第126話 リディアの父母との対面(3)
「そうなると証明は難しいですね。どうしたものか・・・」
僕がそう思っていると、リディアが割り込んできた。
「別に無理して証明する必要はないのでは無いですか?要はお父様達が信じるか信じないかでしょう?私とグレイスは信じていますし、それに足る経験をしました。それはアイシャやメイちゃん、シエイラやジラート卿も同じでしょう。それに、お父様が信じないのであれば、それは娘である私を信じていないのと同じこと。私には『真実の眼』があるのですから。」
・・・なんかえらく喧嘩腰じゃない?
リディアのお父さんが「ぐっ!」って唸ってるけど・・・
「そうねぇ・・・今はそれでいいのじゃないかしら?少しづつ知っていけばいいでしょうしねぇ。リディアちゃん達どれくらいこっちにいるの?」
「そうですね・・・学院には一日前に戻ればいいと思っています。ですから、5日間ほど家に滞在しようかと。」
そこでふとリディアは何かに気づいたようにこっちを見て、
「そういえばリョウマさん今後どうされますか?拠点を決めるような事をおっしゃっていましたが・・・」
そういえば、リディアには漠然としか話してなかったなぁ。
「僕は冒険者をしながら情報収集しようと思ってたよ。幸いアイシャとメイちゃんが仲間になってくれたからね。依頼をこなしながらお金を稼いで拠点を購入して、そこから各地を回ろうかと思ってた。」
「でしたら、拠点をここアルメスにしたらいかがでしょうか?拠点の購入費用はこちらで支払いましょう。」
「え!?いいよ、そこまでしてもらったら申し訳ないって。」
僕が焦ってそう言うと、リディアは真顔で
「いえ、これはこちらにも色々メリットがある話です。まず、リョウマさんの拠点がこの街であれば、情報交換がスムーズになります。依頼もしやすくなります。と、言っても私は後1年ほど学院の寮にいなければならないので、グレイスと共に王都住まいとなってしまいますが。」
と言った後、真剣な顔をして、
「それに、リョウマさんの目的は私やグレイスも手伝うと言ったでしょう?ならその方がいいです。そうしましょう。そこにいるお父様が信じなかった場合は私はグレイスとともにメイビス家を出るつもりでしたしちょうどいいです。」
いっ!?そんな話になってるの?
「なんだと!駄目だ!!」
リディアのお父さんが叫んだ。
そりゃそうだよね。
「お父様、私は昨日お話しましたよね?お父様の許可は要りません。」
リディアが睨みつけながらそう言うと、リディアのお父さんが歯ぎしりをして黙り込む。
・・・昨日どんな話し合いになったの?
でも・・・
「リディア、駄目だよ?家族は一緒に居たほうがいいよ?それにお父さん「誰がお義父さんだと!?貴様にそう呼ぶのを許した覚えは無い!!」」
・・・ええ?
リディアのお父さんめっちゃ睨んでくるし。
「・・・あの〜じゃあなんと呼べば・・・?」
「・・・アルザードでいい。」
「・・・じゃあアルザード様?」
「敬称などいらん。アルザードでいい。」
「・・・アルザードさんで。」
は〜・・・なんでこんなに敵視されているんだよ・・・
僕がため息をついた。
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