第146話 晩餐会 拠点の行末(2)

 拠点を取り出し設置すると、みんなはあんぐりと口を開き驚いていた。

 ふふふ・・すごいでしょ!

 

 僕がドヤっていると、アルザードさんとレイチェルさんが、


「・・・大工がいらないと聞いていたが、これは・・・」

「・・・すごいわねぇ。それに見たこと無い建築様式だわぁ。これはリョウマちゃんの世界のものなのかしらぁ?」


と聞いてきた。


「そうです。といっても、僕の世界の、僕の国のものですけどね。国によってはこの世界の建築様式に近いものもありますが、どうせ作るなら故郷の建物にしようかなって。」


 僕がそう言うと、リディア達が、


「なるほど。さっそく中を拝見させていただいても?私すごく気になります!」

「私もだ。まだ先となるが、いずれはここに住むだろうからな。」

「あたし達はすぐにここに住むんだろ?楽しみだぜ!!」

「メイも!」

 

 口々にそう言ってきた。

 そうでしょうそうでしょう!

 ではご案内いたそう!!


 そうして僕は自重を一切省いた、「ぼくとじーどがかんがえたさいきょうのおうち」を案内した。


 一通り案内が終わって、気になるみんなの反応は?


 まずメイビス家の方々の反応は、

「・・・これは私の屋敷よりも過ごしやすいのでは・・・」

「私もこちらに住ませてもらおうかしらぁ?」

「確かに。素晴らしかったですな。」

「・・・兄貴。あんたやっぱり間違えてたわ。絶対敵対するより仲良くなったほうがメイビスの利益になったよ・・・」


 続いて、僕の仲間たちの反応、

「私の部屋はこの、洋室?にします。部屋の広さは小さめだけど、とても過ごしやすそうだし、大きな浴室もいいわね。居住性は申し分ないわ。見たことも聞いたこともない設備も良いですが、いつでも湯浴みができるのは素敵・・・学院辞めちゃおうかしら・・・」

「私も。鍛錬場もあるし悪いところがないですね。早く住みたい・・・一年長いな・・・アイシャ達が羨ましい。」

「あたしこの部屋にするぜ!このワシツ?ってのがいいな!草を編んだ床が気持ちいいし匂いが草原にいるみたいで落ち着くし。裸足だから床も汚くないからゴロゴロできそうだ!」

「メイはその隣の部屋!私もワシツが良い!料理するお台所?も凄かったし色々お料理してみたい!」


 好評のようで良かった。

 ちなみに部屋と部屋の繋ぎは、襖じゃなくドアにしたよ。勿論襖にもできるけどね。

 壁は土壁。

 強化済みだから防音、強度も申し分ない。


 今日から住むのは難しいから、実際に住み始めるのは、リディア達を送って帰ってきてからかな。


 これからは良い物みつけたら買っておいても良いかも。

 あれ?そう言えば・・・


「普通に流してたけど、リディア達ここに住むの?実家が近くにあるのに。」


 僕がそう言うと、リディアとグレイスは膨れ面で、


「当たり前です!!仲間外れは許しませんよ!!」

「そうだぞリョウマ!過ごしやすそうな家!鍛錬場と適度な訓練相手が完備!理想の指導者付き!こんないい環境で住みたくないはずがないじゃないか!!」

「「それに上手く行けばリョウマ(さん)に夜這いできるし」」

「出来ません!!」


 恐ろしいこと言うなぁ。

 そうじゃなくて、アルザードさんはいいのかってことなんだけど。


「お父様の許可は要りません。」

「いやいや。」


 僕が困ってアルザードさんを見ると、アルザードさんは歯ぎしりをしながら、


「ぐ・・む・・・し、仕方がない・・・ただし!手を出すなら責任を取れよ!いいなリョウマ!!」


 ええ〜!?

 

「私はリディアちゃんの味方よ〜?だってリディアちゃんが納得するかが一番大事だもの。それに相手がリョウマちゃんなら安心だわぁ。だから手を出しちゃっても良いわよぉ。責任は取ってねぇ。」


 いやいやいやいやいや

 ゼパスさん!執事長を務めて教育係もやっていたゼパスさんなら!


「お嬢様・・・私めは感無量でございます。これ以上は無い相手でしょう。リョウマ様頼みましたぞ。」


 ちょっと〜!?

 涙出ていないのに、わざとらしくハンカチで目頭押さえたりしなくても良いから!!


「・・・リョウマくん。諦めたほうがいいよ。母さんとリディアとゼパスが組んだら通らない意見はまず無い。」


 アリオスさん・・・次期当主の権限で・・・


「俺には無理だ。命は惜しい。」


 アリオスさーん!?

 僕はガクリと肩を落とし了承するのだった。


 回想終わり。


「リョウマに頼んで作って貰ったあのレイゾウコ?というのはとても良いな!我が家の料理人も喜んでいるし、飲み物が冷たいのも良い!」


 舞台は戻って晩餐会、アルザードさんがご機嫌で言う。

 喜んでもらえて良かったよ。


「なんだかんだでお前たちが出発すると寂しくなるな。」

「そうねぇ。リディアちゃんもまた長期休暇まで会えなくなるものねぇ。」


 アルザードさん達が寂しそうに言う。

 ああ、そうだった。


「それについてちょっとご報告がありました。」

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