、そんなの関係ないわ。
私が龍馬くんを好きになったのは、ただ強いだけじゃないもの。
彼の優しい所や、気づかってくれる所なんかも大好きだから!
普通じゃない龍馬くんに、普通じゃない関係のパートナー達。
うん!俄然燃えてきた!!
「早苗さん、大丈夫ですよ。彼がなんであろうと私には関係ありません!彼を想う気持ちはそんな事で離れませんから!」
「・・・まぁ、瞳ちゃんの言う通りかな・・・」
「うん。私も龍馬くん大好きだし・・・」
そんな私達を見て、早苗さんは微笑んだ。
「じゃあ、やっぱり私達は仲間ね。仕事じゃない時は私はあなた達の仲間だから、気兼ねなく名前で呼んでね?」
「「「はい!」」」
さて、私達の結束は深まったわ!
キャンプ楽しみね!!
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