第226話 竜の里での活動

 翌朝、起きてリビングでご飯を食べる。

 勿論、皆も一緒だ。


 もう、一頻り騒いだので、例の件にはみんな触れない。

 僕も触れてほしくない。

 まあ、正直逆じゃなくてよかったという思いもあるしね。

 気絶している女の子の服着せるとか・・・僕には難易度が高すぎる!


 ・・・イカンイカン。

 もう考えるのはやめよう。


「明後日までの方針を決めよう。」


 僕はみんなに提案してみる。


「取り敢えず、一度待ち合わせ場所を確認した方が良いのではないでしょうか?」

「そうですね。リディアに賛成です。地形の確認、何か仕掛けられていないか等予め見ておくことは大事だと思います。」


 リディアとシエイラは流石に頭が良いね。

 僕もそれに賛成!

 

 という訳で、食事後皆で移動。

 僕とリディア、シエイラ、エルマとメイちゃんは自力の飛行魔法で。

 アイシャとグレイスは、竜となったエスメラルダさんの背中に乗って移動する。

 

 今回の件で、空での戦闘が出来ないデメリットが良くわかったので、飛行魔法を教えて欲しいというリディア達に請われて教えることにした。


 リディア達はまだ飛行魔法を教えたばかりなので移動速度はのんびりと。

 たまに不安定になるので、エスメラルダさんといつでも助けられるように補助に入る。

 当然高度は超低空です。


 休憩を挟みつつ移動し、お昼時には予定場所に到着。

 

「木に囲まれた広場って感じだね。隠れようと思ったらいくらでも隠れられる。」

「そうですね。竜の方々に矢面に立って頂き、私達は森の中から様子を見る。念話で連絡を取りつつ潜伏している戦力の排除に回る、という感じでどうでしょうか?」

「そうだね。森の中なら、特にアイシャとグレイスは気配を消して行動出来るだろうしそれでいこう。時間的にはどれくらいだっけ?」

「はい、リョウマ様!捕らえたワグナ達の仲間の話では、丁度これくらいの時間の筈です。竜はいつも少し遅れて到着していたと言っておりました。」

「なら、竜達にはいつもと同じ感じで来てもらって、僕たちは少し前に潜伏していよう。」


 おおまかな案としてはリディアの案で決まり、エスメラルダさんは竜達と行動してもらうことにした。


 僕たちは周囲の地形をもう少し確認して、いくつか罠を仕掛ける。

 そしてこの場を離れる事にした。


 帰りもリディア達は飛行魔法の練習。

 その際、一緒に補助についていたエスメラルダさんに話しかけられた。


「リョウマ様。リディア達から皆さんはリョウマ様から鍛えて頂いたとお聞きしました。どうかわたくしも鍛えて頂けないでしょうか?」


 勿論ですとも。

 僕は補助につくエスメラルダさんの力の流れに注視する。

 流石は竜種と言うべきか、質、量共に人種とは比べ物にならないくらいに高度だった。

 う〜ん・・・どうするかな〜。

 まずは、力の流れの循環効率の上昇と、高速化からにしてみるか。


「わたくしのことも敬称なしでお願いしますわ。」

「わかったよエスメラルダ。」

「はい!よろしくお願いしますわ!!」


 そうして、ねぐらに到着してからはリディア達飛行魔法練習組とエスメラルダさんは休憩と瞑想を。

 アイシャとグレイスは僕と模擬戦となった。


 僕の課題は、魔狂薬を使用した竜達との戦いでわかった。

 魔力と気を同時で使う・・・これを使用したが破壊力がありすぎる。

 だから、このコントロールかな。

 もう少し溜めを少なくし、少量の合一も出来るようにしたい。


 それを念頭に置いての模擬戦・・・結果中々苦戦した。

 先の戦いのように、相手の命を気にしないなら苦労はない。


 だけど、今戦っているのはアイシャとグレイスだ。

 必要以上に傷つけたくはない。

 でも強さはあの竜達以上だ。


 細心の注意を払って模擬戦をする。

 

 終わる頃には汗だくになっていた。

 これは僕にも良い訓練になる。


 まだだ。もっと強くならなければ。

 ヴァリスは、おそらくジードに届かないまでも、封印するには到っている。

 正直今でも僕はジードには及ばないだろう。


 僕の目標は、あくまで帰還のためのヴァリスの討伐による神力の取り込みだ。

 こんなところで足踏みはしていられない!

 

 翌日は朝から訓練となった。

 そして更に次の日、待ち合わせの日が来た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る