第237話 バイバイ!火の元の国!

 翌日、僕たちは火の元の国を去る。

 今、目の前にいるのはグレイガルムさん。

 そして、通信石でツカサさんとマサオミとも繋がっている。


「それではお世話になりました。」

「何を言うのか。むしろ我の方が世話になったと言えよう。」

『それは儂達も同じことだな。ありがとうリョウマ。』

『リョウマ、ありがとう。』


 三人にそう言われるとちょっと照れるな・・・


「もう友達なんだから、困ったことがあったらいつでも言ってよ?遠慮は無し!」


 僕がそう照れ隠しで言うと、三人は笑った。


「そうさせてもらおうか。リョウマ、エスメラルダを頼むぞ!エスメラルダ。リョウマをものにするのだぞ!」

「はい!父様!がんばりますわ!」


 そんな二人のやり取りを見て、ツカサさんやマサオミも、


「我が国からも誰か嫁がせるべきか?」

「そうですね・・・とても良い案だと・・・」

「却下!!」


 危険な案をインターセプトする。

 危ない・・・なんでみんな同じ様なことばかり考えるのか・・・


 長居すると止められなさそうだ。


「それじゃあね!また宴会の時に!」


 僕たちはシュバルツカッツェに乗り込む。


「ではリョウマ!連絡待っておるぞ!」

『リョウマ!宴会楽しみにしている!』

『リョウマ!元気で!』


 さぁ、セレスティア王国に帰ろう!

 シュバルツカッツェ発進!


 僕たちは一路セレスティア王国に進路を取り発進した。


 道中はみんな配置についていた。

 エスメラルダはみんなに色々聞いて、操船方法を聞いている。


 帰りは特に問題なく進んだ。

 途中ワイバーンに遭遇したけど、エスメラルダが出てすぐに戦闘は終わった。


 

 3日後、ホームに帰宅。

 シュバルツカッツェをストレージに入れ、ホームの説明をしながら母屋に向かう。

 母屋前でルーさんが出迎えてくれた。


「お帰りなさいませ。」

「ただいまルーさん。」

「そちらの方は?」

「新しい仲間だよ。エスメラルダ、こちらは使用人・・・というか、家の事を管理してくれている仲間のルーさん。」

「はじめまして。わたくしは火の元の国の王竜の娘エスメラルダと申します。よろしくお願いいたします。」

「はい。私は使用人のルーで・・・す?いま・・・竜とおっしゃいました?」

「はい。今は姿を人型にしております。ご覧になります?」

「ええ・・・お願いできますでしょうか?」


 エスメラルダは姿を竜に変えた。

 ルーさんは珍しく口をあんぐり開けて驚いている。


『これで信じて頂けましたか?』


 その言葉にルーさんは表情を戻し、


「はい。ありがとうございました。・・・本当にご主人さまといると退屈しませんね。」


 褒め言葉として受け取っておきます。

 エスメラルダも姿を戻した。


「それで、エスメラルダ様もリディア様やシエイラお嬢様と同じなのですか?」

「ううう・・・はい・・・そうです。」

「まったく・・・ご主人さまは女たらしですこと。」

「くぅっ!」

「そして釣った魚に餌はやらないっと。」

「ぐっ」

「そろそろ餌のやり方・・・練習してみます?私で。」

「しない!」

「はぁ、やれやれです。」

「ほっといて。」

「エスメラルダ様、それではお部屋とホーム内の事をご案内いたします。こちらへどうぞ。」

「お願い致します。」


 エスメラルダとルーさんは家の中に入っていった。


 はぁ・・・またルーさんにいじられた・・・


 一時間後、居間でみんなとのんびりしていると、説明を終えたルーさんとエスメラルダが来た。

 どうやら部屋は洋室を選んだようだ。

 エスメラルダはかなり興奮している。


「色々あって面白かったですわ!とても興味深かったです!」


 喜んでくれて何よりだ。

 

 夕飯になり、エスメラルダの歓迎会が開かれた。

 そしてそこには・・・待望の米!

 米は火の元の国を出る前に、ツカサさんから購入しました。

 1t位!

 僕もルーさんに米料理を教えがてら作りました。


 普通の白米、チャーハン、炊き込み・・・味噌汁も外せないね!

 

「それじゃエスメラルダ。冒険者パーティ『シャノワール』にようこそ!乾杯!」

「「「「「「乾杯!!」」」」」」

「皆様!これからよろしくお願いしますわ!乾杯!」


 まずはご飯!

 うまい!

 白米最高!味噌汁最高!

 チャーハンは・・・これもうまい!!

 炊き込みは・・・どれどれ・・・うーまーいーぞー!!


 涙をちょちょ切らせながらご飯をかき込む僕を見て、みんなクスクス笑っている。


「確かに美味しいですね。このお米というのは。色々な料理に合いそうです。」

「ああ、確かに。私は肉と一緒に白米が好きだな。」

「あたしはこのチャーハンってのがうまいな!」

「メイは炊き込みってのがいいです。」

「わたしもアイシャと同じでチャーハンが美味しいですね。」


 リディアとグレイスは白米、アイシャとシエイラはチャーハンか、メイちゃんは炊き込みとはシブい!


「私は白米ってのと味噌汁の組み合わせが美味しいわね。」


 エルフであるエルマと日本食ってのは違和感が凄い。

 これで納豆好きって言ったら・・・いや、でもエルフって菜食のイメージあるからむしろ合うのか?

 エルマ普通に肉食べてるけどね。


「わたくしはどれも好きですわ!とても美味しい!」


 エスメラルダは無邪気枠なようです。

 凄く嬉しそうに食べています。 

 喜んでくれてよかった。 

 そう思っていたら・・・


「それにしても、ご主人様はどんどん女性を増やしていきますね。」


 ルーさんがぶっこんできた。

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