第115話 アルメスへの道中
「ちぇ、リョウマけっちーな!良いじゃねえか。つがいが増えるんだから嬉しがれよな!」
「リョウマお兄さんメイの事キライなの?」
違うんです。
そうじゃないんです。
僕は必死に現代日本の結婚観を語った。
そしてリディア達も、現在の僕を取り巻く女性関係(?)を説明する。
この字面・・・なんか僕、最低男みたいじゃない?
受け入れてないはずなのに・・・しくしく
「ほー、世界が変わるならそうゆーのも変わんだな。てことは、今リョウマはあたし達含めて6人に言い寄られていて、その、オウカ?の確認待ちってわけか。じゃあさっさとリョウマの住んでたところに行かねえとな!」
おー・・・どこまでも前向き・・・なんかわかって来た。
多分、アイシャは脳筋だ!
僕は問題を棚上げすることにした。
未来の僕が解決してくれるよ!多分!
・・・・なんか真綿で首を絞められてる気分になってきた。
撤収作業をみんなでして、道中は訓練と、実戦として魔物と戦う。
出てくるのはあんまり代わり映えしないけど、狼系の魔物が増えてきた。
ブレイブウルフ、グレイウルフと呼ばれる種類。
名前は、リディアが教えてくれる。
流石博識!
どちらも群れで攻撃してきた。
まあ、一蹴するんだけどね。
アイシャとメイちゃんの指導も併せて行ってるんだけど、二人共飲み込みが良い。
特に、メイちゃん。
今まで適切な指導者がいなかったらしく、意欲が凄い。
乾いた砂に水を垂らすようにどんどん吸収している。
指導内容は、リディアやシエイラにしたのに加え、光と水の特色について説明すると、攻撃魔法の威力は目に見えて上がり、回復については細胞の概念と、人体の構造を説明することで、回復力がアップした。
魔法は想像力だからね。
アイシャはグレイスと一緒で、身体強化魔法がメイン。
強化の効率は、グレイスが圧倒的だけど、身体能力は獣人であるアイシャが上回る。
後は、アイシャに僕の習得している武術の理を少々手ほどきした。
感覚派のアイシャは、何度か実演と、その身に技を受けることで少しずつモノにしている。
特に、その脚力から繰り出される蹴りは凄まじいの一言。
柔軟性があるから自由自在に蹴りを放つ。
僕がカポエイラやテコンドーを習得してたら嬉々として教えてたかも。
だけど、あくまで、アイシャは手甲と蹴りがメインだから、その理をどう活かすかはアイシャ次第。
自分のスタイルを見つけていくんだろうね。
一日の終わりにアイシャと僕とグレイスは模擬戦なんかもよくしていた。
勿論、最初の頃はアイシャはグレイスにボロボロにされてたけれど、アルメスへの旅の終盤には結構いい勝負をしてた。
まだまだグレイスに勝てないけどね。
そして二人はかなり打ち解けている。
どうも気が合うみたいだ。
多分、二人共、脳き・・・これ以上は考えるのをやめてあげよう。
途中の野営も併せて順調に旅路は進む。
食べ物も野生の獣や食べられる魔物肉なんかが手に入るので、食べるものには困らない。
良く寝・・・は難しいかもだけど、疲労は僕の魔法で回復できる。
良く食べ、良く動き、よく学ぶ。
実戦の相手には困らないし、みんなどんどんレベルアップしていく。
そうして、一週間後位にアルメスに着く頃には、リディアとグレイスは、バルムス滞在中よりかなり強くなり、アイシャとメイちゃんも、教える前より格段に実力を上げたのだった。
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