第217話 竜の巣へ向かう
そうこうしている間にアイシャ達が帰ってきた。
早いなぁ・・・
話を聞いてみると、解体せず、そのまま死骸をマジックバッグに詰めたらしい。
そりゃ早い筈だよ。
そして軽い話し合いをして方針決めをした。
満場一致で救出する事になった。
「真神教徒が絡んでるんだろ?潰すしか無いぜ!」
アイシャの言葉が全てを物語っていた。
『皆様感謝致します。』
「それは、無事救出することができた後に聞きますね。」
涙ぐみ律儀に頭を下げるエスメラルダさんには、お礼を言うにはまだ早いと止める。
とりあえず、囚われているであろう場所を聞く。
すると、エスメラルダさんは、
『火の元の国の、火山の山頂付近にある竜の巣。ここが父様のねぐらとなっています。わたくしたち王竜の血に連なるものは火山の噴火程度では死にませんので。』
なるほどねぇ。
なら、まずはそこに行くか!
僕たちは再度シュバルツカッツェに乗り込む。
エスメラルダさんには、そのまま先導してもらった。
火の元の国に入り、順調に進んでいたけど、道中に遭遇した竜は5匹位。
エスメラルダさんを見るやいなや襲いかかってきた。
あまり派手にしたくないので、僕が一人で迎撃した。
余裕で竜を倒していく僕を見て、エスメラルダさんはかなり驚いていた。
『・・・人族でこれほどの強者がいるとは・・・素敵(ボソッ)』
最後何て言ったかわからないけど、とりあえず進路はクリアになった。
そのまま進み、火山と思われる噴煙を上げる山が見えてきた。
そこで一度地上に降りて最終打ち合わせをする。
『ここからは、敵の抵抗がかなり強くなります。』
エスメラルダさんが眼差しをきつくして言う。
さて、どうするかな・・・
「エスメラルダさん。一つ聞きたいんだけど、竜は全て敵だと思っていいの?」
『・・・足止めしてくる竜は全て敵だと考えていいでしょう。父様に与する竜は、全て火山から離れさせられていますから。父様の命を助けるのと引き換えに。』
悔しそうにそう言うエスメラルダさん。
よし!それなら・・・
「エスメラルダさん。それなら堂々と正面突破しましょう。」
『えっ!?』
「だって敵の竜は王竜様を捕らえたけど、まだエスメラルダさんがいるし、他の王竜様に与する竜もいる。おそらく警戒しているだろうから、それを蹂躙すればもう馬鹿な考えはしないかも知れないし。」
『でも危ないですよ?』
「そこは大丈夫です!僕の仲間はそんな柔じゃありません。ね!みんな!!」
僕は皆を見る。
皆は力強く頷いた。
「いよいよ竜種が相手か・・・腕がなるな。」
「おう!人質なんて汚ねぇ真似する竜なんてだせぇぜ!おもいっきりやってやるさ!」
「メイもやりますよ!エスメラルダさんが可愛そうです!!」
「それにしても加入してすぐに竜種と戦うことになるとは思いませんでしたね。」
「シエイラ、頑張りましょうね。特訓の成果を見せる時です。」
「私もがんばるわ。竜種相手なら精霊魔法を全開にしても良さそうだしね。」
みんなもやる気だね。
エスメラルダさんはそれを聞いて嬉しそうにしながらも涙ぐみ、
『・・・皆様・・・ありがとうございますわ。よろしくお願いします。』
そう言って頭を下げた。
絶対助けないとね。
「よし!じゃあ作戦と行こう。とりあえず飛空艇の姿を消して近づく。エスメラルダさんに気づいて襲ってきたら戦闘開始。僕が時間を稼ぐ間に飛空艇は着陸。僕がストレージに回収したら、リディアを責任者にして各自竜を蹴散らして!一応ペアはリディアとグレイス。シエイラとエルマ。アイシャとメイちゃんで。僕はエスメラルダさんとねぐらに突っ込むよ。」
「「「「「「了解!」」」」」」
『ならば、リョウマ様、わたくしの背にお乗り下さい。その方が行動がスムーズになりますでしょう?』
「良いんですか?」
『勿論です。むしろあなたのような強者を背に乗せられるのは嬉しいですよ。』
そういうもんなのか。
「じゃあお願いします。」
『喜んで!』
僕たちは作戦どおり低空で山頂を目指す。
しかし、中腹まで行ったところで、地竜に感づかれた。
ここまでか。
「みんな作戦通りに!」
僕とエスメラルダさんが地竜にブレスと魔法を放つ!
地竜達は何匹か絶命したようだが襲いかかってきた。
「「「「「「GGGGGGGGGGRRRROOOOOOOOOOO!!!!」」」」」
その間にみんなは着陸する。
全員が飛び出して来た段階で、僕は一旦下がり飛空艇をしまう。
「みんな、後は頼んだよ!!」
僕は再度エスメラルダさんの背に飛び乗り飛び立つ。
地竜との戦闘で、飛竜も続々と集まってきている。
まずはまとめて吹き飛ばす!
僕は足でバランスを取って背に立ち魔力を練る。
そして・・・
「オリジナル魔法『エクスプロードキャノン』!」
僕たちの直線上を爆発する光が進む!
視界にいた10匹以上の竜が巻き込まれ、ある竜はちぎれ飛び、爆発でへしゃげ、焼け焦げ墜落していく。
「まだまだ!オリジナル魔法『剣の舞』!」
今度は土魔法で模した100を越える剣が僕たちの周りを高速でぐるぐる廻り、囲んでいた竜たちを切り刻んでいく。
そして視界がクリアとなった。
「今だ!エスメラルダさん!!」
『はい!』
エスメラルダさんが飛び出す。
そのまま山頂へ!
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