第238話 みんなこれからもよろしく

 ぶっこみのルーあらわる!

 やべぇ!タケマルかリューヤかマー坊呼んで来なきゃ!

 いやぶっこみはそんなに喧嘩強くないか?


 ・・・現実逃避はこのくらいにしよう。


「いやいや、ルーさん、僕は増やそうと思ってないからね?」

「ですが、現実的には増えてますよね?どれだけのハーレムを作るおつもりですか?」

「ハーレムなんか作らないよ!?何言ってるのさ!!」

「本命1人に側室が7人、愛人1人。これがハーレムではないと?」

「まってまって!おかしい!側室って何!?愛人ってもっと何!?」

「えっ!?ご説明差し上げた方が良いですか?」

「・・・いや、いいです。しなくて。」

「ちなみに愛人は私です。」

「しなくていいって言ったよね!?」


 ぐうぅぅ・・・!またいじられた・・・

 そんな僕の様子を見て、女性陣はケラケラ笑っている。


「まあ実際その通りではありますね。オウカさんとは、まだお話しておりませんのでわかりませんが、私はこのメンツなら、うまくやっていけそうですよ?」

「そうだな。リディアちゃんの言うとおりだ。我々はリョウマを愛している仲間であり、戦友でもある。いろんな意味でな。」

「そうだなー。グレイスの言う戦友ってあれだろ?リョウマを堕とすためのってのだろ?」

「そうね。間違っていないわね。エルフ族はよっぽどの事情が無い限り、基本一夫一妻だけど、私はみんなと上手くやっていける自身があるわ。」

「エスメラルダお姉ちゃん、竜族はどうなのです?」

「そうですわね・・・あまり複数とつがいになることはありませんね。でも、わたくしの父様のように、王竜の立場であれば、複数の場合もあります。もっとも父様の場合は、母様が嫉妬深かったらしくて、母様以外のつがいはいませんでしたけど。」

「まあ、リョウマさんには頑張って頂くしかありませんね。いろんな意味で。勿論ルーの分も。」

「お嬢様、ありがとうございます。私も頑張ってご主人様に男を磨いて頂きます。いろんな意味で。そう、ご主人さまのご主人さまを・・・ぽっ」

「下ネタかよ!?ぽっじゃないよ!?めっちゃ口で言ってるじゃん!!」


 僕のつっこみに、またみんなは爆笑する。

 ・・・もう僕みんなに勝てる気がしない。

 みんなは僕に何を求めているんだ・・・


「ナニですよ。」

「心を読まないで!?」


 リディアの、この毎回、心を読む能力はなんなの!?

 変なスキルに目覚めてない!?


 ・・・は〜、とはいえ、これは僕が甘んじて受けるべきものでもあるか。


 しかし、本当にこれ桜花に会うの怖いなぁ・・・

 まぁ、こっちの世界にいる限り、会うことは無いからいいんだけどさ。

 こっちであったらリアル刃傷沙汰だよまったく・・・

 般若の顔で、刀を持って切りつけてくる様子が目に浮かぶよ・・・

 

 ゾクッ

 

 はっ!?今の何!?なんで殺気を感じたんだ!?

 みんなを見回しても、仲良く談笑しているようにしか見えない。

 なんなんだ・・・


 まあ、それは置いとこう。

 それよりも。


「みんなちょっと良い?」

「はい?なんでしょう?」


 みんながこちらを見る。


「これで、黒水晶は4つ集まった。残りは2つ。目的の、第一段階の完了までもうちょっとだ。これも、みんなの協力あっての事だと思ってる。でも、まだまだみんなを危険に遭わせる事があると思う。帝国の動きも気になるし、教会もそうだ。みんなには迷惑かけちゃうけど、これからもよろしくお願いします。」


 僕はそう言って頭を下げた。

 すると、みんなは笑顔になった。


「リョウマさん。それはこちらのセリフです。ここにいるみなさんは、それぞれリョウマさんに救われてここにいます。そして愛しています。だから、リョウマさんを助けたいと思うのは当然なんですよ。」

「リディアの言うとおりです。私も、テロアにいるお父様と共に、リョウマさんに救われています。どれだけ感謝しているのかわかりますか?私は、あなたのためなら、命は惜しくありません。どうか協力させて下さい。」


「それは私も同じだな。それに、セレス様もお救いするのだろう?なら、この世界に生きる一人として、こちらが礼を言うべきだ。」

「あたしは、正直そんなに信心深くはないから、それはそこまで同意できねぇけど、自分が決めた雄を手助けできねぇのは、雌としてあっちゃならねぇと思ってる。だから気にすんな!」

「メイもお姉ちゃんと一緒です!それに、リョウマお兄ちゃんに頼られるのは嬉しいです!」

「私もメイちゃんと同じね。部族を救われ、正しい方向に導いてくれたのはリョウマくんだもの。恩返しって事もあるけど、頼りにされるのはとても嬉しいわ。」

「わたくしもエルマに賛成ですわ。まだまだ未熟なわたくしですけれど、皆様に追いつけるように努力いたします。是非お力にならせて下さい。」


 みんなが口々にそう言ってくれる。

 

「みんな・・・ありがとう。」


 僕は心からみんなにお礼を言った。

 そして、みんなが、こんな僕でも愛情を持ってくれている事に感謝した。


 やっぱり責任は取らないとね。

 桜花には、しっかりと僕の口から言わなきゃダメだ。

 みんなを好きになっちゃったって。


 ・・・許してくれるかなぁ・・・

 死なない程度にボコボコにされるのは覚悟しとこう・・・

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