第303話 VS神の人形(2) side桜花
結界が壊され、人形たちが襲いかかって来る。
ちなみに、事前にホーム周辺の広範囲に、起動式の結界を設置してあり、この範囲であれば、人形は逃げる事もできない筈。
当然、出現と同時に起動してあるわ。
何せ、龍馬、ジードさん、セレス様の三人が作り上げた結界魔道具だからね。
流れ弾がホームに当たってもおそらく無傷ね。
さて、まずは数を減らすわよ!!
前衛として、シルヴァさん、エルさん、先輩・・・フェオドーラさん、グレイス、アイシャ、ウルトが飛び出す。
カエラさんはガーベラと、オリビアさんはキリアさんと組んで対応している。
今は、カエラさん達は、後衛に攻撃が行かないように阻んでくれている。
ちなみに、何故私が、フェオドーラさんを「先輩」と呼んでいるかと言うと、勇者としての先輩だからだ。
私がフェオドーラさんに冗談交じりでそう言った時、「先輩・・・いい響きね!これからそう呼んでくれるかしら?」とお願いされたからだ。
どうも召喚前に、日本のサブカルチャーに触れていて、そう呼ばれるのに憧れがあったみたい。
本国ではあまり、そう呼んでくれる人はいなかったようね。
話が逸れたわ。
私は中衛として、近距離、遠距離を担っているのだけれど、今は後衛側で、魔法の詠唱に入っている。
後衛は、マリオンさんを筆頭に、リディア、シエイラ、エルマ、メイちゃん、レーナだ。
今は、それぞれ高威力な魔法を発動するため、魔力を高め詠唱をしている。
「行きます!前方!」
最初はメイちゃんだ。
打つ方向の呼びかけは事前に決めてある。
ホームの正面入り口から見てどちらの方角になるかを起点にしてあるの。
ホームは動かない目標物だからね。
「光魔法!『レーザーキャノン』!!!」
メイちゃんから真っ直ぐ巨大な光線が放たれる。
既に前衛組は射線上からは離脱済み。
神の人形は回避行動を取ろうとしたけれど、数が多すぎな上、速度が早く、前衛組も上手く散らないように戦っていたので、個体が互いに干渉してしまい避けきれず、直撃した。
数体まとめて消し飛ばし、そのまま後方にいる個体も巻き込んでいく。
「次!右前方!極大火魔法『フレアボム』!!」
シエイラからは火魔法の極大魔法であるフレアボム。
大きめのバランスボール位の球体が放たれた。
これを、エルさんとアイシャが上手く背に隠したままギリギリまで引きつけ、そこから神速で躱しこちらに退避する行動をとった。
人形達は突然現れた火魔法を、結界で防ごうとした。
「そうはさせねえぜ!空破ぁ!!」
「ミアム獣国式格闘術『嵐空閃』!!」
アイシャが空歩で離脱中に、衝撃波を蹴り込み、エルさんが衝撃波を伴う手刀を打ち込み、人形達の体勢を崩した。
以前の聖女モドキの時もそうだったけど、強い結界は、手を翳した正面にしか張れないみたい。
体勢を崩された人形たちは、フレアボムが直撃し焼け落ちる。
そしてそのまま火球は膨張して膨れ上がり、周囲に居た人形も巻き込んでいく。
個体によっては結界で防いでいるけれど、結界を突き破りダメージを与えていく。
「左前方行くわよ!トリプルキャスト!!嵐魔法『テンペスト』!!」
エルマが叫ぶ。
多数の人形達を取り込むドーム状の結界が張られた。
人形たちは結界を破壊しようと『歌』を歌い始める。
でも、もう遅いわね。
次の瞬間、結界内に水刃、風刃、弾丸様に成型された岩が高速のミキサーの様になり、縦横無尽に荒れ狂い人形を破壊していく。
結界で防いでもそれは正面だけ。
背後から、上から、下から様々な角度から襲い、粉々にしていく。
「そこ!」
「隙あり!」
上手く結界の範囲外にそれた人形が、魔法に気をとられた瞬間に、カエラさんとガーベラが襲いかかり、人形を駆逐していく。
対聖女戦で判明した通り、人形は修復不能なダメージを負うと砕け散る。
カエラさん達は、頭部や胴体を上手く破壊し、倒していった。
「今度は私が行きます!上空!時空間魔法『ディメンションブレイク』!」
地上からでは進行できないと、上空から飛行しながら来た群れに対し、レーナが放つ魔法。
時空間魔法は全て強力なの。
勿論、魔力はかなりいるけどね。
教える事ができる人はほとんどいないけれど、ジードさんやマリオンさん、龍馬にはそれができた。
強力な攻撃魔法を覚えたレーナは強いわ。
範囲内の空間が歪み、人形たちは身動きが出来なくなる。
そのまま、空間がねじれるのに合わせ、手足、首、胴体が砕けて行く。
「こっちも行くよ〜!!」
「狩り放題!」
オリビアさんとキリアさんが、なんとか効果範囲に出た個体を狩って行く。
しかし、運良く五体満足に抜け出した個体が、急接近してオリビアさんを背後から切りつけようとした。
「オリビア!」
「え!?うわぁ!?」
注意喚起するキリアさんと悲鳴を上げるオリビアさん。
人形の持つ刃がオリビアさんに届こうとした瞬間、人形は背後から真っ二つにされた。
「こら、オリビア!油断しすぎだ!!」
「ごめん!ありがとウルト!!」
ふう。
肝を冷やしたわね。
でも、まだまだこちらの攻撃は続くわ!
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