第295話 また、みんなで集まる為に
「みんなちょっと良いかのう?」
ディバイドさんの声で、みんな集まっていく。
なんだろう?
「さて、今から話すことは、最後の情報のすり合わせと、計画の徹底をしておこうと思っての。」
なるほど。
みんなで集まれるのは、当日までであればこれが最後だ。
いい考えだと思う。
「始めるぞい。これからの予定として、概ね10日後、ヴァリスがこの世界を一度消し去り、作り直す装置を発動させる。セレス様、これは間違いないのですな?」
「はい、おそらく。誤差は1日程度でしょう。」
「その後、世界の崩壊を食い止めるために、その装置の力にはジード殿が対応する。よろしいか?」
「うむ。その通りだ。ヴァリスはともかく、創造神の装置だとすると、我でも分が悪い。死力を尽くして、均衡に持っていく位であろうな。」
「それで、ジード殿が力を発揮するタイミングで、セレス様がヴァリスのいる亜空間への道を開いていただく。このタイミングなのは、ヴァリスにこれ以上逃げられないようにする為。」
「ええ、そうですね。」
「その後、リョウマは亜空間の中へ単独で行き、ヴァリスを討つ。」
「うん。」
「そして、予想される事として、侵入者を察知した神の人形の相手を、オウカちゃんやリディアちゃんたち、我が国の五剣姫、ガーベラ嬢、それと、ジード殿の奥方達で対応して貰う。」
みんなが頷く。
「我々は国の方で、かなりの混乱が予想される。そこで、全ての事実を、リョウマの作り出した映像投影機という物で、各国に配信する。その役割は、我々各国、種族の代表者が、この場所から発する。そして、それぞれの国では、騎士団やそれに類するものが治安の維持に努める。セレス様は、代表者の上に座する者として、共に行動して頂く。これが計画の概要の全てじゃ。間違いないかの?」
「うん。そうだね。それで間違いないよ。」
ディバイドさんがみんなを真剣に見る。
「・・・正直な事を申せば、儂は今が、人生で一番楽しいのじゃ。気のおけぬ仲間とわいわいやれる今がのう。それを壊そうとするヴァリスには
みんなの目を見れば、同じことを思っているのがわかる。
絶対に負けられない。
「これは総力戦じゃ。偽神対この世界に住まう者との、のう。特に、実際に戦う者にはかなりの負担が掛かるじゃろう。じゃからこそ、ここに誓おう。全てを終えて、もう一度この馬鹿騒ぎをしようではないか。全員無事でな。」
勿論だ。
あんな引きこもりの根暗な神モドキの為に、ここにいるみんなの犠牲なんて、一人だって許すもんか。
「リョウマ、黒猫会の代表として、最後はお主が締めよ。お主にこそ、ふさわしいわい。」
・・・よし!
「みんな。ヴァリスは曲りなりにも神を名乗るモノだ。正直、僕も絶対に勝つとは断言できない。」
僕はみんなの顔を見回す。
「でもね、僕はこう思う。今、ここにいるみんな・・・セレス様やジードを含めて、こうやって出会ったのは、全てが運命を越える強い意思によるものだと。」
そう、運命ではなく、それぞれの強い意思がみんなを引合わせた。
「桜花やリディア達は、全員が苦境に立たされても諦めず、もがいて頑張った。アネモネさんやセルヴァンさん、ツカサさん、グレイガルムさんやエヴァンテスさんだってそうだ。僕はその覚悟を見せてもらった。ディバイドさんは、ここにいる時はおちゃらけているけれど、いつも国や世界の事を考えている。補佐する宰相のプラムさんや、マサオミだってそうだ。ジードやセレス様は封印されても諦めずにいた。当然僕だって頑張った。次元穴なんていう理不尽に負けないようにね。そんな僕たちが、ただ好き放題にして、偉ぶりたいだけのヴァリスになんか負けるもんか!」
みんなの瞳に強い光が見える。
「だから、宣言する!僕等は必ず勝利する。この世界を偽神から開放するんだ!」
「「「「「「「おお!!!」」」」」」」
僕が拳を突き上げるのに合わせて、全員が拳を振り上げ叫ぶ。
気合は十分に入った。
これで、今回の会はお開きになった。
最後5日は休養と準備に当てる予定だったので、残り5日は修行の追い込み。
修行の最終日を終えたら・・・ちょっとみんなと話し合おうと思う。
セルマさんに言われたことについてね。
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